元フロントスタッフ兼仲居頭のお宿備忘録

お宿の従業員とお客様両方の視点を得た自分の備忘として実際にうかがった【お宿の魅力】を書き残していきます。

はじめに

2023-02-13 18:49:38 | 番外編

はじめまして。

15年以上、様々な異業種で仕事をしていましたが、

旅館・ホテル好きが高じ、宿泊業界に飛び込んで7年。

その間に、仲居やフロントスタッフなどの経験を積み、

仲居頭を務めさせていただくこともありました。

 

現在は諸事情により仕事を離れていますが、

働く側の立場からも宿泊業界を見たことにより、

旅館・ホテルを見る視点も増え、視野も広がり、

興味はますます深まっています。

 

実際にうかがったお宿の魅力を自分の備忘として書き残しておくとともに、

お宿情報の参考になればと思い、ブログを始めました。

まずは、私のお宿の見方をご挨拶代わりに書かせていただきます。

 

お宿は他の企業様同様に様々な制約のなかで運営されています。

交通の便や広い敷地の有無などの立地条件、

観光スポットの多少や温泉の有無などの環境条件、

人手確保が容易な地域かどうか、

建物の新旧などなど…。

なかなか努力だけではどうにもできない制約もあります。

お客様が大切なお金を費やして来てくださるのだから、

宿に満足して喜んで帰っていただきたいと思ってはいるものの、

すべてをベストの状態でご用意することは難しいのが現実です。

温泉が出ない場所で良質の温泉を提供することはできないので…。

 

それでも、足りないものをカバーして、よりお客様に喜んでいただけるよう、

自分たちの宿の強み・魅力を積極的に活用し、努力しているお宿がたくさんあります。

そういった【お宿の魅力】を書き残していこうと思っています。

 

お金を払ってお宿を利用するお客様の立場からすれば満足できることは当たり前で、

満足いかないことがあれば不満・不快に感じることも当然だと思います。

ただ、私個人的には客の立場でお宿を利用する際は、

せっかく非日常を楽しみに行っているのだから、

ゆったりとした気持ちで些細なことはあまり気にせずに、

おおらかに過ごしたいと思っています。

怒りの感情って、自分もパワーが必要で疲れるし、

一度怒りの感情が湧いてしまうとその後しばらく負の感情に支配されてしまうので…。

なので、お宿側に多少の不手際や不具合があったとしても、

人のやることにミスは付きものだし、悪気があってやっているのでなければ、

受け流して自分の大切な時間を楽しむことにしています。

 

そして何より、「サービス」というのは正解がなく、

「万人を喜ばせるサービス」というのは本当に難しいものです。

社会人2年目の頃、後輩の新人くんがお店にお客様が入っていらっしゃると、

元気に大きな声で「いらっしゃいませ!」とご挨拶をしていました。

ほとんどのお客様が「元気で気持ちがいいね」と言ってくださいましたが、

ある時、あるお客様から、

「挨拶がうるさい。声が大きすぎて、圧をかけられているように感じる」

とのお声をいただきました。

 

同じ対応をしても、それを喜んでくださるお客様と不快に感じるお客様がいらっしゃる

 

という教訓を痛感した出来事でした。

 

旅館の同じお部屋にお客様をご案内していても、

「いいお部屋だね~」と喜んでくださるお客様とお叱りをいただくお客様がいらっしゃいます。

良かれと思って広いお部屋にグレードアップしておくと、

「こじんまりした部屋が好きなので、予約したとおりの部屋に変更してください。」

とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。

 

お客様が求めている「サービス」は、本当に十人十色。

 

サービス業というのは本当に難しいと実感しましたが、

でも、だからこそ面白い。

 

そして、だからこそ、いろんなお宿がある意味があるのだろうと思います。

時には、自分の好みでないお宿を利用してしまうこともありますが、

それは、「良くないお宿」なわけではなく、

私の好みでなかっただけ、相性が良くなかっただけなのだと思うのです。

他の方にとっては、「好みのお宿」、「良いお宿」であっても全く不思議ではありません。

これだけたくさんのお宿があり、それぞれ工夫して特色を出しているのですから、

自分の好みに合うお宿を探して歩くことも私にとっては楽しみのひとつです。

 

私も、私なりの好みを持っているお宿好きの一人なだけなので、

それぞれのお宿のすべてをお伝えできるわけではありませんが、

あくまでも一つの参考情報としてご覧いただければ。

 

ちなみに、写真が得意ではないのと、

今の時代、写真はネット上に溢れていると思うので、

私は文章のみで失礼いたします。

 

最後に、コロナ禍で大きな痛手を負った宿泊業界へ復活と発展のエールを込めて。