ALLION【189】
「うん...もうどうでもいっかってくらい経ったときに」
「 ...そう。ならよかった。子供は18で引き取るから」
「かぐや姫ね?育ててくれてありがとうと言われる?
じゃあね、ばいばいってっ!冗談じゃないわっ?!」
「だったら船で育ててもいいよ?」
「そういう問題じゃないっ!」
「あはは、まだ若いよね?だから子供産む必要があるんだよ」
「 ...言ってる意味は凄くわかるわ?」
「そう、そうしたらアリオンとの喧嘩も減る」
「じじい!」
「文句はいいよ、それで2ヶ月間死なないように気をつけて?」
「そう簡単に死ぬようなことあるわけ?日常で」
「これだからっ!不死の人は生を舐めてる。傷の痛みを知らないと
人の痛みわからなかっただろっ?生だってそうだ、死ぬかもって
危機感知る必要がある。もし妊娠なら尚更だ」
「 ...わかった。あ、キアなくても自殺してしまえば元に?」
「そうだよ、今頃何言ってる?それ言ってたのに気づかない
エヴァが面白い。けど、赤ちゃんいるかもの今は自殺NO」
「 ...うわ...う...うん、気づかなくてよかったわ
でも、生理ないんです110年...それでも可能?」
「だからだよ、何もかも今は不明」
今、扉がノックされて―ダンタリオンが入ってきた。
「エヴァ、あれ、外出するんだろ?その服で?」
エヴァはいつものジーンズにセーター姿だった。
「あっダンタリオン、キア貰えると思ってて。この足じゃ」
「何?出掛けるの?俺、聴いてない」
サファイアがふたりの顔を見て言った。
「美術館とか...ずっと家の中だったからこんないいお天気
なのに!サファイアはシゴトあるからダンタリオンに、」
「ふうん。そう。けど晴れててもまだ寒い、外なんて
そう言えば、アリオンとのデートもしてないよね?」
「そよっ、足のせいよっ」
「それはトロいクリスティーナのせい。あ、ゼレンカも?」
「そう、彼女もヒマよねと思って。いいわ、ダンタリオン
ゼレンカは準備出来たんでしょ?ふたりで行って来て?」
「え...や、それはない?」
「何よ...あ、そういうこと?」
エヴァは戸惑ったダンタリオンに詰めた。
「知らねえよ、ただ、夫人がいないとやりにくいのは確かだ
恋人いたら迎え来させるのに半年前に別れていないらしい」
「それって...それじゃあ船に居る間も寂しかった... 」
「たぶん、その流れで単純に目前に現れた俺に注ぎ込まれる
だけだから覚めたら俺じゃない。から専属はよくなくね?」
「なら、会社復帰勧めたら?覚めて気も変わるわよ」
「それ、夫人が退院して生活のペース出来てからと言ってる」
「じゃあ、お母さん退院するまでそれもダンタリオンの役目」
「俺はいいけど... 」
「何だよ、向こうがその気ならOKすればいいじゃん」
サファイアが言ってカカと笑う。
「お前なあ、彼女はそう言う子じゃねえよ、年齢もそうだけど
付き合ったら即結婚て感じ。俺はお前と違って常に数人居る」
「むっ」
そしてエヴァにキアを渡さない理由をサファイアから聞いてダンタリオンは歓喜して、お嬢様は安静だな。と言って出て行った。
「デートするのかしら?...今日はホントのデートね」
サファイアはまた目を細めてエヴァを見た。
「ゼレンカもなんて、そこまでスル必要ある?賓客じゃあるまいし
至れり尽くせり...女の子ってそういうことされたら いつか感謝
もなくなって当たり前に。しかもデート...ダンタリオンはクルー
自分を好きかも?て勘違いされて当然だ。俺たちの軽率は、後が
大変って相場は決まってる。一線引かなきゃ」
「わかるわよ、でも、サファイアは女の子に冷た過ぎ」
「俺はエヴァ以外は見えない」
「そう。じゃあ、ヒマだから私とせっくすする?」
「俺に死んで欲しいのか?更に、アリオンに殺される
ギーガに殺される。ああ大変。死んでるヒマはない」
「バカじゃない?...判ったから抱いて。歩けないの」
サファイアはエヴァを睨んだ。
「 ...どこに行きたいの?忙しいのに」
「あの日からこの足よ、ゼレンカに会ってないもの」
「 ...くそっ、歩けるくせに.......わかったよ」
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