SHUFFLE!エピソード2、買っちゃいました。 前回のつきかなSSRと同時購入で、もう少し安くなるまで待つつもりでしたが、特価だったのでつい手が出てしまいました。
もともとNavel(ネーブル)はつり乙以来、好きなメーカーの一つ。雰囲気がとても好きなんですよ。そよ風のような作風といえばいいのでしょうか。ドロドロした流れや後味の悪いシナリオとはおよそ無縁で、プレイ中はもちろんエンディングでも心がじんわりと温かくなってくる清涼感がたまりません。
システムだってそうです。ワンクリックですぐに起動したり、間髪おかずに終了といった感じでキビキビ動きます。スクリプトもそうですが、特に画像処理が優れているんでしょうね。質を落とさず、重くならない工夫がされているのだと思います。前々作の君と目覚める幾つかの方法なんて僅か1.8GBしかなかったのに、通常の3~4GBレベルのソフトと同等もしくはそれ以上のボリュームでしたからね。
またこのメーカーの特徴でもある選択後の同じイベントをスキップするかどうかの設定が可能です。これなら未プレイイベントまでアッという間で、しかもスキップ時の画面で、どんなイベントだったのかわかるようになっています。さらには未プレイイベントまで一気に進んだとき、過去ログをみれば通常時のようについ直前の文章が出てくるという至れり尽くせりの仕様です。かゆいところにまで手が届くきめ細かさも、技術力の高さの裏付けがあったればこそですね。
世界観
今作は人間・神族・魔族の三界での異世界の文化交流が自由に行き来できる前作SPIRAL!!と同じ世界観を受け継いでいるばかりか、表裏一体の関係にあります。学園や喫茶店、その他思わずクスッとする場面が結構あったりします。
できれば前作をプレイしてからの方が一層楽しめるかもしれません。というのも前作でのさりげない会話が今作に結びついているからです。あとで書くつもりですが、表裏の関係はヒロインにおいても同様です。
あらゆる種族が集まっている国立バーベナ学園と人間だけの私立佐波理学園とか、共通の喫茶店には神族と魔族のアルバイト学生がいますが、会話の上だけで決して同時に姿を見せることはありません。
そりゃそうか、表面と裏面を一度にみることなんてできませんからね。だから未プレイでもなんの問題もないのですが、知っているとついニヤリとしてしまいます。
前作のヒロインの一人は、バーベナ学園からの短期留学生で、演劇部所属。ところが今作ではヒロインの琥珀がその演劇部の部長で、副部長が佐波理学園へ留学で抜けたことでとても忙しくしている、なんて会話からスタートです。もちろん他にも色々とありますよ。神族の諜報員とその上司、さらには・・・
あとはご自分でお確かめください。
プロローグ
退屈が好きな主人公の相生頼斗は姉弟同然に育ってきた安場琥珀と二人で住んでいましたが、ある日突然、神族の王女・リシアと魔族の王女・ネリアがマンションの両隣へ越してきます。もちろんそれぞれの国王も一緒に。
そして二人の王女は頼斗に宣言します。
「私は人間界と決別するためにここにやってきたのです!」
「貴方のお命、頂戴しますわ!」
この日を境に主人公の頼斗は「神にも悪魔にも狙われている男」と呼ばれることになります。
さらには両界のお姫様でさえ一目置く種族不明の謎の美少女リムスを引き取る羽目に。
おそよ平穏とは無縁の波乱万丈の日々がはじまります。
攻略順
今回は5人が攻略対象になります。
誰からでも問題はないのですが、できればメインヒロインの2人は最後の方がいいかもしれません。あと同居人の安場 琥珀と後輩の木下きららは表裏の関係があるので、一緒にプレイした方がスムーズにいくでしょう。
私の順はきらら⇒琥珀⇒リムス⇒リシア⇒ネリアで、違和感はありませんでした。
ヒロイン
木下きらら
琥珀をこよなく好きな演劇部の後輩で、主人公の頼斗は「大好きな先輩のオプション」くらいにしか思われていません。
親の仕事の都合とはいえ、神界で生まれ、魔界で育った正真正銘の人間ですが、人間界に移り住んでまだ半年。人としての常識に慣れておらす、頓珍漢なことを平然と言ったりしたりですが、実は物凄い才能が隠されているのかも???
ここで主人公が両親と暮らしていない理由が明かされます。それはすぐ下の琥珀にもふれることになるのですが・・・
安場琥珀
主人公の相生頼斗と姉弟のように育ってきた同居人。容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能でしかも誰彼構わず面倒見がよく、人望絶大というエロゲの王道パターンのヒロインです。
頼斗と仲のいいクラスメイトの生徒会長虎次郎は、いつも頼斗の弁当を琥珀の手作りだと羨んでいますが、全くの的外れ。料理だけでなく、掃除、洗濯、片付けといった家事全般はまるでダメ。全て頼斗の仕事であり、家ではだらけているだけの何一つできないポンコツです。
外での完璧超人が何故なのか?
他にも様々な謎がきららルートと表裏の関係から明らかになります。両親だけでなく、現状の頼斗との同居やポンコツ生活も含めて・・・とても悲しい話、それともいい話???
リムス
感情の起伏が乏しい謎の少女。頼斗と暮らすことになるが、どうやら物凄い魔力を有しているようです。手にしている猫の縫いぐるみに刮目せよ!
ただの縫いぐるみが生命を得、ついには世界を滅ぼすなんてことはない、はず???
ネリア
魔族の姫君。神界のリシアとは幼い頃からの知り合いで、完璧主義の優等生タイプみえますが頼斗には積極的に誘惑します。しかしそこには恐ろしい画策があったのです。なにしろ人間界と人間が大嫌いなのですから。だからこそ頼斗に微笑みながら顔を近付け
「貴方のお命、頂戴しますわ!」と囁いたのは、嘘や冗談ではなく、マジのこと!
そして・・・
リシア
神界の王女で、やがては父王クンツァイト の跡を継ぎ、神王になると目されています。優しい娘ではありますが、敬愛する大伯母の死後、「人間は神界・魔界には百害あって一利なし」という考えを持つようになります。そして「私は人間界と決別するためにここにやってきたのです!」というセリフを頼斗に突きつけるのですが・・・
人間界と決別するのは、誰???
一癖も二癖もあるヒロインたちと頼斗の関係がとても面白く描かれています。
共通ルートで琥珀に誘われた頼斗やヒロインたちが演劇部の合宿に参加することになります。そこから個別ルートへとはいるのですが、猫の縫いぐるみが重要なキーポイントになる、かもしれません。
爽やかな読後感、安心して楽しめる作品です。
ただ中古の購入を考えておられるのなら、今しばらく待った方がいいかもしれません。余程のことがない限り3~6か月もすれば1/3程度(¥3,000~4,000)にはなりそうな雰囲気です。(¥6,000前後 20/6/30現在)
*スピンオフのPrincess×Princessの感想はこちら