私が買い物から帰ったら
家主が洗濯機の前で仁王立ち。
「なんかこぼれちゃってんだけど。どうすりゃいいの？」
洗濯機の置き場はお風呂場のすぐ横で、
娘専用のボディソープが
洗濯機のちょうど前あたりで倒れていたようなのです。
「これ、どこに置いたらいいの？」
拾い上げたボディソープを片手に
怒鳴っています。
買い物から帰ったばかりの私。
冷蔵庫に入れたいもののことに気がいっているため、
そこらへんに置いといてください
と、冷蔵庫に向き合いながら返事。
「ふた開いちゃってるけど、どうすりゃいいの？」
怒鳴り声はまだ続きます。
そのまま、とりあえず
そこらへんに置いといて
私の視線はまだ冷蔵庫です。
「すごいこぼれちゃってんだけど！」
口調はさらに強くなり
正直、しつこい。
え？今すぐ来いってこと？
ようやく家主の方を見た私。
自分は洗濯がしたかったよう。
なのに、
足もとには倒れたボディソープ。
今すぐコレをどうにかしろってこと？
そう言いながら近寄っていくと
「いいですっ！もういいですっ！」
こぼれたボディソープをまたいだまま、
荒々しく洗濯機の扉を開ける家主。
すごい音が響きます。
なんでそんなにイライラするの？
ちょっと拭いたらいいことじゃないの。
私はそう言いながら
洗濯機のすぐ横にあるティッシュを数枚手に取り
家主の足もとを拭こうとしましたら
「もういいって！いいからっ！」
手で払いのけるようなジェスチャー。
洗濯を始めようとしてるから
邪魔するな、ってことでしょうか？
こういう展開に
ものすごく家主らしさが丸々出ちゃってます。
自分がやろうと思ったところ
想定外のことが起こった、
自分のペースが崩された、
機嫌を損ね、怒鳴る。
それほどのことじゃない、と思います。
なんて大げさな。
洗濯機の前に
大量の血液がーーーー
くらいの騒ぎですよ。
家主が少し離れた隙に
私は手に取っていたティッシュで拭き取りました。
ものの１０秒くらいでしょうか。
それだけのことです、ほんとに。
