吹き抜ける風

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【ゲーム】ひたすらトリコを撫でて愛でるゲーム 「人食いの大鷲トリコ」

2018-01-28 03:33:26 | 家庭用ゲーム
PS2発売のICOとワンダの巨像と比較
 上田氏のICOをプレイ済みで「また同じようなゲームをしたい」と思っていた人には絶対にオススメ。ICOが好きならトリコを買って間違いはない。
逆に同氏の「ワンダと巨像」を想像しているとワンダ感は、ほぼない為イマイチに感じるはず。
 今作における主人公の立ち位置はICOにおけるヨルダに近い。主人公の戦闘力が乏しく、敵が出てきたらトリコにしがみついてやり過ごす。「トリコ先生お願いしゃっす」と戦わせ、ことが済んだらトリコをなだめる。ワンダ感があるとすればそれは「よじ登り」だ。ひたすらトリコにしがみついてよじ登り他獣本願の戦いに酔いしれるのだ。ワンダのときはしがみついている間ボタンを押し続け、手に汗握る戦いを演出していたが、本作では押し続ける必要はない。「ポチッとな」のワンボタン。楽だが一体感や緊張感は薄れた感じがする。今作は自分の力でどうにかするのではなく。トリコの力でどうにかするゲーム。ワンダのように自分で道を切り開く感じはない。そこを期待すると期待はずれに終わる。あくまでICOがベースのゲームなのだ。

ICOやワンダで感じた緊張感のある演出は健在
 ジャンプで間一髪のギリギリ感や抗えないが操作できる心情の一体感。プレイしていると感情移入できるスペースの多い作品だと改めて感じる。ICOではヨルダに、ワンダではアグロに。そして今回はトリコに。

絶妙な難易度
 私でさえ攻略法を見ずにクリアできるということは、多くの人が同様にできると思う。何故なら私は謎解きが嫌いで苦手だ。これどうやるんだと何度も色んなやり方を試しては繰り返す。時間を置いては繰り返す。面倒だとかイライラするフラストレーションは当然あるものの、それもゲームの一部。終わってみるとスッキリするし、それが良さでもあり、悪さでもあろう。トリコが言うことを聞かないこともあるが、それが面白みでもある。呼んでもちっとも来ないとか、さながらペットのようだ。いや、そんなペット持ちは私だけか。

映画ありきのゲーム作り
 上田氏の作品ではステータスゲージなどのゲーム的表示は極力排除されている。映画を意識した作りで「ゲームでしか提供できないもの」を考えて作っているとのこと。しかしながら映画のシナリオのように一本道で自由度に欠ける点は悪い点とも言える。映画っぽさはあるのだが、ゲームっぽさがない。それはステータスや成長、スキルといった多彩なシステムのことだ。しかしそれを組み込むと没入感が犠牲となってしまう。そう、トリコは没入感が高いのだ。その代償としてゲームとしての深み、多彩性がない。一回やりきったあとの満足感はあるが、やり込みなどの要素に欠けてしまう。「プレイする映画というスタンス」そして操作している分だけ映画よりも没入感のある体験だと私は思う。そういう意味では上田氏がVRゲームを作ったら面白そうではある。

もう少しトリコという素材を生かせなかったのか
 クリア後のモードでトリコと遊ぶステージなどが欲しかったと思う。もっとトリコと色んなことをしたいという欲求が残る。例えばボール遊びとか自由に空を飛ぶとか。しかしながらバッドエンドとは言わないがハッピーエンドとは言えない作風なだけに、それをすると場違い感は否めない。

最後にひとこと
 本作は急いでやるゲームではなく味わうゲーム
 レッツみんなもイーソイソイ!


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