【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

かんろあめひびきわたるうたげ 長編涅槃活劇[100禁]

FIND【380】言葉のエネルギー

2009-10-17 | 3-3 FIND




 FIND【380】 


本来は自分で思考して気づく、思考方法は親が子に教えるもの。

例えば、勉強の教室では男女別の方が男女ともに能率が上がる。

元々性質が違うから頭の使い方も集中の方法も男女で違う。

男の子は個人で静かに戦わせて枠のない自由勉強にして規則は自分たちで作らせる。女の子はグループにしてお喋りさせて枠と規則は先生が作ってあげる。これが本当の男女平等の姿。

これにそぐわない男女がいたならそれは生の意識を失っている。

集団で文明を開くものなのに一地方で発生した個人主義が世界
を覆って以来、そっちの数が増える一方に。暴力強しの理だが。

集団で生活する生命体が個々別々に生活し出したら崩壊の道。

「それをしないからいつまでもナール...なのね
 だから昔の人って皆で虐待荒廃社会だった」

「そ。さて、ポーカーをしよう」

テーブルにギーガがトランプをアジしてカジノの
ディーラーのような美しい手捌きでカードを繰る。

「誰がするって言ったのよ?」

「何も賭けないよ。ただのゲーム」

「そんなこと言いながら常にロイヤルストレートフラッシュ」

「俺が?クリスティーナが?」

「ギーガよ。だって私はまだアジでカードを操れない」

「ハハ、それを疑うのならアジを使わないと約束する」

「何も賭けないでポーカー?」

「ポーカーは心理戦。ワンペアでも勝者の顔をするとか。勝つ
 こと目的ではなく相手を挫くこと目的。カード見て?どう?」

クリスティーナは伏せられていたカードを開いて―にっと笑う。

「アハハ、馬鹿」

「えっ」

「ほら、あはは。引っ掛かった」

「何い?」

「顔を作りながら俺の顔を見たろ?人の顔は見ちゃダメ。その上
 馬鹿と言ったら反応した。素直反応はステキだけど...腹立つ?
 馬鹿と言われて否定されたような気になって哀しくなった?」

「あ...ギーガがそんな言葉使うのかと驚いた。私については...
 馬鹿は言われ慣れ過ぎていて...そうっ!ギーガが身近な人に」

「はは、そう。俺を神格化して偶像にしていたんだ?
 そして、俺がそんなヤツで...望んだこと?哀しい?」

「そうじゃないっ、そうなんだと新しい発見をした!」

「俺を知ろうとしてくれた。無味無臭で。神格化は消えた?俺の
 方はそれがクリスティーナを知ることが出来た。今ここの収穫」

「ギーガっ...ふふ!どこまでも意地悪して引っ掛けようと?!」

そうだ。それも俺。

俺は君だ。君は俺。

性に関わる性質以外の部分では...俺たちに関わる形而下...男女意識の差によって誤差の生じない認識出来るこの世の全ての現実事象に於いて の条件付だが、全て共鳴。

ナールの形而上も含まれるが、俺たちには形而下。
それはお互い目に見えて認識出来る範囲内だから。

とろこが、相手がナールとなったら途端会話が厄介になる。
馬鹿 なんて言おうものなら相手は怒る怒鳴る殴ってくる。

だったら、競争して上になればいい。自分の得意分野でね。
それなら種目別世界で馬鹿と言われようが感情は動かない。
元々相手より下とわかってるのだから 怒る に至らない。

種目が何でも馬鹿と言われて怒る人は努力も競争もことなく勝者
で いたい人。武術を観れば判る。負けて相手に怒る人はいない。
怒るとすれば努力不足だった自分に怒る。

そして、馬鹿という言葉にどんなエネルギーが載ってるか。

それを感知出来る触覚がナールは退化している。

可愛いというエネルギーを載せて発した馬鹿という言葉と
憎悪を載せた馬鹿という言葉の見分けがつかなくなってる。

馬鹿に限らずどんな言葉も...。

嫌な感じがする言葉と気持ちのいい感じの言葉があるけど、そこに載るエネルギーを読み取る能力は、眠ってるだけ...ナールじゃなくなったら判るようになる。

でも、短文や短い説明、単語一個二個 は俺たちでも難しいよ。
イントネーションや表情が見えなかったら全く判らないけれど。

人の放つエネルギー(波動)は肌接触して交感し合うもの。

ナール皆、馬鹿と言われて...賞賛以外を受けて怒って血眼になって被害者らなろうとして争うこと已んで、自分(の思考(嗜好)と努力(愉しみ))を省みる力と、怒る感情に犯される中にいても自分が今何をしているのかを見る視力を持つなら、いいね...と思う。

誰もが同じ脳を持つのだから人である限り全員可能だ。

そこが動物と人間の唯一の違い。

ナールがそうでないのは...子供の教育、大人の劣化。






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