アニメ 特撮 すくらっぷBOOK

アニメーション作品 特撮作品 感想色々・・・

おおきく振りかぶって~夏の大会編~ #13 「また始まる」

2010年06月26日 00時11分39秒 | アニメ(TV)
 (以下、結構なネタバレ、かなり勝手な解釈が在ります)

 とても安定して観る事ができた作品でした。

 『ケメコ・デラックス』のようなエキセントリックな作品で手腕が光る水島監督は、オーソドックスな「青春スポーツもの」でも軽々と完成度の高さを見せてくれます。脱帽です。
 
 もちろん、ひぐち氏の原作・黒田氏の脚本共々完成度が高いです。
 それをキチンと「アニメ」で魅せてくれるのが、水島監督の力量だと思います。

 最終回は、驚くほど何も起きません。でも、面白い。

 県大会に破れた直後の西浦ナインが、次の目標に向けて動き出す・・・というシチュエーション。もっとみんな「負け」を引きずっててもいいのに・・・というくらい、みんな「サバサバ」してるというか、「負け」にちゃんと向き合って自分達の事も客観的に見つめなおしてます。みんな、強いんです。 ・・・また、そこが「健気」でもあります。

 何も起きない最終回ですが、きっちりと個々の「ドラマ」は描かれてます。
 一見まったりしてる「西浦ナイン」でも、異なる個性と思惑が交差することで(ぶつからないのがミソ)、「葛藤」が生じてます。重厚な脚本です。

 で、今作のシリーズ・テーマは何かというと・・・なんだろう?
 とても出来が良くて面白いのに、テーマが表に見えてこない・・・これも、高度な脚本力。

 間違いを承知で考えると・・・「自信の欠落」=「父・先輩の欠落」でしょうか。

 「西浦」の戦力は結構スペシャルです。
 三橋の抜群のコントロール。阿部のデータ野球。田島の打撃力と気配りなどなど。他校より突出した部分が多々あり、新設校ながら強豪にも勝っていけたのもうなずけます。

 でも、美丞戦では善戦しつつも負けてしまいました。

 美丞にあって西浦に無いもの・・・それは厚い選手層の先輩達。OBの監督・コーチ。つまり、大人の男としての先輩たちです。幾多の修羅場を潜り抜け、切磋琢磨してきた先輩達の経験と助言が、美丞にアドバンテージを与えていたのです。
 
 もちろん、西浦の百枝監督は優れた指導者です。リーダーとしての資質と安定感もあります。選手たちからの信頼も厚い。采配も的確。でも「男」じゃないのです。
 これは、決して「男女差別」では無く、高校生男子が心の中に色々抱え込んでるモノを、的確に理解し、共感し、アドバイスしてやれるかどうか・・・という事なのです。
 
 その意味で、美丞の監督やOB、先輩達は、厳しいながらも後輩達を理解し、指導し、勝つために一丸となっていました。これが、西浦には欠けていたのです。新設校ゆえのどうしようもない弱点でした。

 母親たちは色々協力してくれてますし、応援団も出来ましたが、勝負に関するアドバイスができる「先輩・大人の男性」が皆無。唯一、阿部の父親は「投手とのコミュニケーション」について、息子の行動は間違っているのではないかとアドバイスしてくれました。でも、この時は阿部が聞く耳を持ってなかったので、試合に活かす事ができませんでした。阿部が自分の過ちに気づくのは、自分が怪我して退場し、試合に負けた後だったのです。

 三橋や田島も、自分に足りなかった事を、試合中・試合後に気づきます。
 間違いに自分で気づくのは素晴らしい事ですが、信頼できる先輩から的確なアドバイスがあれば、もっと早くに改善できた可能性もありました。これが、西浦の弱点だったのです。

 三橋たちは来年・再来年のために、ゼロから積み上げていくというハンデを背負っています。これは彼らにとって「大きな試練」ですが、報われる時が来ると信じて、彼らは進んでいく事でしょう。

 という形で、事件らしい事件は起きないまま、淡々と最終回が終わりました。

 でも、次の試合に向けて、西浦ナインは心身共に成長していくという希望が見えるラストでした。
 
 見た後に「気持ちが良い余韻」に浸れるアニメは貴重です。

 第3期も期待大です。 

 
 P.S.

 最終回のエンド・ロール、作画監督が2人に作画監督補佐が9人の計11人体制。

 制作スケジュール、めちゃくちゃ厳しかったみたいですね・・・

 水島監督ほかスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。

真・恋姫無双<乙女大乱> #12 「群雄、于吉を討たんとするのこと」

2010年06月24日 16時29分16秒 | アニメ(TV)
(以下、かなりのネタバレと、相当勝手な解釈が在ります)

 真・恋姫無双「乙女大乱」も遂に最終回。
 
 「エロゲ」原作というフィルター越しに見てたこのシリーズですが、結構楽しめました。
 各エピソードで配置された様々な「試練」。新キャラ登場時の数々の「ドラマ」。
 物語の基本的な骨格は、がっちりできていました。

 ただし、終盤は三国志「乙女」キャラ総出演で、お祭り状態。
 物語が粛々と進む形になってしまったのが、ちょっと残念だったかな・・・

 でも、最後の大きな試練に対し、「意外などんでん返し」やそのための伏線がキチンと張ってあったのは「流石」と思います。また、最終話は展開を急ぐ必要があったはずなのに、僅かではあっても「ドラマ」が描かれていたのは、脚本の「職人技」と言えましょう。

 本作のシリーズ・テーマは「信頼が育む平和と安寧」。

 三つのシリーズを通し、関羽・張飛・劉備たちが旅をして、所属する国、集団、身分などを越えて育んだ友情(愛情?)と信頼が、于吉率いる十万の「兵馬妖」軍団を撃破する礎となった訳です。

 という事で、今回のテーマは「大団円」。

 劉備の「宝剣」で于吉を倒し、世に混乱と破壊をもたらす魔術書「太平妖術」は道士・華蛇によって封印され、地上に平和が訪れてこの物語は幕を閉じます。実際の歴史や書物の「三国志演義」とはまったく違った結末。これはこれで良いのではと思います。
 基本的に「乙女キャラ」は全員生存。
 「天下三分の計」や、その他英雄たちの野望など、影も形もない世界。
 群雄割拠ながら、しばらくは平和な時代が続く事を予感させます。

 惜しむらくは、「コンテ・演出面の不足」が見られた事。

 魔術書封印の前後で、各武将たちの絶体絶命な描写と、封印直後に「兵馬妖」が次々と活動を停止し、あるいは風塵に帰すような描写をして「緊張感」と「安堵感」を描き、画面にメリハリを付けるべきであったと思います。

 もっとも、最終話の制作スケジュールは「かなりキツイ」ケースがほとんど。
 尺の関係で、シナリオやコンテで描ききれない部分も多々あったと思われます。

 また、作画監督が7人(プラス作画監督補佐が1人)も名を連ねていますので、レイアウトチェックや原画チェックのスケジュールがかなり大変だった様子が目に見えるようです。削除を決断せざるを得なかった「シーン」や「カット」も多々あったかもしれません。
 クオリティの確保とスケジュール厳守で苦悩する監督・演出・作画および制作スタッフの皆様の様子が偲ばれます。

 あと、声優さんの人数がハンパなく多いです。アフレコ・スタジオに全員入りきれたのでしょうか? それとも、別録り対応?

 諸々突っ込める部分はありますが、活劇作品として普通に面白かったです。

 スタッフの皆様、お疲れ様でした。 

B型H系 #12「~さよならB型H系」 「~さらばB型H系」

2010年06月24日 15時26分21秒 | アニメ(TV)
 (以下、かなりのネタバレと勝手な解釈が在ります) 

 最近珍しく「直球勝負」型のコメディだった『B型H系』も遂に最終回。

 25年位前には、あの伝説的OVA『くりいむレモン』で描かれてた事が、地方局・深夜枠&「鬼印」満載とはいえ「地上波」で堂々と放映されるなんて、いい時代になったな・・・

 劇中で、高校生がラブホに堂々と入ったり、病室で「お医者さんごっこ」したりしてますが、某都知事が大昔に書いてた小説や映画脚本の描写はもっと「直情的」で「エロ」だったから、この程度の描写なら将来的にも規制できないハズ。
 スタッフさんたち、グッジョブ!!
  
 この作品のシリーズ・テーマは「コミュニケーションの欠落」。

 「H」の本質は「コミュニケーション」の集大成。その事に気づかない山田が小須田を振り回しつつ、身勝手な妄想の実現のために暴走しまくって、常に墓穴を掘ってた訳です。

 最終回になって、ようやく「Hしたい!」と言ってホテルに行きましたが、その後が続かない・・・ 「H」する事だけで頭が一杯で、お互いの事を何にも理解してなかったからですね。

 やっぱり物事には順番がある訳で、お互いに好意を持って、なにげない会話を重ねて、相手の好きな事とか、嫌いな事とか、家族の事とか、将来の夢とか話して、相手の事を理解して・・・ その内に、相手が何を求めてるか気づけるようになったり、相手にして欲しい事を気軽に話せるようになる訳です。で、恋愛が始まって信頼関係が十分深まれば、自然と「H」できるようになるのかな・・・
 山田(と小須田)は、その事全部すっとばして「H」しようともがいてた訳で、まったくの空騒ぎだった訳です。

 でも、大晦日の夜に二人してお風呂に入った時、お互いに「相手の背中を流したい」って言うんですね。最初に小須田が、続いて山田も背中を流してもらおうとする訳です。(小須田は山田の背中を見ただけでのぼせちゃいましたが・・・)
 お互いに背中を流す・・・て、高校生の男女にとっては結構気恥ずかしい行為だと思うのですが、それが出来てしまうような「コミュニケーション」が成立した事で、山田と小須田はようやく「恋愛」の入口に立てたのかなと思います。

 小須田の幼馴染である「宮野」の思いが成就しなかったのは、自分の好意を小須田に正しく理解させる事が出来ず、加えて小須田に何も求めなかったから。「プレゼント」ねだったり、「ハグ」をねだったり、「キス」をねだったり・・・色々求めていれば、気づいてもらえた可能性も・・・ 「幼馴染」としての立場に安住し、「片思い」に満足してしまって「コミュニケーション」を欠落させてしまったのが最大の敗因。
 ちょっと可哀想ですが、自分を変えられなかったから仕方ないのかな・・・

 反面、山田は自分を変えました。
 「H友100人」という馬鹿げた妄想が「小須田とHしたい」に変化し、やがて「小須田が好き」と気づいてからは、「小須田独占」のために無茶な事も実行できるように。
 「小須田のために何かしたい・・・」とまで思えるようになったのは、かなりの成長です。
(結局、自分の妄想に身を委ねる結果になっちゃいましたが)

 ラストシーンで二人が初詣をした後、小須田が山田に尋ねます。
 「何をお願いしたのか聴いてもいい?」
 山田「えっ、ば、ばかぁ。そんなもん、あんたと同じ事に決まってるじゃない!」
 小須田「えっ!」
 小須田の手を握って、笑顔を見せる山田。小須田も笑顔。

 普通の何気ない会話としぐさ。
 とっても大切な「コミュニケーション」が普通にできるようになった瞬間でした。
 
 二人に欠けていた「コミュニケーション」が確立した事で、この物語は幕を閉じます。

 物語の「アイロニー」(皮肉)は、山田が一番したがってた「初H」が失敗に終わった事で、山田と小須田の「コミュニケーション」が確立した・・・本当の「恋愛」がこれから始まる・・・となるのでしょう。

 という事で、かなり暴走気味なキャラとストーリーでしたが、個々の「ドラマ」や「キャラクターの劇的変貌」がきちんと描かれており、物語としての出来は今期一番・・・と評価します。

 この作品こそ「実写作品」では実現困難で、「アニメ作品」だから成立し得た作品と言えましょう。

けいおん!! 第12話 「夏フェス!」

2010年06月23日 14時35分11秒 | アニメ(TV)
(以下 微妙にネタバレ・勝手な予想が在ります)

 けいおん!! 第2期も折り返し点に来ました。
 今回のテーマは「別れの予兆」。
 今まで何をやるにも「5人いっしょ」だった彼女たちが、夏フェス会場では個々の意思で動いてましたね。半年後に必ず訪れる「卒業=別れ=それぞれの道への旅立ち」を予感させる描写が印象的でした。

 けいおん!! のシリーズ・テーマは「かけがえのない桜高軽音部」。
 「軽音部」のみんなで積み重ねた時間と喜怒哀楽が、彼女たちの宝物。
 彼女たちがその事に気づくのは、もっと先の事でしょうけど・・・
 でも、その頃には新たに出会った「大切な人」と新しい時間を積み重ねているはずです。

 そんな旅立ちが半年後に迫って、彼女たちの心がどのように揺れ動き、そして何を選択・決断して進むべき道を見出していくのか・・・ 

 まったりしたまま、卒業式を迎えてしまう可能性も大きいな・・・ 特に唯。

  「アニメ」としてのラストをどのように描くのか、楽しみです。
 
 個人的な思い込みでは、唯が「さわ子先生の後釜」になるというヴィジョンが・・・   

はじめまして

2010年06月22日 02時33分00秒 | はじめての方へ
 はじめまして。
 このたび、アニメ・特撮関連作品の感想ブログを立ち上げました。
 投稿記事は、今後定期的に増やしていく予定です。
 「良かった」と「残念・・・」の振れがやや極端な傾向があります。
 どうぞ、ご容赦ください。
 
 では、今後とも宜しくお願いします。


                   文責  Ring Ring