昔の上司と解雇された社員

先週、前の会社の事業部長からメールがきて食事に誘われた。
どうやら10数年勤めた米系大企業を辞めて、ある会社の社長になるらしい。

彼はちょっと変わってるが、私がいままでついた上司でも大変有能な人。
仕事が早く正確で、人当たりもいいし、誰に対しても公平だ。
まあ私より長く一緒に仕事した人の中には悪く言う人もいたが、人格崩壊した上司をたくさん
見てきたせいか、私としてはとても仕事がしやすかった。
物凄いリストラで100人くらい切ってるから、そりゃ悪く言う人がいても仕方がない。

同セクションだった3名のスタッフのことについて聞いた。
「3人はお元気ですか？」
『○○と△△は元気だよ。でもｘｘは辞めた。色々あってね。』
「何があったんですか？」
『彼は前からすごく怪しまれてはいたんだけど、ずっと経費を誤魔化してたんだ。
出張経費といって、してもいない接待やなんかの請求書を自分で書いたりして。
セールスマネジャーという立場から日帰りでもいい出張をいつも泊まりにして、
行かなくてもいいアポをとったりね。で、とうとう経理にばれて、クビになりかけたのを、
家庭もあるしなんとか上に頼んで自主退職にしてあげたんだよ。』
「で、今は？」
『代理店に頼んで雇ってもらえるようにしたよ』
「よく噂になってばれませんでしたね。
ずいぶん前からですよね。　○○さん達もｘｘは人に仕事を押し付けて、自分はろくに
仕事せずに、行かなくてもいい出張や外出ばかり入れるといって愚痴こぼしてましたし。」
『そう、だから何年も前からずっと “この会社は経費チェックでごまかしがバレたら
即クビだよ” とほのめかして止めさせようとしてたのに、ずっと続けてたんだよ。
前からブラックな噂が多くて、派遣の女性に手を出したり、今も女がいるんじゃないかな。
たいてい金銭がらみは女かギャンブルだから。』
「ばれた時、もめたんじゃないですか？」
『私はある程度わかってたけどね、アメリカからチェックが入ったんで、万事休す。
問いただしたら、あちこちの代理店に口裏あわせの電話をかけまくって、
挙句、私がそうさせたといって言い逃れをしようとしたんだよ。』
「ひどい話ですね。　とばっちりじゃないですか。」
『私はもう辞めることになってたから、彼は次は自分が私のポジションに就けると
思ってたみたい。それがこんなことになったもんだから…大変だったよ』
「彼の英語力ではレポートできても、会話がムリですよね。」
『どうにかなると思ってたんでしょ。』

と、こんな驚きの報告があった。

そのｘｘはどんな人かというと、早くに結婚をして高校生の子供がいるが、
実年齢よりかなり若く見える。大声で話好きで、人当たりのいいお調子者。
女性が好きな人気のケーキショップなどをよく知っていて、たまに買ってきてくれたりした。
家ではよく料理をすると、ある種女性ウケしそうなことを言い、
冗談がうまく、気は利くので女性にはもてるタイプだと思う。　たぶん。
帰りが遅くなって、車で送っていってくれることがあったが、なんとなく浮気しそうな
そんな雰囲気はフワフワと漂わせていた。　私は既婚者には興味がないので、
全く気付かないフリをしたが、あとから聞くとそれが彼の手口らしい。　

しかし、ある意味尊敬している上司（事業部長）から、あまり人の悪口は聞きたくなかった
ってのが正直なところ。　

少しは大目に見て警告もしてたのに、最後は自分がさせたとまで
言われて頭にきたのかもしれないけどね。
実際、彼は請求すればいい経費をレポートしないくらい潔白な人だからなぁ…