利き猪口(ききちょこ)。
お酒を利くための猪口なので主に色と透明度を見るために白磁に藍色で二重丸=蛇の目が描いてある。プロ用は輪郭がボケないように焼いたあとで蛇の目を描いているそうです。昔はよく酒屋のおまけや飲み屋で見かけましたが、色が薄かったり輪郭がボケてることがあるみたいです。まぁ素人だから全く気にしませんし、お酒の銘柄やちょっとした言葉が入ってるのも粋な感じがしますしね。
近所の行きつけの酒屋さんではオススメの美味しい日本酒を時々試飲させてくれるのですが、その時出してくれるのがこの利き猪口。試飲用には一番小さい3勺利き猪口っていうのかな、これで出してくれます。1升が1.8Lでその1/10が1合、1/100が1勺なので18ml。3勺は54mlてことですが、なみなみ注ぐわけじゃないから50mlくらいでしょうか。
最近、主に日本酒用の酒器を集めてみようと思ってたら、なんだかこの利き猪口が気になりだして本格的に集めようかと思った次第。
生酒が美味しい季節、年末から気に入って飲んでる鮎正宗「初鮎」を買いに行ったついでに、試しに店主に利き猪口があれば譲ってくれないかと聞いてみたところ、「小さいのしかないけどそれで良ければ」とうれしい返事。お得意様だからとことでご厚意に甘えて頂いちゃいました^^それがこの3勺利き猪口。蛇の目模様も濃く、比較的くっきりしていて気に入りました。
日本酒用の酒器を集めようと思ったきっかけは、たまたま古本屋で見かけた故杉浦日向子さんの「杉浦日向子の食・道・楽」でした。 巻頭にカラー写真で12ヶ月分のお気に入りの酒器が掲載してあり、これはいい!と思ったのが始まり。元々ある酒器を季節や月に当てはめて足りない分を増やしていけたらと思ってます。で、最近追加したのが2枚目の写真のもの。おぼろ月夜のような…これは春霞なら今時分か、秋頃でも良いでしょうね。
杉浦日向子さんは私の中では坂口良子・黒木瞳・山本陽子・高木美穂と並んで5大熟女だった。お若くして亡くなられたのは本当にショックでしたが、彼女の風流や粋を愛する心は多くの人に引き継がれていることでしょう。
最近飲んで美味かったお酒
・すっぴんるみ子の酒・特別純米袋絞り無濾過生原酒6号酵母
ラベルには「夏子の酒」の尾瀬あきらさんのイラストが。
・南・純米中取り無濾過生酒
・獺祭(だっさい)純米大吟醸 寒造早槽48
どれもできたての若々しさがあるがトゲトゲしたり荒々しくなく溌剌とした爽やかさがあり、旨みのある甘味がさらりとべとつかず、うっとりとするようなメロンやバナナのような果実香。もう最近はこの生酒の魅力にどっぷりです。