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《肩関節脱臼》

2011-08-21 06:32:54 | 日記

《肩関節脱臼》

肩関節脱臼  教科書P389~391 
担当者:
〈概念〉
 肩関節は人間の関節の中では、最も脱臼しやすい関節で、その理由としては肩関節が体の表面の突出した部分にあること、骨頭の大きさが肩甲骨関節窩の約3~4倍もあること、しかも各方面に広い運動性を持っていること、肩関節自身にはある程度のゆがみがあって、関節包は薄くたるみ、周囲の靭帯も比較的弛緩して弱く、したがって、関節の固定が筋肉に依存していることなどがあげられる。先天性のものと後天性のものとに分類することができるが、先天性のものは非常にまれである。後天性は外傷性と非外傷性に分類されるが、前に記したような解剖学的特殊性と体表面に近く、外傷を受けやすいことなどが重なり、全脱臼の50%が外傷性であるといわれている。これは、よく経験するものであるが、スポーツなどを好む強健男子に多く、小児には少ない。なかでも前方脱臼がほとんどでこれには烏口下脱臼と鎖骨下脱臼とがあり、前者が全肩関節脱臼の97.5%と最も発生する頻度の高いものである。(文献1.3.5)
脱臼は、外傷によって脱臼する外傷性脱臼と外傷に関係のない非外傷性脱臼、例えば先天性脱臼、随意性脱臼などがあり、また脱臼方向によって前方、後方、下方に分けられる。外傷性はまた新鮮脱臼と陳旧性脱臼に分けられる。陳旧性脱臼とは、一般に3週間以上脱臼位のまま経過したものをいう。(文献1)
 Rehnは受傷8日までを新鮮脱臼としている。(文献6)
〈脱臼の分類〉
外傷性
外傷性肩関節脱臼
(完全・不完全、前方・後方、新鮮・陳旧)
反復性肩関節脱臼
(完全・不完全、前方・後方)
非外傷性
先天性肩関節脱臼
習慣性肩関節脱臼
a)非随意性(完全・不完全、前方・後方)
b)随意性(完全・不完全、前方・後方)
loose shoulder
(下方・前方・後方)
その他
脱臼骨頭の位置により次のように分類される。
前方脱臼
烏口下脱臼
腋窩脱臼
肩甲骨前脱臼
鎖骨下脱臼
後方脱臼
肩峰下脱臼
棘下脱臼
下方脱臼
(文献8)(図5・68)
    
(文献8)(表5・17)
我々が臨床に出て経験するほとんどの肩関節脱臼は97.5%という高頻度で外傷性肩関節前方脱臼であるため、この症例について詳しく述べたい。
外傷性肩関節前方脱臼
〈病態〉
脱臼には、肩の後方から、上腕骨頭に直接外力が加わっ..

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