【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

かんろあめひびきわたるうたげ 長編涅槃活劇[100禁]

CHRISTINA【198】1個体の繋がり

2016-02-10 | 4-2 CHRISTINA




 CHRISTINA【198】 


ギーガがスーヴがいることを知らなかったわけがない。

来るならスーヴと自分に付いてログを観ていたはずだ。

ギーガ以下皆はランプがスーヴを紹介してくれることを待ったが―蟻展して隠れていたなんて、そんなこったろうと思った。

そして、それぞれ一瞬ではあったが、スーヴと接触した皆は感じた―エヴァが見染めた女性に間違いはない。

エヴァは―イーギンが見染めたエマと出会ってからこっちイーギンに闘争心燃やして女友だち作るに心眼鍛えていたのだ。

〔当のイーギンはその後出会う女性に興味失ったまま〕

スーヴは...まだ若いのにこれ迄の大量の読書のせいであの姿勢?

ナールお約束の自分の知らない奇異を目に身にしたときの、こんなこと有り得ないと即拒絶のよく知る前にシャットアウトではなく、こんなこともあるんだ、それはどういうこと?と興味を示して理解しようとする甘受の度量。

人はそれぞれ違う星の下に生まれ、違う背景を持ってで、目の前で起こった出来事に違う感情を抱いて違う歓喜、違う結果を求める。

スーヴはそれを叡智っていて、相手は誰か?ばかりを聞きたがる。

スーヴは皆にそれを示して―そのまま話をしたならひとり何十時間も一緒に居てくれる人を皆感じて、逆に恐れ戦いて、次に渡した。

そうだった、彼女はランプのパートナー。

12世紀から今迄、女性を愛することに時間を取られること拒絶して集団の頭領するだけに徹していたランプには勿体ない、と思うが、だからスーヴでないとランプを切り回せないのか。と思えて来る。

今俺達の地上の女王はスーヴ―エヴァの選択は絶対値に納得する。

個体は地球―人それぞれの 今ここ に繋がる。

膨大な繋がりによって生まれた全体の中からひとつの新しい意識。

個人の意識がどこに光を当てるかによって見える世界が変わって行って、それが数多くなった方に―全てが 今ここ に存在する。

自我はあるべきだがそれが全体にどのように影響するのかの責任。

それを自省する力を、スーヴは叡智っているかのようだった。






8時出勤のスーヴは7時に起きてお弁当を作って、化粧は全くせず毎日ほぼ同じ出勤服を着て部屋を出る。

夕べはいつもより寝る時間が遅くなったが、読書に夢中になったら生活リズムが乱れることは慣れていたので今朝も7時に目覚めた。

すると、一緒にベッドて眠っていたスノウも目を覚ました。

が、スーヴがベッドから出ない限り、スノウも出ない。

「寒いの?私から離れないため?ふふ。犬なのに寒いんだ?」

話し掛けながらベッドから出るとスノウも一緒に出て―彼は急いで犬用扉から出て行った。

部屋の中にあるシャワー室で身嗜み整えてランプが用意してくれていた新品のシャツとセーターとジーンズに着替え、リビングに出て来るとそこにはきっちりスーツで決めたオニキスとスノウがいた。

「おはよう。よく眠れた?スノウはよく眠れたと言ってるよ。服
 似合ってるね?流石カメリア。写真を見ただけでコーデなんて」

「おはようございます。カメリア?写真?」

「朝食、食べるだろ?ダイニングに行こう。ランプはもう出たけど
 すぐ戻って来る、それまで俺が傍にいるよ『リーベ・フロッス』
 の社長。防犯カメラに映ってたスーヴの写真、それ送って今直ぐ
 もってこいってスーヴがうちに来るって言ったとき即」

「え『リーベ・フロッス』とも?ですよね。ふふ。でも夜でした」

「あ―ランプから何処まで聞いたのか判らないけど、俺たちは時間
 場所係なく互助会組織...だから..夕べもあんなことに。ごめんね」

「いいえ。楽しい時間でした。あんなことはワクワクします」

「ホント?!フフ、そう言ってくれると嬉しいよ」






ダイニングに入ると8人掛テーブルの上には既に色とりどりの大小沢山の皿と湯気立ち昇るスープ。

わ。ホテルのプュッフェみたい。と感激するスーヴにオニキスが、無理して全部食べなくていいよ。食べたい者だけ食べて?と言い、ヒースが出て来て、どうぞ。と言って椅子を引いてくれた。

それに戸惑うスーヴにオニキスが、ヒースの仕事だからそれ奪わないと思ったらいちいち呼吸止まらない?と言って笑った。

スーヴはオニキスに笑って返してヒースにも笑を向けて―座った。






CHRISTINAもくじ CHRISTINA【199】につづく。




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