リュウのヒゲ、空の耳。

猫との日常。時々ツバメ。

ベランダの未亡人

2013-03-31 23:57:29 | ツバメ

「どうしたんだい、お菊ちゃん。」
息を切らし飛び出してきたお菊を、八兵衛は呼び止めた。
「あっ、はっつぁん!大変なの。ひどいの!」
お菊が指差す先には、目を疑うような光景が広がっていた。

「こいつぁ、ひでえ!」
そこは、お菊と亭主が寝泊まりしてた古いツバメの巣…。
なんという事だろう。
キラキラと太陽を反射して光る
ヒモ状の物が下げられていて、巣に入れない。

「アタシね、はっつぁん。
あの人が逝ってからも、あの人の思い出と共に
あの巣で眠っていたの。」
「知ってるよ。お菊ちゃん。」

お菊と八兵衛は幼馴染。
冷たい雨がそぼ降る去年の師走の朝…。
お菊の亭主は、天に召されていった。
八兵衛はそれを見ていた。
巣の下で動かなくなった亭主と
それを遠くから見つめるお菊。
まるで昨日の事のように
八兵衛の脳裏によみがえった。

お菊と亭主の思い出の巣が
ニンゲンの手でヒドイ事になっていた。

「お菊ちゃん、いいよいいよ。
今夜はおいらの家に泊りなよ。」
幼馴染のお菊を憎からず思っていた八兵衛は
思わずそう呟いた。
「ありがとう。はっつぁん。」
いつも優しい幼馴染の言葉…。
お菊は迷わずそう答えた。

辺りが薄暗くなってきた頃…。
ふたりの小声が聞こえてきた。
くすくす。くすくす。
「ふたりで泊まるには、ちょっと狭いわね。」
「ほら、もうちょっとこっち。寄りなよ。」

え?あれっ?!
2羽いるよ!
えっ?何で?
あっ、飛んだ!逃げちゃった!

暗くなってきた頃、玄関のいつもスズメが1羽で寝てる所に
今日は何故か2羽、泊まっていました(^_^;)

今日の昼間、ベランダの古巣にスズメが出入りして仕方ないので
スズメ避けにクリスマスのキラキラモールを
下げたのでした。

そのせいか、玄関の巣台でいつもは1羽で寝てたスズメが
今夜は2羽になっていた!

これはきっと、こういうストーリーがあったに違いない!と。

ふははは~♪
え?酔ってませんよぉ。
ホントです。飲んでないもん。

◆◇◆

さて、本題。

これは去年、1回目の子育てに使われたツバメの巣。
壊れているのは、ワタシが撤去しようとして
途中でやめたから。

おや?泥がついてますね。

パッション君。一人で巣の補修?

 

 

去年、2回目に使われた方の巣は
スズメが出入りしてたので
それを嫌って、こっちを使おうと
補修してるみたいです。

パッション君。頑張れ。