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釈勝叡

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トランプ関税 アメリカ自動車業界 壊滅

2025-04-28 22:06:38 | 出産・育児
 レイセオンテクノロジーズが被った追加コストは8億ドル。ゼネラルエレクトリックエアロスペースは5億ドル。3Мは8億5千万ドルにものぼる損失を強いられる。ハリバートンは鉄鋼価格の高騰により機器の製造が停滞している。キンバリークラークは3億ドルの追加コストを背負わされる。テスラはサイバートラックとセミ用の重要な部品の中国からの輸入を停止した。フォードは中国向けの複数のモデルの輸出を停止した。

 各社は追加コストの大部分を消費者への請求に上乗せするしかない。

 生産ラインは崩壊し、納車計画は崩れ去った。

 ゴールドマンサックスは、アメリカ国内で販売される輸入車の価格は1台当たり5000ドルから1万5000ドルも跳ね上がる可能性が在ると予測している。

 4000億ドル超の規模を誇る巨大自動車産業が、今や沈みかけている悪夢の真っただ中にある。

 トランプ関税は自動車業界のグローバルサプライチェーンの一つ一つの歯車を内部から蝕んでいる。アメリカ国内の中小部品供給業者の40%が、倒産の瀬戸際に立たされている。

 企業はコストの吸収が出来ず、生産ラインの一人一人の労働者が職を失い始めている。

 全米自動車産業協会の報告によれば、過去6か月間で少なくとも50の部品供給会社が破産申請を行ったという。一つでも供給業者が崩れ落ちれば、自動車モデルの生産ライン全体が麻痺する。

 ミシガン・オハイオ・ケンタッキー・テキサスなど、アメリカ各地の多くの自動車組み立て工場が、すでに生産を一時停止し、勤務シフトの削減、労働者の交代制休業を実施している。

 アメリカ労働省のデータによれば、関税政策が施行された最初の四半期だけで、1万8000人以上の自動車製造および部品製造の労働者が解雇されるか、あるいは一時休業を余儀なくされた。

 デトロイトは今、かつての自動車労働者たちの家庭が次々と破産し、住宅ローンの返済が出来なく成り、生きる為に他の土地へ移動するという現実に直面している。

 ミシガン州とオハイオ州のフードバンクは報告する。自動車労働者の家庭による食糧支援申請件数が、前年同期比で47%も増加している。かつて「安定した自動車産業の職」に誇りを持っていた人々が、今は、一箱のパスタ・一瓶の牛乳を無料で受け取る為に列に並んでいる。

 デトロイトの地域精神保健センターによれば、仕事を失ったことによる不安症・うつ病・ストレスにより精神相談を求めるケースが30%以上増加している。

 自動車組み立てラインの技術者を育ててきた職業訓練校やコミュニティカレッジでも、将来への見通しが暗く成り、希望を失い途中退学する生徒が急増している。

 グローバルサプライチェーンの分断により、港には輸出入が滞ったコンテナが山積みと成り、ロングビーチ・ロサンゼルス・ヒューストンの港湾で物流が停滞している。物流企業各社は、関税を回避する為に国際輸送ルートを書き換えざるを得ず、コンテナ輸送料金と保管料はかつてない水準まで高騰している。

 金融セクターも打撃を受けている。自動車ローンの不良債権比率は、わずか半年で22%増加。多くの個人ローン契約が支払い停止または破棄され、購入を諦める顧客が相次いでいる。

 最も深刻なのはイノベーションの停滞である。関税コストが研究開発予算を食いつぶしている。電気自動車EV・自働運転技術・次世代バッテリー・安全技術に関する多くのプロジェクトが、無期限延期あるいは規模縮小を余儀なくされている。EVや自動車AI分野のスタートアップ企業は次々と閉鎖に追い込まれ、不透明な市場環境の中、投資家は資金を引き揚げている。

 「メイクアメリカグレートアゲイン」「私は労働者・農民の味方だ」「製造業をアメリカに取り戻す」と喚いていたトランプが、自動車産業に壊滅的な打撃を与える。

 トランプは詐欺師レベルで約束を破る天才なのである。