山本理顕BLOG

Architect,Riken Yamamoto Official BLOG

横須賀美術館

2006-07-01 21:01:55 | Weblog
美術館の設計会議は、プロジェクト会議と名付け、ソフトとハードを横断的に議論する場とした。QBS審査の際に提案した様々なプレイベントも実際に行っている。建築の具体的イメージを全く持たずにスタートしたプロジェクトなので、そうした議論や活動の中から、あるべき美術館の姿を見つけだそうとしている。プロジェクトを始めるにあたり、我々が最初に行った提案は、2007年に新しい美術館が出来ることを示すロゴマークのデザインであった。未だ形を持たない場のイメージを、関係者、市民の間で共有するためのものである。



計画敷地は、北側が海に面し、東西南を山に囲まれた、広大な公園の一部である。この谷戸状の地形に埋め込まれ、ランドスケープと一体になった美術館である。ここでは塩害の影響が大きいため、外部に対して開放可能な諸室を外周部に配し、中央に巨大なシェルターで覆われた展示・収蔵棟を配置する。



既存の美術作品のアーカイブであると同時に、さまざまな展示やイベントが、周辺環境全体を利用してダイナミックに展開する美術館を目指している。展示・収蔵棟の内部は、アイランド状のボリューム(展示室・収蔵庫)とそれを取り巻く堀状の常設展示空間で構成する。来館者はこの空間を巡りながら、さまざまな高さ、角度から作品を体験することができる。二重のシェルターによりコントロールされた、柔らかい自然光が差し込む内部空間をイメージしている。


7 コメント

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test (staff)
2006-07-01 21:05:37
※QBS(Qualification Based Selection : 資質評価)方式

設計者選定の際に、技術提案(設計の案)ではなく設計者の資質と実績を評価する方式。全国の自治体で初めて採用された「(仮称)横須賀市美術館・横須賀型資質評価方式建築設計候補者選考」においては、資質表明書の審議、プレゼンテーション及びインタビュー、実績作品の現地視察評価等が行われた。







美術館 開設準備室 http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/museum/index.html

Yokosukan design with art http://members.jcom.home.ne.jp/yokosukan/
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小田原城下町ホール (笹鶏)
2006-12-12 17:41:35
何故小田原ではこのような方法が取れなかったのでしょう。
市民参加の基本計画を一切無視した。
とんでもない城下町ホールを
誰の指示で、勝手に設計したのでしょか。
市民は驚き、怒り心頭です。
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見させていただきました ()
2007-02-22 00:02:32
先日オープン前の美術館を見る機会に恵まれ、
横須賀美術館の内部を拝見してきました。

地元市民だけあって、
期待していたのですが、
期待を裏切らないそのデザインに、
見ていて気持ち良さすら感じました、
実際の開館が楽しみです。
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小田原城下町ホールの事で (舞台研究会の代表なり)
2007-03-13 09:37:44
いい加減な物設計するな+このプロジェクトから手を引きなさい
小田原市の住民はほとんど猛反対していますよ
貴方の様な劇場・ホール設計経験あちゃらかぱあの方に設計されたくないと住民らがこぞってもうしておりましたよ
終わり
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Unknown (Unknown)
2007-04-21 22:03:54
どれだけ批判的な内容であっても、山本理顕事務所さんは意見を聞く広さがあると思います。小田原市のことを真剣に心配し、城下町ホールの設計が本当に良くないと思われるのであれば、冷静になって話し合う場を設けた方が良いのではないでしょうか?ただただ攻撃したり、「ほとんど」や「こぞって」というような一般化を容易に使用しても建設的な議論にはなっていかないと思います。
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城下町ホールについて (Musics)
2008-01-26 14:15:15
小田原に住み、現在の小田原市民会館を市民文化活動で利用したことのある者です。建築の素人が物申すことは、設計者の方には大変失礼に当りますが、ホールを利用する側からは、貴事務所設計の城下町ホールは非常に使いにくいモノと考えられます。使いにくいことが予想される点は、様々な場面で列挙されています。コンペで貴事務所の対案だった設計は、シューボックス型で面白味はないものの、ステージに立つ側、ステージを見る側のことを知っている方の設計だったとの印象を持ったのを記憶しています。でも意見を申し述べる相手は設計者側ではなく、貴事務所案を採択した「小田原市」なのでしょう。城下町ホール建設に関わり、市民が小田原市に要望した事項、一部は小田原市からの求めに応じて提出した意見、など一切切って捨てられたわけですから。
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城下町ホールについて (公開コンペ見学者)
2008-02-05 19:39:04
ステージに立つ側からの設計、見る側からの設計をするのは当然のことです。山本事務所案もそれを十分に考慮した設計だと、私は感じました。演者の目線で言うと、世田谷パブリックシアターの舞台演出家さんもコンペ当初からずっと設計に参加されていますし、世界一と称される音響設計の永田音響もずっと設計に参加しています。変わった形で使いにくいという印象を持つのは仕方ないと思いますが、いままで幾つもの劇場を設計担当してきた専門家が、小田原にしかない新しい劇場を必死で設計しているわけですから、私は信頼したいと思います。疑問が残るのは設計ではなく、小田原市の予算の使い方と、時期、敷地の大きさではないかと思います。
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