この写真を見て「古い」と感じられる方はいらっしゃるでしょうか。
実はこの写真、たぶん十年以上は前?という頃の雑誌の切り抜きなんです。ずーっと捨てられなくて持っていたもの。
この切り抜きに映っていらっしゃるのは私の憧れの人の一人。実際のお名前を知るまでは、私は勝手に「エルメスマダム」と心の中で呼んでいた方。
というのも、私が20代の頃ですが、神戸でよくすれ違い、特に大丸の中のエルメスのブティックでよくお見かけしていたのです。
日本人離れした体型と雰囲気、立ち姿・・・どれをとっても本当に素敵で目を奪われていました。
そして型にはまったお洒落ではなく、本当にセンスがおありなんだな~といつも惚れぼれするようなスタイルで。
例えば、一見シワくちゃにも見えるトレンチコートのウェストをキュッとしぼってナチュラルなコットンパンツと合わせ、足元は素足に上質そうな革のドライビングシューズ。
ある時はこれまたナチュラルなラインのステンカラーコートに裾をクルッと巻き上げたカーゴパンツっぽいコットンパンツ。足元は可愛らしいバレエシューズ。時々エルメスのスカーフを頭に巻いてらしたり。
本当に本当にそういうスタイルをサラッと格好よく着こなしていらっしゃいました。
そしてそんな彼女がいつも手にしていたのが、使い込まれたエルメスの「バーキン」。
当時の私には手が出るはずもない高価なバッグ。そしてその頃の私に仮に買えるお金があったとしても到底似合うこともなかったでしょう。
神戸でエルメスマダムをお見かけする度、「いつか私もあんな風に・・・」と憧れていました。
(当時の彼女は40代くらいだったのでは。)そんなある日、本屋さんで立ち読みをしていた雑誌であの「エルメスマダム」を発見したのです!!
「えっ?!」と思い、その雑誌を買って帰り、家で母に「私がいつもお見かけして素敵だと言っていた方が雑誌に載っているの。」と話すと、母が「あぁ、小泉一十三さんじゃない。」と。
彼女は母の世代には有名なモデルさんだったのです。(どうりで。。。)
ショーケンこと萩原健一さんの最初の奥様でもあったとか。
それから時々、雑誌に載っていらっしゃるのを見つけるようになりました。そんな中、先日ご縁があってオーダーの権利を譲って頂けることに。長い長い時間を経て私の手元に「憧れ」の匂いを漂わせるそれがやってきました。
一十三さんみたいに自然に、素敵にサラッと使い込んでいけたら。
背伸びせずに似合う「大人」になれますように。
離婚されて神戸に戻られた頃で偶然にも萩原健一さんが訪ねてこられた時、我家の近所でお見かけしました。その昔から彼女のファンでまさか、お近くとは・・・とても憧れていました、私も当時珍しかった彼女が着てらしたダウンジャケットを真似て買ったこともあります、たしかにいつもケリーかバーキンをお持ちでしたね。私は未だに手に入れていませんが(笑)、ここ2年は六甲篠原台に我家を持ち、年に3回くらい帰省しています、小泉さんも六甲にお住まいと何かで知りましたが・・・いずれにしても同じように小泉さんを見ていらした方を偶然にも知ることができ、つい書かせていただきました。私は貴女様の母上様と世代が同じの57歳です。遠く神戸の昔を思い出すことが出来て本当にありがとうございました。