Summing Up?

歴史散歩と風景印収集

直木三十五の墓と胡桃沢耕史

2011-06-23 23:26:37 | 日記
直木三十五という作家は「直木賞」で名前を残してはいるが、
世間的にはほとんど忘れられた作家であって
代表作「南国太平記」といわれても、ピンと来ない人の方が多いだろう。

直木三十五は戦前の作家の例にたがわず貧困と病気に苦しんだ人なのであるが、
病気療養のため、僕の家のわりあい近所に住んでいたらしい。
昔はここも海沿いの静かな町だったようだ。
今ではその海は埋め立てられて殺風景な団地と工場が広がっているが。

その直木三十五の墓が、横浜市金沢区の長昌寺という寺の境内にある。
長昌寺を探すのは難しいが、国道16号から少しそれた路地裏の住宅街にひっそりと存在する。


直木三十五というのは変な名前であるが、自分の年齢をペンネームにしたそうだ。
つまり三十一から初めて、三十二、三十三・・・とカウントアップしたが
周囲から煩わしいと文句をいわれたこともあり三十五で止めてしまったらしい。
結局、四十三歳で亡くなるまで「三十五」だったとのこと。

直木三十五の墓の隣には、やはり直木賞作家の胡桃沢耕史の墓がある。
なんでも生前から「直木の隣に墓を建てる」ということで準備をしていた墓なのだそうだ。

※右が直木三十五、左が胡桃沢耕史の墓。


※直木三十五の墓を拡大。


※こちらが胡桃沢耕史の墓。

胡桃沢耕史という人も、80年代は「翔んでる警視」シリーズで人気のあった作家なのであるが
今ではその著書はほとんど絶版で入手困難になっている。
作家は死んでしまったら、忘れられてしまうのも早いのだ。諸行無常である。

直木三十五の言葉で「芸術は短く、貧乏は長し」という言葉があるそうだが
こういう儚さを直木三十五自身も感じていたのだろうかと思う。

坂本お龍の墓(横須賀・信楽寺)

2011-06-18 23:02:58 | 日記
2月に京都旅行した時に、霊山神社にある坂本龍馬の墓に行ってみたが、
横須賀に龍馬の妻・お龍の墓があるというので、土曜日に京急線を乗り継いで行ってみた。

坂本お龍の墓は、横須賀市大津の信楽寺(しんぎょうじ)にある。
最寄駅は京急浦賀線の京急大津駅である。
鈍行しか止まらない小さな駅であり
駅前も区画整理していないので道路が狭く、
そこに自動車がどんどん入ってくるので歩きにくい。

京急大津駅。券売機の脇に稲荷がある。


町中にはあちこちに「坂本龍馬の妻 おりょうさんの街」というのぼりがある。
駅から歩いて10分、住宅街の中を進んでいくと信楽寺はあった。

住宅街の狭い路地のつきあたりにある信楽寺。


坂本お龍の墓は看板もあるのですぐにわかる。


ミニチュアや日本酒が供えてあった。


墓の前で手を合わせる。周囲に誰もいなかったが、帰り途でおばちゃん二人連れが
八百屋のおっちゃんに信楽寺はどこか聞いていたので、訪れる人は多いのだろう。

坂本お龍はもともと京都の町医者の娘であるが、龍馬が死んでからは不遇だったらしい。
坂本家と合わず、各地を転々としたのち横須賀に流れ着き、
商人と再婚して名前も「西村ツル」と変えたとのこと。
明治39年に亡くなるまでこの地で過ごしたそうだ。

墓石は「西村ツル」ではなく「阪本龍馬之妻龍子」の墓となっていたが、
これは死後しばらくしてから建立されたものらしい。

今でこそ幕末一、二を争う有名人の妻として有名であるが、
当人はきっとそんな未来になることを予想していなかっただろう。

河津バガテル公園に行ってみた

2011-06-09 23:55:22 | 日記
下田で食事したのちは特に目的もなく車を運転していたが、
伊東に向かう道すがら「河津バガデル公園」という看板が目についたので寄ってみた。
周辺は民家が全然ない、まったくの山の中である。
「バガデル」というのも何の意味かさっぱり見当がつかない。

まず入場料1000円というので「ちょっと高いんじゃね、これ」と思ったりした。
夫婦二人で2000円である。これでつまらなかったらさぞガッカリするだろう。

この公園はフランスの庭園をイメージして作ったものらしい。
バガデル公園というのは、フランスのブローニュの森にある実在の公園であり、
それを模したもののようだ。

園内には1100品種 6000株のバラが植えてあって、
ちょうど季節が良かったのか、それが一斉に咲き誇ってなかなか壮観であった。



ここは冬になったらつまらないだろうなと思ったが
冬の間は入場料を500円に下げて、レストランなどの営業で稼ぐ方針らしい。
園内にあるクラフトショップはセンスの良いものを揃えていると、嫁の方は気に行った様子であった。

ここはまた行くかどうかは微妙である。少なくとも男が一人で行くようなところではない。

伊豆半島 石廊崎周辺にて

2011-06-08 22:06:45 | 日記
6/5、6/6の二日間で伊豆を旅行した。
伊豆にもう何回も行っているのだが、
今回は一度も行ったことのない伊豆半島の最先端・石廊崎に行ってみた。

石廊崎周辺は、ひとことでいえば寂れていた。
「石廊崎ジャングルパーク」という、何年か前に閉鎖されたテーマパークが廃墟として残っており
どうやら野良猫の住みかになっているようで、
近づくと野良猫の一家がじっとこちらを見て警戒している。

その周辺のレストハウスなどの施設も草ぼうぼうのまま放置されていた。
取り壊すお金もないのだろう。

石廊崎灯台に行こうとして駐車場を探そうとするとおっちゃんが寄ってきて
駐車場代500円を請求される。嫁が「高い」と文句をいい
「ここまで来て引き返すのか馬鹿」と言い争うが
結局1万円札しかなく、おっちゃんに両替できないといわれたので断念した。
少々残念である。

石廊崎周辺の写真を撮った。
伊豆半島はいきなり切り立った崖で終わっており、
その先には陸地の破片というか、巨大な岩が転がっている。


ここには機会を改めて来てみたい。