FIND【395】
『FALCON』仮設住宅で―エヴァはヴィクトリアに起こされた。
「よく眠れました?シュリンが朝食に来て下さいってさっき」
「あ―そう、食事ってどこで?」
「社長の家だそうです。場所は隣です。ふふ」
家って...仮設じゃない。自宅くらいとっとと造ればいいのに。
ヴィクトリアの魔法が施した華やかな服装とメイクで現れたエヴァに、昨日と何も変わらないスーツのトパーズが、今日も綺麗だ!と感激して抱き寄せた。
大きなダイニングテーブルには豪華な朝食がテーブルから
零れんばかりに並んでいるのに―他は閑散として何もない。
「呆れた...トパーズって私物何もナシ?」
「布団とパジャマと...あと何だっけ?ここは寝る食うだけだ」
「そういうこと言ったんじゃないわ?『FALCON』に落ち着く気が
なさそ。腰据えて取り組むんだったらきちんと自宅構えて、ねっ
凄く美味しい。料理人みたい...ひとりでこれ?贅沢!」
エヴァとトパーズふたりだけで食卓囲んでヴィクトリアと
シュリンはシュリンの家に料理を持って行って既に居ない。
にも関わらず、トパーズは姿勢低くしてエヴァに小声。
「食は大切。だから誘った。自宅建てたらどうなる」
「え...あ」
「秘書にそれ頼めるか?家政婦を雇うか、アクア。アクアの料理も
美味いが、あと半年、トカーナが開放されてシュリンもそっちに
移るまでは」
「う...まあ、言いたいことは解るわ。そうね... 」
「美味そうな匂いだ、腹減った、食わせる?お、エヴァ!」
玄関のベル音もなしに、どかどかと足音を立てて泥塗れの
救助作業の服装でニコルとアランが当たり前に入って来た。
「ニコル!アラン!会いたかった!ハグしたいけど寄らないで」
ふたりは笑いながらエヴァに寄らず、席に着いて食べ物に夢中。
「何で朝早くからそんなどろどろ?表で叩いてきたの?」
「俺は聞いてないぞ?今日は誰が運ばれて来る?」
トパーズがニコルとアランに向いて少し不機嫌な顔で言った。
「俺たちもこんな早くからエヴァがいるとは思わなかった」
「え?私が何?聞いてないって何?...何なの?」
話の見えないエヴァにニコルとアランとトパーズが苦笑する。
3人で 誰が説明する?の顔をして―結果ニコルが喋り始めた。
『ライオネル』後任はカルセドニーてクルーだが、あいつ処刑命令しないどころか、処刑命令が上...デイヴィッドや船長から下っても自分で手を掛けない。
『ライオネル』で該当者は捕まえるが、その後はトパーズに送る。
生きたまま棺桶に入れてな。それが届くと連絡あった日は
俺たちは日の出る前に墓穴掘り。終ったらここに来てご飯。
今終ったところ。トパーズに連絡が来てないから
俺たちの朝食ないのか...いつもより色数少ないな。
「どうやって運ばれて?アジだと他の人が疑う...秘密裏?」
「まさか。公の処刑だから当たり前にする。穴掘りも。だから皐の
会社の輸送飛行機でクミエルに届いてそこから輸送ヘリ。今日は
2体だから穴ふたつ。センルー山頂もいいけど森の中」
「どうしてわざわざトパーズ?そんなこと誰でもするでしょ」
「処刑対象が誰でもないなら処刑人も誰でもいいよ。そうじゃない
からトパーズ。カナンが映す処刑風景はそこから影響あるやつら
の手元に届ける」
「あ...そう。でも、今日はトパーズが連絡受けてないって?」
「誰を送るか事前連絡があるのに、それは同行兵隊に訊けって
カルセドニーに言われた。が、ここのところ処刑標的いた?」
トパーズは、朝食不味くなった。の顔して、知らん。と言った。
「で、エヴァはそんな嫌悪感情は脇に置いておいてくれてる」
「ニコル...いいわ。今は意味わかんないけど受領する」
「うん船長片割れ。トパーズ気にし過ぎ。エヴァを信用しろ」
不機嫌増してトパーズが、到着はいつもの時間か?と訊いた。
黙々と食べていたアランが、今回は夜にするなと...。と言った。
「昼間にしろって?...到着は何時だ?」
「到着はいつもと同じ午前10時。処刑は昼間。それでは記録画像が
怖くないじゃないか、何者だよ?と思ってカルセドニーが棺桶を
造ってるところのログ見たんだが、削除してた。か切ってたか」
「 ...何だそれ...相当愉しい死刑囚か?」
「ハハ。そうらしいな」
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