テレビの朝の報道番組では、毎日のように交通事故のニュースが流れている。トラックの横転やバイクと自動車の接触事故など、ヘリコプターからの空撮映像が その生々しさを伝えている。交通警察の資料によると、1998年から08年までの11年間で聖市内の交通事故の発生件数は9%減っている。ところが、若者 (15~24歳)の交通事故死亡者が他の大都市に比べて増加。殺人事件などの犯罪による死亡確率よりも交通事故死の確率が高くなっているという。25日付 エスタード紙が報じている。
11年の犯罪白書によると、交通事故による死亡者は1998年の3万949人から2008年 には3万9211人と26.5%増加している。その中で15~24歳の死亡者が32.4%も増えたという。また、20代だけみると43.7%も急増してお り、20歳の交通事故死亡率は10年前には10万人当たり27.1人だったが、昨年は10万人当たり34.6人と増加した。
全国的にみると、08年の統計では一日当たり107.1人が交通事故で死亡しており、内訳は15~24歳の若者が24.3人、それ以外の年齢層が82.8人となっている。
聖州では交通事故による若者の死亡率が26.7%となっており、殺人などによる死亡率の24.4%を上回っている。聖州と同様に、犯罪に巻き込まれて死亡するよりも交通事故死の比率が高いのは、ロライマ、トカンチンス、ピアウイ、サンタ・カタリーナ各州だという。
若者の交通事故が増え始めたのは、04年からだと言われており、社会学者のジュリオ・ジャコボ・ワイゼルフィス氏は、その理由を「バイクや自動車などを若 者でも簡単に購入できる購買力が付いたこと、交通の取り締まりが少ないこと、飲酒運転による事故が増えたこと」と説明している。
一方、 交通工学公社(CET)企画担当役員のイリネウ・ギネコ・フィーリョ氏は、若者の交通事故死はバイクの所有率が高くなったことが原因だと主張。18~29 歳の若者が引き起こす交通事故の半数はバイクによる事故だという。また、同氏はバイクで事故を起こすのはモトボーイではなく、通勤や通学にバイクを使用す る一般の人たちだと説明する。ただし、この1年間でバイクによる交通事故死は5%減少している。
いずれにしても、自動車やバイクを運転する人のマナーが悪いために交通事故が起こっていることに疑いの余地はない。警察やCETが交通取り締まりや飲酒運転の取り締まりを強化する必要に迫られている。