【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

かんろあめひびきわたるうたげ 長編涅槃活劇[100禁]

FIND【173】婚約パーティー

2009-10-09 | 3-3 FIND




 FIND【173】 


最初の出会いからクリスティーナの性格と行動は一貫してる。

クリスティーナの我儘はナールにはそうだろうが、誰かから授かったでもなく、自らナール思考から外れて、俺たちの叡智る自由 を無意識ながら叡智っているからだ。と思っていた。

しかし、他所様に失礼をするのは...?

それは、似て非なるもの。だったということか―
俺が好きで贔屓目で観てしまっていたと言う件。

その日、ロータスは初めてクリスティーナを叱り付けた。

クリスティーナには天変地異だった。

決して人に失礼をしてない、礼は尽くしてるつもりだった。

ロータスの話をちゃんと聴いて必死で謝った。

そんな風に素直だからクリスティーナが可愛くて堪らない。

クリスティーナはマリアだけでなくキシャンでも仲良いサの友だち多く―その数と仲の良さからしてロータスと恋人になるまでの過去どれほど遊び捲っていたかが窺える。

友だちのホームパーティーやホテルのパーティーにロータスは連れ出され、クリスティーナは楽しんでいた、かと思うと、毎回ではなかったが、いつの間にかクリスティーナだけが忽然と消える。

そして、夜中になって泥酔状態で帰還―ロータスは手が出そうに
なるほど酷く叱り、クリスティーナは泣いて許しを請い、謝った。

ところが改善なし―時間経てば以前と同じ内容で叱られる。

やることなすことまだ子供―理由を訊いても応えない、本意は
杳として見えない。何が嬉しく何が気に障るか、見当つかない。

梃子摺ってもロータスにはまだ可愛く思える範疇ではあった。

しかし、好きにしていいと言えば際限なく(自分を拠点としてる、自分の下に戻ってくるとは思う)飛んでいきそうなクリスティーナにロータスは 絶対約束 を終に強要した。

クリスティーナは嫌と言わず、寧ろ、嬉しそうに頷くのでまた可愛く思えて―たまに出る我儘が王の地位を奪えと言うものであっても叶えてあげたいと思えてくる。

女に溺れるとはこのことなのか―自分を見失った大馬鹿者のよう。

しかし、クルー・ロータスにそれはない。

解ってクリスティーナに溺れ堕ちていた。






そんな暮らしが3ヵ月過ぎて―4月初旬。

マリアのクリスティーナの両親に挨拶をして正式婚約。

社交界(財界)面々招待される婚約披露宴が成されたが、世間には報道されていない。

クリスティーナの財産管理者イーギン、クリスティーナのファッションを追って載せる『ノウヴン』のケイトやメディア機関の上層面々も招待されたが、クリスティーナは自分売の芸能人ではないので 世間向けの報告しない社交界約束 により記事にされない。

唯一経済誌と1ヶ月遅れて『ノウヴン』で記事。

しかし、クリスティーナの相手がディノウヴォウのサの間で売れに売れているフォトグラファー とは言え、会社組織ではなくト・ナールの売れないの浮浪アーティストのような生活をしている男。

招待客はクリスティーナが『シシィ』を継ぐなら、財界に興味を示さない夫は髪結い屋の亭主宜しくその一生を写真に遊び捲る、すると金融界のトップは『シシィ』に取って代わる会社が現れるかそれはどこか?と視点が変わる。

イーギンと知り合った頃から『シシィ』に金融界に精通して暗躍していたクリスティーナは表向きには高慢ご令嬢―『シシィ』の株はクリスティーナが継げば下がると皆は見た。

そんな様子の連中を見渡して、イーギンはラッキィと
ばかりにクリスティーナのバックアップ準備を始めた。

イーギンと始終一緒にいたクリスティーナの両親は初めて味わう何のオマケも付かないシンプルな祝福を沢山受けて、イーギンがいるから娘の結婚相手が誰だろうと祝福出来る。と沁みて思う。

いつもと違う、消えたら婚約解消!とロータスに言われたクリスティーナは、何もそこまで言わなくても...。と哀しそうな顔して そんなの厭!と泣いて抱きついて―きちんと約束した。

世界のトップ位置、財界中心に位置する『シシィ』後継者の婚約披露宴だけに『シルバーウェイ』の大宴会場に万の人が祝福に訪れて人人人―ロータスとクリスティーナが揃って個人的に祝福を受けるだけでも相当数人に囲まれた。

クリスティーナがパウダールームに消える隙さえなかった。

日頃の素行から、こんな密封空間ではふらり気侭に消えたいクリスティーナ、自分との約束もあるが、体裁や社交に気張るも相成って負荷かと気遣ってロータスは、少し休む?イーギンの下なら行ってもいい。挨拶は俺だけで引き受ける。と言った。

実際、窒息しそうになっていたクリスティーナは飛び切りの笑でロータスに感謝して―会場外周で物見遊山に興じて余裕持って自分の親と談笑していたイーギンの下に逃げ込んで行った。

受け止めたイーギンは、ロータスが彼女をどれほど愛しているのかわかって畏れ入る―共に甚く己を反省させられた。






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