2号の修行日記

少林寺拳法を修行する筆者の覚書。

イレズミ拳士

2004-12-02 00:43:31 | Weblog
去年の話になりますが、私は相棒のY拳士と兵庫県大会に一般段外の部で出場しました。
段外とは見習い(白帯)から1級までのことを言います。
その予選で。

我々と同じブロックの予選に、髪が金髪で腕から胸にかけてすごいイレズミの入った拳士が
出場していました。
見た目だけでもかなりのインパクトだったのですが、彼らの演武はその見た目を上回るインパクトで、
1級の私が知らない技のオンパレード。
少林寺の演部は習った技しか使えないので、明らかに規定違反です。
飛んだりクルクル回ったりそれはそれは派手な演武だったのです。

しかもその技が決まるのかと言うとそうでもなくて、失敗してヘラヘラと笑っているではありませんか!



「なんなんだ、こいつらは・・・・。」



おそらくその場にいたほとんどの拳士がそう思ったでしょう。
私もそうでした。


さらに審判がそのことを彼らの所属する支部の支部長に注意すると、


「何が悪い!」


と言うお返事が返って来たとか。



もちろん彼らは予選落ちでした。
私は
「あたりまえじゃ、ボケ!あんなんで全国行けるんやったら俺らどないなんねん。世界大会行けるわ!」

口にこそ出しませんでしたがそう思ったのでした。



なぜ今ごろこんな話をするのかというと、よほどこの拳士たちのインパクトが強かったのか、
いまでも時々少林寺関係の掲示板で話題になることがあるのです。
まぁ、大概批判的な意見ばかりですが。

先日、某掲示板でも見かけたのですが、その時私は「あっ」と思いました。


元々少林寺拳法は開祖が祖国復興のために役に立つ若者を育成しようとはじめた武術。
今でもその理念は変わり無く、世界の平和と福祉に貢献する人間を育成するための機関と言っても
いいと思います。

もしあの時のイレズミ拳士が少林寺拳法と出会っていなかったら彼の将来はどうなっていたでしょう?
逆に彼が少林寺拳法と出会い、少林寺拳法の教義に触れる事によって周りの人たちに良い影響を与えられる
すばらしい人間に育っていったとしたら・・・・。
さらに「何が悪い!」と彼をかばった支部長。それを見越しての言葉だったとしたら・・・。



本当のところはどうかわかりませんが、それは別としても
私は少林寺拳法の本質を見失っていたのかもしれません。


反省です。