ひむかの生活文化研究所ブログ

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黒川清さん

2013-03-05 | メンバーお勧め(いいね!)
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亀井 善太郎さんの記事より
今日の日経夕刊「人間発見」
(毎週連載の人にフォーカスをあてるシリーズ)は黒川清さんです。
黒川さんは憲政史上初めて国会に設置された独立の調査機関
「国会事故調(通称、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)」
の委員長を務められました。
報告書では、技術要因ばかりでなく、
行政と業界、学界のなれあい、
その背景にある戦後の政治体制や我が国の雇用構造といった根源的な指摘をされました。
私たち自身も当事者として、
これを読み、しっかり考えたいと思う、それほどの報告書です。

この記事で、黒川さんは
「報告書はその後、国会で十分に議論されたとは言い難い」
との記者の指摘に対し、こうコメントしています。

(日経3/4夕刊より)
国会事故調は委員会も報告書も日本語・英語でウェブ公開、
つまりプロセスと結果を広く公開していました。
調査の内容と提言が国民と世界から評価され、理解が深まり、
三権分立の立法府の機能強化を通して健全な民主制度が一歩でも進むことを願っています。

まさに、いまの日本に必要なのはこのことです。
原発事故が未曾有のこととはいえ、
これまで、立法府が独立の調査機関を持つことはなく、
執行者である行政の情報独占を長らく許してきました。
行政に限らず、どんな分野でも、
執行者はいま自分がやっていることを肯定しがちで、
自らの誤りに気付かず、これを正すことはなかなかできません。
まして、誰もわからない将来のことである
「事前の見積もり(政策の効果推定)」となれば、
なおさら自らに甘いものとなりがちです。
日経経済教室にも書きましたが、
政策検討・立案・決定の基盤となる将来推計(政策の効果推定、事前見積り)を
行政(それも各省庁がバラバラ)が独占している問題を指摘し、
我が国の取るべき選択について提言したものです。

その後、政策の実現に向けて、超党派で議論を進めるところまできたところです。
政策決定の根拠となる「将来推計」を
独立機関が担うのは世界のトレンドでもあり、
OECDでも、独立推計機関のあり方に関する議論が進んでいます。
「国会事故調」は時限的な機関でしたが、
立法府の機能強化に大きな意義をもたらしました。
財政の崖を指摘した米国議会予算局(CBO)のような組織が日本の国会にも必要です。

黒川さんのおっしゃる
「三権分立の立法府の機能強化を通して健全な民主制度が一歩でも進むことを願っています。」
を実現するため、
合意を形成していく地道なプロセスですが、引き続き、がんばっていきたいと思います。
 
昨年の1月末に発表した政策提言です。


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