重松清「その日のまえに」読了。「本屋大賞」にもランクインしてたし、
実際本屋さんに行くとかなりの数を平置きしてある。
「泣ける」と批評でも聞く。
ちょっと怖いながらも、思わず読んでしまった。
「泣ける」とまではいかないけれど、
ちょっと「グッとくる」ところはあった。
きっと、実際に近しい人を失った人は、号泣するんだろうな。
淡々と、文章は進んでいく。
それがまた淋しい。
それぞれが、少しずつ覚悟をしながら、日々を暮らしていく。
痛々しいとも思うし、神々しいとも思う。
本の中より、すごいドラマが日々起こっているんだろう。
最後の短編「その日のあとで」では、それぞれの短編の結末が
断片的にではあるが、でも確実に読者にわかるように描かれている。
何がハッピーエンドなのかは、その人次第だろうし、
残された者次第だろうけれど、
それでも現実をきちんと見なさいと言われたようで、すこし心が沈んだ。
読了後、いろいろその本について考えてしまう。
いい本の証拠です。
