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青い桜~青年心理学ブログ

悩むのは、悪いことじゃない。

思春期・青年期はなぜ悩むんだろう?②マージナル=マン

2006-03-17 16:26:37 | 悩むことについて
さて、思春期・青年期に悩みが多く深くなるもう一つの理由として、マージナル=マンという言葉を紹介します。

マージナル=マン(境界人,周辺人とも言います)
心理学者のレヴィンという人が提唱した言葉です。
大人にもなれない、子どもでもいられない。大人と子どもの境界を彷徨っている人たち。
どこの場所にも属せないで、その周辺をうろうろ彷徨っている人たち。
思春期・青年期というのは、まさに「大人」と「子ども」の中間を生きる時代です。
「自分は大人だ」とも「自分は子どもだ」とも、いつでもはっきりいうということができなくなってしまいます。
あるときは子ども、あるときは大人・・・。周りからもそんなふうにコロコロと扱いが変わったり、自分でも、大人だと思ったり子どもだと思ったり・・・
「自分て一体、何なんだ?」
そんなふうに、言いたくなる時代です。

まさにこの、「自分て一体、何なんだ?」というのが、思春期・青年期の悩みの核だと言われています。

そして、「自分て一体、何なのか?」に自分なりの答えを探し、見つけてゆくことが、この時代の心の課題であり、心の成長となります。


少し前に、「自分探し」という言葉が流行りました。
実際に、「自分探し」をした若者もたくさんいました。今でも、たくさんいると思います。
いろんな心理テストをやってみたり、いろんなバイトを試してみたり、いろんなことをやってみる。・・・それはとても大切なことです。

でも、これにはちょっと落とし穴もあって・・・
「自分探し」をした若者は、どこか外国に「本当の自分」を見つけたのでしょうか。
「本当の自分」は探しに行ったら何処かにいたのでしょうか・・・?

・・・自分、というのはいつでも、「いま、ここにいる自分」です。
自分の手で触れる、自分で自分を指差せる、この自分。
たとえどんなに嫌でも、この自分。
一生つき合って行かなくてはならない、この自分。なんです。
この自分をさてどうするのか・・・。そんなことを考えて「この自分」と向き合って見つめてみて下さい。
はじめは何も見えないかもしれないけれど、きっと自分の心の声が聴こえてくると思います。