
【現役時代の渡辺久信投手(現埼玉西武ライオンズ監督)】
2008年 4月 5日、西武ドームではプロ野球パリーグ埼玉西武vs東北
楽天の第2回戦が行われました。
試合は西武石井一久投手、楽天田中将大投手の投げあいになりまし
たが、中盤で西武が加点し8回を終了した時点で4-2と埼玉西武が
2点リードしています。
今シーズンの埼玉西武の戦い方は、リードした展開であれば8回に
岡本真也投手、9回にアレックス・グラマン投手を起用するところで
す。しかしここ数試合、両投手がフル回転している事情から、本日は
他の投手で急場をしのがなければなりませんでした。
そんな苦しい状況の中、渡辺監督が9回表に期待を込めて送り出し
たのが、小野寺力投手です。「ライオンズの選手の交代をお知らせい
たします。石井一久に代わりピッチャー・・・小野寺」。その瞬間、
西武ドーム全体が何とも言えぬどよめきに包まれました。それもその
はず。ここ数試合、小野寺投手は緊迫した場面でマウンドに上がるも
のの、致命的な失点を重ねていたからです。インターネットの掲示板
でもファンから辛辣な書き込みがなされていました。
結果を出して欲しいところなのですが今回も・・・。小野寺投手は
渡辺監督の期待に応えることができませんでした。先頭打者の山武
選手を四球で歩かせ、次打者礒部選手を抑えたものの、リック選手に
レフト前に痛打され1死一・二塁であえなく降板。中継ぎ投手で力を
出し切れている投手は「眼光」が鋭いのですが、小野寺投手は今日も
「目が泳いで」いました。マウンド上の仕草もなんとなく落ちつきが
ないように見えてしまいます。これでは打者に向う前に「アウト」で
す。もっと「どん」と構えて欲しいなぁ・・・。
鉄平選手のワン・ポイントで左腕星野投手が起用され抑え、2死に
なりました。ここで起用されたのが大沼投手です。またも球場全体が
どよめきました。実力が有りながらもやはり自滅を繰り返す大沼投手
への西武ファンの「評価」の表れだと思います。
私は、今日も大沼投手の「仕草や目線」をずっと観察していました。
9番打者の代打で登場した好打憲史選手を歩かせてしまいましたが、
なんとなく余裕があるようにも感じました。「これは抑えるのかな」
という気配を感じました。
さあ、2死満塁で楽天はうってつけの打者トップの渡辺直選手です。
変化球で慎重に入りストレートでファールを打たせ最後はボールにな
るスライダーを振らせました。渡辺監督の期待に応え大沼投手は見事
結果を出し、埼玉西武が接戦をものにしました。
この投手起用でもしも逆転されれば、掲示板は「渡辺監督の采配に
?」ということで大荒れになったことでしょう。応援するチームに対
し思いがあるからこそ、時として監督の采配に異を唱えてしまうこと
もあるでしょう。それはある程度仕方のないことです。しかし、私は
今日の渡辺監督の采配を見て「なるほど、このような選手起用をする
方なのだな」と感心してしまいました。いまひとつ殻を破りきれない
選手に対し、あえて厳しい場面で期待を込めて起用するのです。当然
批判も出てくることでしょう。しかし、このような起用方法は、選手
の長所・短所を熟知していないとなかなかできることではありません。
また、選手への愛情がこもっているからこそ、出来ることなのです。
そのように感じた選手は安心するはずです。世の中、至るところで
そのように感じる以前に自信を失いかけてしまう人は、きっと多いの
ではないでしょうか。もっとも愛情を感じ安心した選手がきっちりと
結果を出せるほど、勝負の世界は甘くありません。しかし少なくとも
言えることは「監督からの愛情を感じた選手がそこで結果を出せるか
出せないかは選手のメンタル的な要素が大きい」ということです。

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バント失敗に走塁ミス。
細かいミスをしないチームにならないと、
接戦は勝てませんね。
まだ西武の方が上というところでしょうか。
楽天がんばれ~
楽天・西武どちらが上下ということはもはや
言えないと私は考えています。
集団という「組織」は存在していても
時間が経過すれば「個人」(指導者・実行者)が変わります。
その中考え方や集団としてのレベルを維持していく
ことはたいへんなことでしょうね。
今や、パリーグ6球団はどこも同じレベルというのが
私の考え方です。
もちろん、球団の経営方針や営業活動の「差」は
あります。
その点、楽天は西武より上だと思います。
西武は他の5球団すべてを目標にしていかなくては
なりません。