オンナはいつだって自己満足で、
自分の中で一方的に出した答えで、
オレを振り回して、傷付ける。
いつも一方的に出した答えを、
無理矢理に押し付けて、
こっちの気持ちなんてお構いなしで、
消えていく。
だからずっと、思っていた。
『…アイツらに、罪悪感はないのか?』
もちろん感じていないワケはないだろう。
だけど、アイツらが感じる罪悪感なんて、
オレが負った不信感に比べれば、
負担に比べれば、絶対的に軽いんだ。
だから、アイツらが感じる罪悪感なんて、
せいぜい『自己満足の範疇』の罪悪感。
「罪の意識に苛まれている自分」に満足できる程度の罪悪感。
よく「『偽善』って言葉はオンナの世界にしか存在しない」
ってオレは主張するけど、まさに『偽善』の世界の罪悪感。
そう思っていた。
だけど…
オレに憎しみを植えつけた、
オレをこんな風に変えた、
元カノに傷付けられた直後のオレに、
決定打を与えたあのオンナは。
今もオレのコトで、罪悪感に苛まれてるようだった。
抱いた夜のオレの横で。
再会した日の、居酒屋で。
栄の真ん中の、夜のナディアパークの広場で。
オレの出した言葉の数々に、沈黙して、
返せなくなるアイツ。
わかったよ…
もう、わかったから。
今のオレには新しい彼女もいるし、大丈夫だから。
わかってるよ。
あの頃も、自分が二股をして、
別れた直後の弱ってるオレを弄んでしまったコト、
その罪悪感に耐えられなかったんだろ。
オレにだって本当はわかってるよ…
そして、改めてわかった。
アンタが感じていた罪悪感が、
オレ自身が思っていたよりも、
ずっと真摯で、オレの想像以上のモノだってコト。
少しずつオレの中で、今までずっと抱えてた、
憎しみが氷解していくのがわかった………
モチロン、これでさっぱり罪悪感を忘れられたら、
オレはやっぱりいい気持ちはしない。
だけど、オレをこんな風に傷付けてきたオンナも、
ちゃんとオレに罪悪感を感じているって思えたから。
舞も、早紀も、マリちゃんも…
オレに罪悪感、感じているのかな…。
いつか、少しずつ彼女達のコトも、
許せるようになっていったらいいな…………