FIND【46】
ディーライは被災地見舞いと儀式会場、ミゲル寺院に向かう。
寺院は人の祈りの密度深い聖域。
誰が作ったか利用したかは他所に3大宗教の源は同じ。
王はナールの宗教を纏めた建築物をミゲル寺院と呼ぶ。
3法の真実はナールは未だ意識に届かず履き違えているので、王は肉眼で見える偶像建築をとっぱらおうとも考えた。しかし聖域失くしては意味がない―魂上昇する可能性持つナールに必要。
寺院に入れば、それぞれ色残したまま人に害なしの約束をして緑地破壊エゴ乱立を防ぐためにひとつに総合。
王は自分都合で思考するナール意見には一切耳を貸さない。
これまで先導者が欲に陥り、人気という恐怖に貶められて真実を忘れ去り、浅脳の個人主義で世界を濁し人は殺戮を喜び来て遂に止まなかったではないか。
と言っても理解せず勝手文句放つだけなのでわざわざ言わない。
彼らが 聞こえる耳 になってから言う―そのときは皆ラキス。
全体を思考しない脳ならそれの出来る脳の人間に黙って任せる。
―それを賢者と言う。
王はナールを賢者と信じ、起こると想定されるナールの辟易事件を一巡完全に挙げ、その上で無視して説明なく寡黙―全体を愛する脳と個人利益しか思考しない脳の対話の交るは不可能だから。
賢者はこの理を智る。王はこれを叡智する。
王の意識は決定は―全ての人を包み守る意識。
しかしナールの誰が知ろう。王のそれが慈愛だと。
その愛は大きすぎて―今までに見たことも触られたこともないなら誰もその輪郭さえ辿り着くことが出来ないままで、概念で測るにもその源が空ならどう認知も叡智もしようもない。
受け取る側の受信機の器が空なら慈愛は受け取れる。
今まだナールは意味判らず呆然としている―エゴ文句放つと共に。
王はこうして少しずつ愛を完全に分かつに存在し、彼ら一人ひとりに染み渡らせていく。
「今日は荒れるかと思った現場だが、いつもと変わらねえな」
昼食時、工事現場内にあるサウ用の飯場でサファイアと食事をしながらガイが言った。
「ミ・ロアはティアに住んでるからテレビも情報も
ない。夕べの事件のことをどうやって知るんだよ」
「お前はあの時どこにいた?」
「え...船」
「だろ?ミ・ロアのティアは城内。爆発音は聞こえなかったがあの
でかい炎は遠くでも見えた。城からも見えた。その上、警察消防
飛行機、野次馬の騒動、そんなものティア中にも聞こえてる」
「じゃあ、知ってる?」
「そうなったら、何だ?ってなってティアのサウが喋らずとも現場
に来るナール連中に訊く。喜んで何でも喋る。それ厄介。すると
誰かがつまらんこと口走って、或いは事件祝って祭。喧嘩開始だ
備えあれば憂いなし。今日だけでなく数日気は抜けん」
「でも、なら平和だ、そこまで」
「舐めんなよ?今朝も言ったように些細なことでもトラブル起こし
やがったら、容赦なく威嚇。見逃したら引き金になって巨大博徒
バケモノ。暴動になったら皆殺しになる」
「あう...わかったよ」
「奴らヘドロの蓋を一気開けたように勢い立ってお約束のように!
ここで2次災害。そんなの、どうでもい―けどよぉ誰が死のうが
しかしシゴト。殺し屋のお前は解ってるだろうが駱駝を繋ぐのは
人間の手だ、わかったな」
「 ...うん。わかってるよ、そんなの、人の手」
「ここのサウたちにそこを諭すのが一番難しくて...言葉の仔細解説
もまた厄介だし難解だしよお...あ―ただの俺のぼやきだ。お前に
言ったんじゃねえよ」
「へえ、パイやコアみたいな、Nクルーに説法するような
ガイがそういうことしてんの?ここで!?ガイがっ?!」
サファイアは厳つく脳も筋肉で動く戦闘指揮官の勇ましいガイ
しか知らない―ガイが頭を抱えているのを見て可笑しかった。
「笑うな」
「あはは...いや、ごめん」
「なあ、お前がここにいるってことは、明日は我が身 だ?船長は
お前がここ応援と言った!お前だってカタナ振り回すばっかじゃ
な?もうそんな時代じゃねえしよ?」
「はあっ?!バカな!俺が?ナニソレ!俺は
地上の人の次元も波動も何もわかんない!」
「いいんだよ。お前が相手にすんのはラキスだけ。ナールじゃない
ラキスはクルーと同じ。どんなに痛いとこ刺しても傷付いたあ~
て泣かねえし騒がないし絶食や自殺で脅したり訴訟もねえ」
「うん...わかるけど」
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