【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

かんろあめひびきわたるうたげ 長編涅槃活劇[100禁]

ALLION【282】執着のなせる業

2010-05-13 | 4-1 ALLION




 ALLION【282】 


「う...そうね。特別な人だったから...ナールに..こんなステキな男性
 いないわ?って直感で...サの男たちに大うんざりしてた。だから
 男はどうでもよかった。それは18の子供だったけど、そこに突然
 何で?こんな人いるの?って凄くヒットして」

「クルーだからね。相手のことはオールオッケイ」

「それ...ネタバレした後、なあんだってなった」

「俺にもね」

「そうよ。なあんだ よ。がっかり」

「がっかり...はは!」

「覚めて観れば、ギーガも皆も未知がない。どきどきしない
 私の傍にいることが当前で考えてること全部筒抜け見えて」

「執着したところで執着しなくても横にいやがる」

「そうよ。がっかりイリュージョン」

「そんな感じだよね?ハハ」

「アリオンは...ダメ。彼がいなくなったら死にたくなる」

「堪能しろよ。人生は短い」

「 ...。」

「あ...済まん」

「いいわよ。ギーガもイーギンもロータスも皆こういうこと数多く
 経験してる...私だけが遅ればせながらの悲劇になる。わかってる
 わかりたくないけど了承して大泣きよ」

「何度も言うが...俺に言うな。俺はエヴァに執着してる
 知ってるか?俺は17000生きて初めてだ。自利感情て」

「私に言うな」

「 ...困ってる?言いたいことはそういうことじゃないだろ」

「私に出来ると思う?愛する側に立ちたいの」

「出来るとか...そういうことではなく縁あって出会った人には自ず
 勝手に身体が動く。それが愛する側。俺と出会う前の、エヴァの
 過去とこの100年は..俺は全くお前の何も知らない。腹立つことに
 イーギンとシオン、ロータスやセレスタインに聞かされて知った
 が...エヴァはハナからすっかりする側にいたようだ?自覚はない
 だろうが。尤も、する側 は自分がする側にいる自覚ない」

「 ...そうなの?...ああ、そうかあ」

「何でもいいからだ。優柔不断の褒められるスル側 はは」

「ふふ。わかる...無知の自信」

「ハハ...英雄宗教から外れた男だけが突破口を見つけ易い」

「ふふ。オンナの私は本当にウソかもね」

「そして、俺も。みんなウソ...人の想像の群れがこの世」

「それそうだけど...本当に死にたい?貴方」

「いいや?死にたかったのはエヴァがいなかった時。今は違う」

「成る程。執着のなせる業」

「リリーが仕組んだのか何なのか...そうとしか思えない」

「この理不尽?うふふ」

「 ...アリオンがいるときにサファイアに謝りに行くよ」

「え」

「アリオンも安心するだろ?俺が諦めたと」

「 ...どうしても介入したいのね?アリオンにも謝る?」

「当然だ、恙無く」

「ギーガ... 」

涼しい顔をして言うギーガにエヴァは静かに沸々と腹が立つ。






エヴァは自宅の自室にサジして戻った。

サファイアが出迎えて―嬉しいような羨ましいような複雑な顔して笑った。

「お帰り。100年ぶりの船は楽しかった?」

「98年ぶり」

「そんなこと。何か言い難いことでも?そんな顔してる」

エヴァは疲れた顔をしてベッドの上に突っ伏した。

「考えちゃううう...夕べの『青い羊』はいいとしてもクラッシック
 以外でも有名になっちゃったアリオン、皆が知るからどこで接点
 起こるかと思うと、大人しく『シシィ』だけにいた方が安全よね
 『キエーラ』は間違い?とか...私 年だから?女子会ももういい
 って思ったり、ナールの中で何か他の接触...『シシィ』の一本で
 動けってことかしら...バイトの動機も不純だし... 」

「何それ...『青い羊』はロータスとばったり以外に何か?」






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