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50万人の悩みを聞いた89歳シスターが伝授。安らぎは「たった3つの絆」で得られる

プレジデントオンライン様のホームページより下記の記事をお借りして紹介します。(コピー)です。

コロナ禍による収入減、失業……。懸命に生きていても、日々の不安は尽きないもの。そんな市井の人の心に寄り添い、これまで50万人の悩みに耳を傾けてきたシスター・鈴木秀子さんに、「心の保ち方」とその人生哲学を聞いた。『プレジデント』(2021年10月29日号)の特集「ひとりで、ゆっくり考える。楽しい哲学入門」より、記事の一部をお届けします――。
人々の悩みに向き合い続けて
たくさんの人がわたくしのもとに相談に訪れます。わたくしはただ黙って話を聞いて、「ああ、そういう気持ちなんですね」と耳を傾けるだけです。わたくしから「こうしたらどうですか」と言う必要はありません。終わりの時間が近づき「あと10分です」とお伝えすると、たいていの方はパッと切り替えて、自分で結論を出しちゃうんですよ。人間って不思議なものでね、心の中身を全部吐き出して、自分が受け入れられたと思うと、自分で答えを出していくんです。気持ちを外に吐き出すと、客観的に見えるんでしょうね。
ある日、外国船に乗っている40代の男性が相談に来ました。いつも家を空けているので、奥さんがノイローゼ気味になり、子どもを虐待しているという悩みでした。
自分と妻の両親は亡くなり、頼る人もいない。家に子どもを置いていくのは危ないし、奥さんはますます鬱が酷くなっていく。にっちもさっちもいかない状態だとおっしゃったんです。そんな状況でも「わたくしはシスターだから、具体的に何か援助することはできません」と伝え、「だからあなたのために毎日お祈りします」と言いました。
するとその男性は、大声を上げて泣き始めたんです。結構長いこと泣いたあと、彼は涙を拭いて「子どもは施設に頼みます。妻は病院に入れます。自分も日本に帰ったときには、子どもと妻に会いに行って優しく接します」と自ら答えを出しました。そして「この世で自分のために祈ってくれてる人が1人でもいる。それだけで生きていかれます」と言ったのです。わたくしの仕事って、これだけなんですよ。ただ黙って傍にいて、その人のために真剣にお祈りをするだけ。それでも心を軽くしてくれる方がいらっしゃるのです。
安らぎへ導く3つの絆
人間は「安心安全」を求める生き物です。「この場にいて自分が安心安全である」という確信を、悩みを持つ人は望みます。この安心安全の場所は、どうすれば見つかるか。「3つの絆」を大切にしてください。1に自分との絆、2に他人との絆、3に人間を超える存在との絆です。
聖心会シスター 鈴木 秀子さん
まずは自分との絆を大切に。自分を責めたり、自分と喧嘩しないこと。神はあなたに命を与え、神の似姿としてつくられました。命あるものは一人一人みんな尊いのです。「自分は尊い存在だ」と言い聞かせる必要があります。だけどわたくしたちはそんなことを忘れてしまう。だからどこかうまくいかなくなるんです。
例えば家族が死んでしまったとする。「なんでもっと早く病院に連れていかなかったんだろう」と自分を責めるでしょう。あたかも自分は全能であるかのように思い込んでいるんですね。過去に戻って「すべて完璧にできたに違いない」という前提に立っている。自責の念は謙虚に見えて、実は最も傲慢なことの1つなんですよ。神様が愛してくれているんだから、良い悪いと言わないで、起こってくることを素直に受け入れてみましょう。時に自分を褒めて労ったり、自分自身との絆を大切にしてください。
他人との絆も大切です。人も自分と同じように、一瞬一瞬、神に命を貰って生かされてる存在です。人間の歪んだ目から見れば、良いとこも悪いとこもいっぱいありますが、神の目からすれば、親がわが子を可愛いと思う、その何億倍の愛情で私たちを見守ってくれています。だからある人が嫌だと思っても、人の尊さを思い、根本のところに立ち返ること。それがコミュニケーションの本質だと思います。
最後は、人間を超える存在との絆です。まずは自然。1本の木を見ても、土の中に根を張って、幹があって、葉があり、花が咲く。人間の業ではどうしようもないことが、いっぱいあるじゃありません? わたくしは作家の遠藤周作さんと親しかったのですが、彼は軽井沢に別荘があり、多忙でひと夏空けたことがあった。翌年に別荘に行くと、六角形だかの同じような穴が家中に開いていたと言うんです。キツツキの仕業だったんですね。もはや建て直さなきゃならないほど、穴がいっぱい。皆、同じ綺麗な形にです。
遠藤さんが、穴だらけの家を眺めながら「こんなに穴を、同じ形に綺麗に整えることができる鳥がいるってすごいことだ。これは人間業じゃない、人間を超える神の存在がなければできない。自然界はそういう素晴らしい力を、示してくれているんだ」としみじみ語っていたのを覚えています。
そして人間を超えた存在、それは神との絆です。神様は愛であり、慈しみである。あなたを大切にするために、すべてを計らってくださっています。その一人一人に注がれる慈しみに感謝をして、賛美の気持ちを込めてお祈りをするのが大切です。
不安の心を照らす一筋の光
新型コロナは人類の歴史に大きなインパクトを与えています。コロナ前は、洋服で着飾ったり、贅沢な物を持って誰かと比べたり、そういうことに心をウキウキさせましたが、今は「自分がどうしたら居心地良くできるか」にみんな焦点を当てています。どうすれば心の中が満たされるかを一生懸命考える時代になりました。
そんなときだからこそ、嫌なことがあって落ち込んだり、怒りの感情が湧いたとき、感情を一定の温度に保てるように訓練をしていきましょう。負の感情が浮かんだときは、良いことを思い出すんです。子供の頃の楽しかったこと、最近で一番うれしかったこと、美味しかったものとか。そうすると感情を平らに保つことができます。
過去の楽しい話を日頃から自分の中にたくさん溜めておくのがいいでしょう。わたくしたちは、過去に戻って不安になり、自分を責める。そして将来のことを心配し、不安の種を作り続けます。未来の不安が襲ってきたときも「そんなことはまだ来ないから」「過去にもこんな良いことがあったから、必ず良くなる」と自分に言い聞かせましょう。コロナは心の訓練期です。コロナによって与えられた恵みともいえるでしょう。
小さいことの積み重ねで人生ができている
わたくしの身近な人は「あなたは辛い話ばっかり聞いていて、よく身が持つわね」と言うんですよ。でも、その人たちが心を入れ替えるとき、あるいは視点を変えるとき、すごく人間的な成長が見えるんです。その喜びをともに味わうのは、どんなことにも代えられない恵みです。人間の美しさを感じます。人間は死ぬまで成長する生き物。そして悩みは、成長を促す原動力です。悪いものではありませんから、成長に繋がるチャンスと捉えていくのがいいでしょう。
悩みを抱えたら手紙を書くでもいいし、新聞紙くらいの大きい紙を広げてマジックで鬱憤をいっぱい書くでもいい。自分の外に出すと客観的に見えて、解決に向かうきっかけになります。1人では解決できそうにないことは、「この人は安心」と思う人がいれば聞いてもらうこと。何も解決策を出してくれなくてもいいのです。ただ一緒にいて聞いてくれればいいと頼みましょう。
人生なんて本当にシンプルなんですよ。「小さいことの積み重ねで人生ができている」というのがわたくしの根本的な哲学です。わたくしは日頃から自分に「10秒」と言い聞かせているんです。例えば部屋にゴミが落ちていたら「面倒臭い。こんなの後で」と思っても、捨てるのには10秒もかからない。むしろ1秒です。洋服を畳むのも「これは10秒」と言い聞かせる。すると、どんどん部屋が片付いていく。そして「綺麗な部屋に入れた、気持ち良い。10秒のおかげ」と清々しい気持ちに浸ることができます。

鈴木 秀子(すずき・ひでこ)
聖心会シスター
1932年、静岡県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。フランス、イタリアに留学し、ハワイ大学、スタンフォード大学で教鞭をとる。聖心女子大学教授を経て、国際コミュニオン学会名誉会長。

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