サバロ店長日記

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はじめてのシーバス 最終章

2008-03-05 14:01:20 | 昔話
真剣に釣りを続けるW氏をよそに私は堤防に座って休んでいた。
ケガのせいで立っているだけで傷が痛むのと、半ば夢心地の放心状態だった。

例の小学生が私のストリンガーを何度も持ち上げて、シーバスを眺めている。
私にとっても巨大なのだから小学生にしてみればとんでもないサイズに見えるはずだ。
昔、子供の頃に遊んだ公園の遊具を大人になってから見るとこんなに小さかったか?
と思うその逆だ。


2尾目を釣ってからどのくらい時間が経っただろうか?私の体に異変が起き始めた。

いわゆるひとつの生理現状だ。

今の私なら全く平気だが、当時20台前半の私にはまだ羞恥心があった。
ここは沖堤防。隠れてする場所など無かった。

運良く、あと10分も我慢すれば次の便の船が来る。これに乗れば間に合うだろう。

一生懸命ロッドを降るW氏にヤバいんで次の便で帰ろうと告げると、
『待ってくれ!もう一便何とか我慢してくれ!俺にも1匹釣らせてくれ~!!』と
せがまれた。まぁ、当然の話だ。
今思うと何で一人で戻らなかったのか?と不思議に思うのだが…。

当然の様に次の便まで待てずに我慢の限界に達した。
これ以上我慢すると何かの拍子に人間としての尊厳を失う事になる。
W氏に『誰かが来そうになったら、俺の方に行かないように言ってくれ』と頼み、
唯一の死角で用を足す事にした。死角といっても往来する船舶からは丸見えである。

『くっそ~、俺ってなんでこういう時にいつも・・・』と自分を呪いながらプリプリ。

と、背後に人の気配を感じた!!

何と例の小学生が目を丸くしてを固まっている。。。
私と目が合った次の瞬間、左手に持っていたバッカンをドサッと落とした。

その音でやっとW氏が異変に気が付いた。
『あ、君、君っ!! そっちいっちゃダメだよ!』
もう、遅かった・・・。

W氏は釣りに夢中で全く警戒してくれていなかった。。。


結局この日、W氏はシーバスを釣ることが出来なかった。
確か次の釣行で釣ったと思う。
その後何度もこの堤防に通ったが、この日以上に記憶が鮮明な日は無い。

帰り際にストリンガーを持ち上げると75cmのシーバスがいなくなっていた。
たぶん、小学生が何度もストリンガーを持ち上げているうちに魚の重みで
フックが外れてしまったのだろう。
その時は相当ショックだったが、今思えば結果的にリリース出来て良かったと思う。

あの小学生は今、どうしているだろうか?
あのシーバスは今、メータークラスになっただろうか?







大阪北港でヘチ釣りの黒鯛。この日は自己最高枚数と自己最大魚を釣る事が出来た。
遠くに見える赤灯台が船付け場所。そこから途中は無視し延々歩いて入ったポイントで3投目で釣った魚。
見ての通り、沖堤防は身を隠す場所など無い。トイレを気にしていたら黒鯛は釣れない。

要は『慣れの果て』で羞恥心など無くなるのだ。



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