『みんなのお寺』 ブッダによる幸せの種がまかれた園

宗派を超え、国境を超え、時を超えて、仏教・ブッダの教えの真理に触れる事の出来る幸せの精舎を目指す『お寺』です

ダンマパダ(法句経)②

2008年03月16日 | お経の紹介 『ダンマパダ(法句経)』
『戦場において100万人に勝つことよりも、ただ一つの自己に勝つ者こそ、実に最上の勝利である』103

           (ブッダの真理の言葉感興の言葉 中村元訳 岩波書店)

『この言葉の意味が分かりません』
『どう考えても100万人の敵に勝つよりも自分に勝つことのほうが簡単だ』
と考える人もいるかもしれませんがブッダの見方は一般世間とは違います

ブッダから見て『自己に勝つ』とは、『欲望・煩悩を制すること』です
人間とは知らず知らずの内に他人のあらや不具合な所にばかり目が行ってしまって、自分のことは棚に上げている場合が多いかもしれません
無意識のうちに『自分が正しい!』という『慢』という心を基準にして世間を見てしまうのです
『自分の事を棚に上げている』言葉は滑稽です
ブッダの智慧から見れば、世間に浮かび発せられている言葉の中にはそのような見方から導き出された言葉が結構多いのです
ブッダは世間の虚妄に即した基準で自分中心に物事を見ることをきつく戒められているのかもしれません

『まず自分を観て、自己を整えてから、その上で他人を観る
とにかくそこからですよ、人間が目指すべき正しい生き方は』

というようなブッダの心が私の胸に突き刺さったようなお経でした


ダンマパダ(法句経)①

2008年03月08日 | お経の紹介 『ダンマパダ(法句経)』
『荒々しい言葉を使うな
 言われた人々は汝に言い返すであろう
 怒りを含んだ言葉は苦痛である
 報復が汝の身にいたるであろう』133

(ブッダの真理の言葉感興の言葉 中村元訳 岩波書店)



ブッダが説いた最も古い時期のお経の1つ『ダンマパダ』
その中から私が印象深く感じる文句をこのカテゴリーで取り上げ説明していきたいと思います

仏教には『不悪口(ふあっく)』自己を戒めなさいという教えがあります
その戒めは次の事を守りなさいという事です

人の心を傷つける
悪意のこもった
荒々しく暴力的な言葉を…①

捨て離れて
心を清らかにして…②

人の心を癒す
思いやりのこもった
穏やかな言葉を使いましょう…③


自分自身を基準に見ればその人が使う言葉に分け隔て・種類はないかもしれません
しかしブッダから見れば人が使う言葉には種類があります
その中でも①の言葉は苦しみを引き寄せ、③の言葉は幸せを呼び込むというのです
その根拠は『縁起』です
仏教が教える処の真理『縁起』をひも解けば『因縁生起』です

現象には原因があり
縁が重なり合って
現象生まれ起こる

真理を獲得した人から見れば、我々一人ひとりの口から発する言葉が原因となって、他人の感情を誘発し、その感情から起こる他人の行為を自分に招くのです
あなたの周りの人を見て下さい
①の言葉を頻繁に使う人を好む人は少ないはずです
逆に③の言葉を頻繁に使う人を嫌う人は少ないでしょう
人間として生きている以上、嫌われれば生き難し、好かれれば生き易しです
仏教は自らを幸せに至らしめる教えです
ブッダは親切にもあなたを幸せにする方法を何の見返りもなく無償で教えてくれている
のです
その教えを聞いて受け入れるか受け入れないかはあなた次第
せっかくのこの場この瞬間のご縁
『不悪口』という戒めを家族であろうが知人であろうが知らない人にであろうが自分が出会っている全ての人に使い行う努力をしてみてみてはいかがでしょうか
きっとあなたに幸せを呼び込むことでしょう

『不悪口』を使おうと努め励むあなたが幸せになることを願っています     合掌