北の勘吉

日々の出来事をつれづれなるままに書きしるし、残り少ない足音とする。

去り行く友。

2008-05-10 08:00:02 | Weblog
時期はずれの雪。朝にチビ太は散っていった。5時に起きるとチビ太は台所下で寝ていた。オレの顔を見ると、外へ出せとの催促。玄関を開け、いっも用を足している物置前に連れて行く。小用をするでもなく、散歩に行きたそうなそぶり。息が荒いので、茶の間に連れ戻す。チビ太はこぶりの便をじゅうたんに落として、虚空を見つめていた。ややあって走るようにまた台所下の板の間に身をしずめる。息は荒く、そして弱まり静かになっていく。足のけいれんが始まったので、連れ合いを起こす。手をあてた体の息はすこしずつ消えてゆく。かすかな痙攣のあと、チビ太は旅立った。5時20分。
 15年一緒に過ごした家族がいなくなった。チビ太は茶の間の毛布の上に静かに横たわっている。まだ吠える声が聞こえそうだ。オレはなにもしてやれなかったけど、一匹の犬として立派な生涯を過ごしたチビ太。今までありがとう。今日一晩ゆっくり寝ていけや。明日お前とおなじ15年たって今年満開に咲き誇った桜の木の横に新しい寝床作ってやるから。また逢おうな、チビ太。