子どもたちの夏休み最大のイベントはユニットごとに行く一泊旅行だ。日常から離れ海や山或いは遊園地で思う存分に楽しむ。ユニットごとに行く方がより家庭的だし、移動も楽だ。
大舎制であった昔は、施設の子どもたちも職員も全員で海や山に出かけた。それはそれで楽しいひと時であった。施設全体で楽しみを共有することで生活共同体としての一体感も育まれた。
しかし子どもの中には、“周りからジロジロ見られて嫌だった。”という思いがあったのは
事実だ。家族でもない、学校でもない集団は、周りから奇異な目で見られた。
また、社会的養護の必要な子どもたちが、夏の旅行を楽しんでいるのを見て、“貧しい一般家庭の子どもよりもいい生活をしている”と、施設の子どもたちの劣等処遇を主張する方もいる。
確かに一般家庭でも貧困や家庭の事情により夏の旅行にも行けない子どもたちも多いのは事実だろう。そんな子どもたちに行政の支援が益々叫ばれている昨今でもある。しかし、児童養護施設は、叩かれ、無視され、傷つき、差別され、病気になってしまった子どもたちを守る最後の砦だ。彼らは、傍目には普通の子どもに見えるが背負っている重荷は計り知れない。
そんな子どもたちだから、出来うる最高の養育を提供してあげるのが義務であり、それを多くの方々に理解して頂きたい。
全国の児童養護施設の子どもたちよ、夏の旅行を、沢山沢山楽しんで!!
夕食は定番のBBQで(昨年の旅行より)
山の公園のシャワーで水浴び(昨年の旅行より)