半田信和 詩集 『ふたつの時間』竹林館1800円+税
半田さんは詩人だなあと、つぶやかされていた。亡くされた愛妻由美さんとの日々も、いくつかの少年詩も、わたくしに詩とは何かをあらためて感じさせてくれた。
ことばは常に丁寧にそこに置かれていた。そこでしかないところに。それは美しく静かにあったけれど、しっかりと語っていた。深いものを。雀のように飾ることなく、しかし美しく。
詩はことではないのだと教えられた。詩は言葉なのだと。そのひとことが一粒の砂を主役にする仕事なのだと。砂粒のままに。
私は詩から少年詩にたどりつきたくて「もう、私詩は書かない」ときめている者だけど、半田さんの由美さんを偲ぶ私詩からひとつだけ紹介させていただきたい。
ほほえみ
今日は白山がくっきりと見える
気持ちのいい空だよ、と言うと
ベッドのきみはほほえむ
きみは大口開けて
あはははと笑う人だったけど
ほほえむ口元もなかなかいい
大笑いは
今をがしっとつかむこと
ほほえみは
今をそっと受けとめること
悔しさは悔しさのまま
本日のUchidaは眼科に行ったり、詩のようなものをああだこうだとひねくり回したものの、惨敗し、ふてくされアイスクリームをなめていました。
今をそっと受けとめること
悔しさは悔しさのまま何故か悲しい。
偲ぶことがより鮮明になる言葉ですねえ。偲んでみたいものです。
はい。どなたもご存知のモネさんです。
ひでちゃんさま
悔しさは悔しさのまま
この二行が詩ですね。