理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

キネクトで全身運動 療育に使えるゲームあれこれ

2017-07-06 10:20:21 | 発達障害

さて,家庭で療育をするにあたり,話しかけや机でするような課題は,保育園から帰ってからでもどうにかできるのですが,難しいのが運動です。

 

息子は体の動きで特別おかしなところはなかったのですが,保育園で鉄棒など苦手意識のある遊具や遊びはとことん避ける傾向がありました。見よう見まねでもやろうとしてくれないので筋力や神経系が発達せず,余計に苦手になるという悪循環。

体を鍛えるのに平日夜遅く公園に行くわけにもいかず,土日に公園に連れて行ったところでこちらが提案する遊びには興味を示してくれず,すみっこにしゃがみ込んでダンゴムシを探すばかり……。

 

そこで,ここはひとつ,ゲームの力を借りることにしました。

「体まるごとコントローラー」のキャッチコピーで知られるXbox 360キネクトです(Xbox Oneの発売前のことだったので)。

プレイヤーの体の動きをセンサーで認識してゲームを操作します。画面を見ながらタイミングを合わせて手足を動かす必要があるので,協調運動の訓練としても期待。息子が4歳3カ月のときに導入しました。

 

最初に試したゲームは,Xbox 360キネクトに付属していた「KINECT アドベンチャー」です。

ボートに乗って川下りをしたり,トロッコに乗って障害物を避けながら進む,その名の通りの冒険ゲーム。ゲーム中のアバターが自分の動いたままに動いてくれるので,子どもでも感覚的にプレイしやすいゲームです。

 

それでも新しいものに対して慎重な息子はすぐにはやってくれないので,最初は父母がプレイしてみせます。

汗だくになり,だんだんとのめり込む父母を見て面白そうと思ってくれたのか,1~2週間後には息子も自分でプレイするようになりました。

かがんで障害物を避けつつ手を伸ばしてメダルをゲット。

 

リバーラフティング。体を傾けて方向転換。

 

 

ガラス張りの部屋の壁のあちこちに穴が開くのを手足でふさぐ。

(*プロジェクターでスクリーンの後ろから投影しています。余談ながら,リアスクリーンとしてはビニール製の断熱カーテンライナーの遮光タイプが見やすかったです)

 

やがてどハマりし,保育園から帰ったのち,1人で2時間くらいプレイすることも。

おかげですごく体力がついて,1年後には保育園から自宅までの2.3kmの道のりを走って帰れるくらいまでになりました。

 

ほかにこのゲームのよかった点として,飛んできたボールを打ち返すなど,瞬時に目的の位置に手足を伸ばさなければならない内容も多く,反射神経も鍛えられました。

あと何より重要なのは,母がどこかに連れて行かなくても自宅で自分でできる点で,母が忙しかったとしても本人が空いている時間に勝手に遊んでくれるから,1日10分でもできるし,1週間にしたら多い時で10時間以上運動をしていました。

専門家による感覚統合訓練とは比べられませんが,運動量と動きの種類の多さでかなりのことがカバーできたのではないでしょうか。

 

 

キネクトはプレイするのにスペースがいるため,日本の住宅事情に合わないのか日本版のゲームが少ないのが難点ですが,子どもでもプレイできそうなものは一通り試してみました。よかったもの,イマイチだったもの,一部紹介します。

 

Fruit Ninja ◎ 打ち上げられたフルーツを手でばっさばっさと切り分ける。キックでも切れる。単純だけど爽快感があってハマります。

Dance Evolution △ ダンスゲーム。プレイヤーのままの姿が画面に表示され,ポーズを決めると映像効果が。テンポが早すぎたのか,あまりやってくれませんでした。ダンスが好きな子にはいいかも。

KINECT RUSH ○ 「カーズ」や「トイストーリー」などディズニー映画でおなじみのキャラクターの世界に入れる。ゲームの内容やストーリー自体は面白いのですが,操作がやや難しく,歩くときのように腕を前後に振ることで前進など,自分の動きとキャラクターの動きまったく同じではないので,慣れるのに時間がかかりました。動作がうまく認識されず,パニックになることも。

KINECT Disneyland ADVENTURES ○ ディズニーランドを歩いておなじみのディズニーキャラクターに会ったり,アトラクションを楽しんだり。アトラクションは実際のディスニーランドにあるものに由来しますが,ストーリーと映像はゲーム独自のもの。操作の難しさは上記のKINECT RUSHに同じ。ある程度キネクトに慣れた子にオススメ。

KINECT ANIMALS ○ ライオンやタイガーなどネコ科動物と友達になって不思議な島を探検。障害物競争や的あてゲーム,隠れたアイテム探しなどで遊べます。最初は面白さがよくわからなかったのですが,お友達(リアル)が遊びに来たときに一緒にプレイをしているうちにハマっていました。

 

これらのキネクトゲームは,筋力・体力をつけるほか,保育園のお遊戯などで動きを模倣するのにも役立ったように感じました。

 

それと,保育園時代にはあまり役に立たなかったのが「DRAGON BALL Z FOR KINECT」(5歳1カ月〜)。

ドラゴンボールは言わずと知れた日本のアニメなのに,日本語版がないのでアジア版(操作に必要なアイコンは英語表示ですが,キャラクターの音声は日本語)を購入。

 

保育園などで戦いごっこにハマっていたので,ドラゴンボールのキャラクターになりきってパンチや気弾を繰り出せたら面白いかと思ったのですが,最初は慎重で見ているだけ。

母も必死に実演してみせるのですが,自分からは一向にやろうとしません。

40近いおばさんが画面に向かって必死にかめはめ波を繰り出す姿は人に見せられたものではありませんが,息子のためです。母がんばります。

でも息子はやってくれません。

 

結局,このドラゴンボールのゲームは,小学校に入学後,うちに遊びに来たドラゴンボール好きの友達がプレイしているのをずーっと眺めた後,小2になってやっと自分でやるようになりました。

パンチの連打等があまりにハードすぎるので,長時間プレイはできませんが,1時間くらい汗だくになってやっています。

 

そんなわけで,母のかめはめ波はまったくの無駄に終わりましたが,ドラゴンボールは後から役に立ちました。

 


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