ALLION【350】
思い出せば、トスに関わったらソフィア、ユリウスにロマンツァ、イーギンのところではリツコもそんな感じだった。
そう言えば、ザーインに滞在するユリウスにはジョージアがいる。
サファイアやロータスやゼルダやリッツの周りに女性が現れたら、またややこしいことに絡まれる。
家出大変だった!アリオンの許にいればそんな事項から解放!と思ったところでゼレンカのきらきら輝く攻撃的な瞳と目が合った。
エヴァはそれを綺麗と思って―ゼレンカの意識を掴み損ねる。
「大丈夫?酔った?クリスティーナ、」
知らず、エヴァはアリオンに寄り掛かっていた。
あ...違う、挑発する気なんかない。
ゼレンカは私が知ってるとは知らない...。
エヴァは姿勢正しく挨拶してコリンたちと別れ―早々に出た。
.......これで完了。
いやいや、美しい若い子は無鉄砲で強いこと忘れてた...でも
「今度ゼレンカと浮気したら、」
アリオンに言うつもりではなく独り言だったが、未だエヴァの腰に手を回して真横に居たアリオンに聞こえた。
アリオンが、それ。と言って―エヴァが驚いてアリオンを見た。
「あ...違う。待って。誤解しない」
「それはない釈明させてくれ。こんな場所だけど、一度キスされた
だけで他はない。しかし、会社でも公演旅行中も気づくとそこに
いて無碍に出来なくて挙句勘違いさせてしまってそこをはっきり
出来ず長い時間彼女と一緒にいたのは事実だ」
「アリオン... 」
「僕の空いた時間は全て君といたいと思ってるのにどうして彼女が
いることを許してるんだろう、否、君のためだと思い直していた
作り笑いして遣り過し...体に少し触られただけで拒絶し有得ない
と言った。浮気ではないと思ってた。サファイアに、それは十分
浮気だと言われて蒼くなった。戻ってきた日。君の手紙を読んで
君にずっと指摘されていた無意識...途轍もなく愚かなことを」
「私のためだったんでしょ?解ってる。だから仮に、肉体関係雪崩
込まれちゃった浮気だったとしても私への思いが嬉しいの。結論
はそこに到達した。今アリオンの申し開きで納得した。聴かせて
貰ってよかった。さっきの5人対面でそのことについて全て終了
ただ、少し気になったのは...ゼレンカは諦めたのかなと... 」
「え...何か言われた?あった?」
「そうじゃなくて...なんとなく」
「そう。僕が気をつける。君に安心して欲しい」
「やだダメ、背負ったらダメ。ゼレンカを遠ざける方法は
忘れることが一番。思い出すだけで、呼んだ?て現れる」
「え゛...怖いよそれ」
「あはは。あ、笑ったけど笑えないのよね、本当よ?だから...私も
アリオンが浮気したらヤダなって思ってたから引き寄せちゃった
不安考えるからよ!けどそんなヤなこと起こるのは人生に織込済
そんな稀な経験したかったのよっ無意識にね。皆そうよ、うふふ
ほら、私たちうんと関係深まって結果は凄くよくなった!」
「クリスティーナ...なんて嬉しい人だ。判った、理解した」
「うん、ね、シーフライよ、アリオンする?だったら私は、」
「いやだ、クリスティーナと一緒にいる」
こんな公の場で夫と紹介されてはエヴァは今夜にも戻ってきそうで
また、足の不自由も感じさせずに歩くので―昼間のこともリッツのことも何もかも夢だと思えてくる。
「ふふ、夜は長いわ?じゃあ、今度は私を紹介して?」
先わからないままだが、アリオンは歓喜した。
そうして、自分の知人にエヴァを紹介して行った。
アリオンとエヴァは談笑の中に笑い転げるサファイアを拾い上げてフロアの賑わいを遠く下方に見る2階のテーブル席についた。
1階の空間吹き抜けて四方壁に這い伸びる2階は1階を見下ろせる柵に沿って4人掛テーブル席が並んで配置されている。
1階からかなり距離があるので下の賑わいは然程響かず、テーブルを囲んで静かに会話出来る。
アリオンの横にエヴァが座って向かいにサファイアが座る。
3人で珈琲を飲んで安らいだ空気が流れていた。
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