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「こむらがえり」が増えたら注意…糖尿病性の神経障害 痛み・しびれは夜間に強く

2022-02-23 08:30:00 | 日記
下記の記事はヨミドクター様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

「こむらがえり」が増えたら注意…糖尿病性の神経障害 痛み・しびれは夜間に強く

『医学大辞典』(医学書院刊)によると、“ニューロパチー”(神経障害)とは、「主として 末梢
まっしょう
 神経の障害を指し、その原因には遺伝、外傷、中毒、代謝異常、炎症、虚血、感染など、さまざまなものがある」とされている。したがって、末梢神経が存在する部位であればどこでも、このニューロパチーを発症する可能性があるのだ。
大きくは上肢や下肢の 絞扼
こうやく
 性ニューロパチーに代表される「単ニューロパチー」(1本の末梢神経の障害による)と、糖尿病、尿毒症、アルコ-ルの過飲、ビタミン欠乏などの系統的な病気によって多発的に起こる「多発ニューロパチー」(四肢の末梢神経が左右対称に障害される)に分けられる。
その共通の症状としては、知覚障害、痛み、運動障害、自律神経の障害があり、 腱
けん
 反射や筋力の低下、神経が情報を伝える速度が遅くなる、などがある。
晩年の北原白秋も患った糖尿病
さて、「糖尿病性ニューロパチー」である。糖尿病とは、読んで字のごとく「尿に糖分が多く出る病気」であるが、正確には「インスリンの作用不足によって血液中の糖分の増加などの代謝異常をきたす病気」である。わが国でもその患者数は爆発的に増加しており、2016年に厚生労働省がまとめた結果では、糖尿病とその予備軍を合わせると約2000万人であると推計している。この傾向は世界各国でみられ、2006年には、国連が11月14日を「世界糖尿病デ-」に指定しているのだ。
糖尿病では、血液中の糖分の増加によって細い血管が障害され、さまざまな臓器に問題を引き起こす。血管障害による網膜症、腎症、神経障害を糖尿病の3大合併症と呼ぶが、これらは自覚症状がないまま進行することが多いので、注意が必要だ。「糖尿病性網
膜症」では網膜剥離を起こしたり、ひどい場合には失明に至ったりする(失明する方は年間3000~4000人にものぼる)ことがある。「糖尿病性腎症」が進行した場合には透析の対象ともなる。また、インポテンツになったり、血流不全のために 壊疽
えそ
 となり、手足を切断せざるを得なくなることだってあるのだ。「雨がふります、雨がふる」の『雨』の作詞者北原白秋は、57歳で亡くなっているが、死の5年前には「糖尿病性腎症」を併発し、眼底出血により一時視力を失った。人妻との不倫騒動などがあった一方で、治療には真剣に取り組まなかったとみられる。

症状が左右対称に表れる特徴も

神経に対する影響も深刻である。糖尿病では脳神経、末梢神経(知覚神経、運動神経)、自律神経など体中のすべての神経が障害される可能性があるが、その症状は末梢神経障害であるニューロパチーによるものが最も多い。
痛みや知覚異常を起こす場合と起こさない場合があるが、いずれにしても強いしびれを感じるようになる。痛みやしびれは手や足(圧倒的に足に多いが、これは足の神経の走行が長いためによると考えられる)の末端に左右対称に表れることが特徴であり、“手袋靴下型”と表現される。また、昼間はたいしたことがなくても、夜間に症状が強くなり、歩行、入浴、マッサージなどをすると軽くなる。
早期にアキレス腱(かかとにつく人体で最も大きい腱)の反射低下がみられ、次いで 膝蓋
しつがい
 腱(膝と 下腿
かたい
 の骨を結んでいる腱)の反射低下、進行すると手足の筋肉の 麻痺
まひ
 、筋力の低下が起きる。なお、自覚症状と神経学的検査の結果とが比例しないことも特徴である。
痛みにはペインクリニック受診を
治療は、血糖値のコントールが何よりも重要なことは言うまでもないが、痛みやしびれには血管拡張薬をはじめとして、不整脈の治療に用いられているメキシレチン(メキシチ-ル)、神経痛の治療薬であるガバペンチノイドのプレガバリン(リリカ)やミロガバリン(タリージェ)、抗うつ薬の仲間であるデュロキセチン(サインバルタ)などが有効である。
私の施設では、これらの薬物治療に加えて 八味地黄丸
はちみじおうがん
 や 牛車腎気丸
ごしゃじんきがん
 などの漢方薬(他の糖尿病治療薬と同じくアルドース還元酵素阻害作用を持つ)を処方するとともに、星状神経節ブロック、腰部交感神経節ブロックなどの交感神経系のブロック(伝達の遮断)によって、良い治療効果を得ている。
長い間、糖尿病を患い、血糖のコントロールがうまくできていなくて、最近、「こむらがえりの回数が増えた」「足の指先がしびれ、針で刺されるように痛い」「足の裏に違和感がある」といった症状がある方には、ペインクリニックを受診されることをお勧めしたい。(森本昌宏 麻酔科医)

森本 昌宏(もりもと・まさひろ)
大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。



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