夢を叶えたひとは、夢は叶うと言う。
夢を叶えることができなかった人は、そんなに甘いものじゃないと言う。
その過程で何を学べるかが大切だなんて言ったりもする。
夢を持った人は、夢は叶うという言葉を抱えて、
夢を描けない人は、あれは特別な人達だと考えて、
現実に追われている人には、なんの話かよくわからない。
夢って何？ 幸せって何？
なんか、そういうことに疲れてしまった。
そういうことを考えるのに疲れてしまった。
いやなこともある。いいことだってある。
遠くに青い山が見える。冷たい風が吹いている。
吐く息が白い。さっきの雲が、もう見えなくなった。
夢とか幸せとか努力とか運とか、
そんなものから遠い遠いところで、
今日も生きている。
ただ今日も生きている・・・
夢は叶うという言葉が
たくさんの人を元気にして、
たくさんの人が前向きに生きていける力になって、
それはとても大切なこと。
ほんとうに大切なこと。
夢を語ってくれた人が、
まもなく病気になって死んでしまった。
とても親しかった人たち。
誰にも何もできない。
もうあの人はいない。目の前にあるのはただそれだけ。
二度とされることのない夢の話が自分の中にあって。
ただそれだけ。
夢は叶う。
誰も悪くはないのに、
何も悪くはないのに、
時に、とても悲しく響く言葉。
空の青いところは、
なんかずっとずっとずっと遠いところなんだろうな。
悲しいことがあって、
悲しいことを話していたら、
それ、捉え方を変えれば逆に良かったって話じゃん
なんて教えてくれる人。
嬉しそうにそう話してくれる人。
嫌い。そんな時のそんな人、あっちへ行けって思う ー 。
少し涙を流したら、
思い出やら口惜しさやら、愚痴やらを話したら、
時間がかかるかもしれないけど、
少しずつ少しずつ、
もう一度立ち上がって、歩いて行こうとしているってこと。
ただただ、黙って待っていてほしいだけ。
今は悲しい気持ちでいたいだけ。
なんでもポジティブなのがいいわけじゃない。
いつでもポジティブなのがいいわけじゃない。
笑っていきることは大切だけど、
涙だってとても大切。
涙のない豊かさなんて、きっと、うすっぺらい。
生きる意欲がなくなってしまって
なんて口に出すと、きょとんとした顔で見られたりする。
なんのことだか、わからない人もいるみたい。
だから、あんまり口には出せない。
体から力が抜けてしまう時がある。
自分の中のどこを探せば力が見つかるのかわからなくて、
誰かのせいにしてみたり
なるべく幸せでない過去をたくさん集めてみたり、
なんか理由をつけようとしていたりする。
そんな時
寂しいのか、悲しいのか、
理由があるのか、解決するものなのか、
全然わからないけど、
なんか詩人になれそうな
そんな妄想が少しだけ
自分の中にいるかもしれない。
そんな妄想に浸っていたい自分が
ちょっとだけいるのかもしれない。
こんな会話が好き。
「生きてるってつらいよね」
「そうだね」
「でもさ、生きていくんだよね」
「そうだね」
そして黙って空を見てたりする。
そして黙って風に吹かれてたりする。
そして一日が過ぎていったりする。
そんな一日が大切って言ってくれる人が好き。
