フリマアプリで見つけたラルフローレンのシャツ、これって本物かな?
古着屋さんで買ったけど、なんだかロゴが変な気がする…。
そんな風に、購入を迷ったり、手元のアイテムに不安を感じたりした経験はありませんか。
多くの人に愛されるラルフローレンだからこそ、残念ながら市場には多くの偽物が存在します。
この記事を最後まで読めば、プロが実践する鑑定ポイントが身につき、自分の目で真贋を見極める自信がつくはずです。
ロゴの刺繍からタグ、ボタンの細部に至るまで、偽物を見分けるための全知識を徹底解説します。

なぜ?ラルフローレンに偽物が多い理由と本物を見極める重要性
そもそも、なぜラルフローレンにはこれほど多くの偽物が出回っているのでしょうか。
その背景には、主に3つの理由があります。
- 圧倒的なブランド人気:
世界中で世代を問わず愛されているため、偽物を作れば売れるという状況があります。
- 模倣しやすいデザイン:
ポロシャツをはじめとする定番アイテムはデザインがシンプルで、偽造しやすい側面を持っています。
- オンライン市場の拡大:
フリマアプリや海外のECサイトなど、個人が手軽に売買できる場が増え、偽物が流通しやすくなりました。
せっかく購入するなら、本物の品質と価値を長く楽しみたいものです。
だからこそ、私たち自身が本物を見抜く知識を持つことが、賢い買い物への第一歩となるのです。

【最重要】ロゴ(ポニー刺繍)の偽物を見分ける決定的な違い
ラルフローレンの真贋鑑定において、最も重要で分かりやすいのが、胸元に輝くポロプレイヤーロゴ(ポニー刺繍)です。
本物と偽物では、そのディテールに明確な違いが現れます。
ここでは、「輪郭とバランス」「刺繍の質」「ビッグポニー特有の点」の3つの視点から、決定的な違いを解説します。
①刺繍の輪郭とバランス|馬の脚や尻尾、騎手の姿勢をチェック
本物のロゴは、馬と騎手の描写が非常にシャープで、全体のバランスが取れています。
一方で偽物は、どこかぼんやりとしていて不安定な印象を受けます。
以下の表で具体的なポイントを見比べてみましょう。
特徴 |
本物 |
偽物(の可能性が高い) |
馬の脚 |
4本すべてが明確に表現されている |
3本以下に見える、脚同士がくっついている |
馬の尻尾 |
はっきりと確認でき、自然な流れがある |
短すぎる、ぼやけている、または存在しない |
騎手の姿勢 |
凛々しく、馬との一体感がある |
猫背気味、バランスが悪く不安定に見える |
全体の輪郭 |
シャープで安定感がある |
歪んでいたり、ぼんやりしていたりする |
手元のアイテムのロゴが、全体的に見て「生き生きとしているか」という視点で確認してみてください。

②刺繍の質と立体感|糸の密度や光沢、ポロスティックの形状に注目
次に、刺繍そのものの「質」に注目します。
本物は細部までこだわり抜かれていますが、偽物はコストを抑えるため、質が粗悪になりがちです。
- 立体感:
本物の刺繍は糸がこんもりと盛り上がり、はっきりとした立体感があります。
偽物は平面的で、のっぺりとした印象です。
- 糸の密度と光沢:
本物は糸が高密度で縫われており、下地が見えることはありません。
上品な光沢があるのも特徴です。
偽物は糸の密度が低く、スカスカで下地が見えてしまうことがあります。
- ポロスティック《ぽろすてぃっく》の形状:
騎手が持つスティックにも注目しましょう。
本物は適切な角度でまっすぐに表現されていますが、偽物では曲がっていたり、先端の形状が不自然だったりします。

③【特に注意】ビッグポニーは偽物が多い?裏側の処理も確認
通常のロゴよりも大きい「ビッグポニー」は特に人気のデザインで、偽物の標的になりやすいことで知られています。
ビッグポニーの鑑定で最も分かりやすい違いは、刺繍の「裏側」にあります。
- 本物:
大きな刺繍によって生地が傷んだり伸びたりするのを防ぐため、裏側には必ず「補強布」と呼ばれる白い当て布がされています。
- 偽物:
コスト削減のため、この補強布が省略されているケースが非常に多いです。
ビッグポニーのアイテムをチェックする際は、必ず裏側をめくって確認する習慣をつけましょう。
ロゴ以外も要チェック!タグから偽物を見抜くポイント
ロゴだけでなく、首元や脇についている「タグ」をチェックすることで、鑑定の精度は格段に上がります。
タグにはブランドの情報が凝縮されており、偽造が難しいポイントも多く含まれています。
ここでは「首元タグ」「洗濯表示タグ」「年代別の違い」の3点を見ていきましょう。
①首元タグ|フォント・縫製・素材感で判断
首元のブランドタグは、着用時に肌に触れる部分でもあり、品質の差が顕著に現れます。
偽物は一見似ていても、よく見ると多くの矛盾点が見つかります。

チェック項目 |
本物 |
偽物(の可能性が高い) |
フォント |
ブランド独自のシャープな書体で、文字間隔が均一。 |
似ているが違うフォント。文字が太い、または細い。間隔がバラバラ。 |
縫製 |
四隅がしっかりと丁寧に縫い付けられている。 |
縫い方が雑。斜めに付いている、糸がほつれている。 |
素材感 |
上質で適度な厚みがあり、肌触りが良い。 |
安価でペラペラしている。肌触りが悪い。 |
また、本物はブランドタグの横や下に、サイズ表記の小さなタグが別に縫い付けられていることが多いです。
偽物では、ブランドタグにサイズが直接プリントされているなど、仕様が簡略化されている場合があります。

②洗濯表示タグ|会社名の有無と®マークが決め手
服の内側の脇についている洗濯表示タグは、情報の宝庫です。
特に日本国内で正規に販売された製品には、偽物にはない決定的な証拠が記載されています。
- 会社名の表記:
日本の正規代理店である「ラルフ ローレン株式会社」や、過去の代理店名が必ず記載されています。
この表記がない、または無関係の会社名が書かれている場合は注意が必要です。
- ®マーク:
ブランドロゴの右上にある®(レジスタードトレードマーク)マークを確認しましょう。
本物は小さくても鮮明に印字されていますが、偽物では潰れて読めなかったり、そもそも存在しなかったりします。
③【豆知識】年代別タグ一覧|古着好きなら知っておきたい変遷
古着のラルフローレンを購入するなら、年代ごとのタグデザインの変遷を知っておくと、鑑定だけでなくアイテムの価値を知る上でも役立ちます。
代表的なタグをいくつかご紹介します。
年代(目安) |
タグの通称 |
特徴 |
1980年代 |
三角タグ |
タグが三角形に折りたたまれて縫い付けられているのが最大の特徴。 |
1990年代 |
オールドタグ |
「Polo by Ralph Lauren」の文字が大きく、紺地に白文字などが代表的。 |
2000年代以降 |
現行に近いタグ |
デザインがシンプルに移行し、白地に青文字などクリーンな印象のものが増える。 |
これらはあくまで一例で、年代やラインによって非常に多くのバリエーションが存在します。
タグの歴史を知ることで、ラルフローレンの世界がより一層面白くなります。
これで完璧!プロが見る真贋鑑定の追加ポイント4選
ロゴとタグでほぼ判断できますが、プロはさらに細部までチェックして総合的に結論を出します。
鑑定眼を完璧にするための、追加ポイントを4つご紹介します。

①ボタン|本物は高級感のある貝ボタン+十字縫い
ポロシャツやシャツのボタンには、品質へのこだわりがはっきりと現れます。
- 素材と厚み:
本物の多くは、独特の光沢と深みを持つ「貝ボタン」が使われています。
適度な厚みがあり、高級感が漂います。
偽物は安っぽいプラスチック製のボタンが使われていることがほとんどです。
- 縫い付け方:
本物はシャツ本体と同じ色の糸で、しっかりと「十字」に縫い付けられています。
偽物は縫い方が雑だったり、十字ではなかったりします。
②裾の長さ|後ろが少し長いのが本物の証
ラルフローレンのポロシャツや一部のシャツは、裾のデザインに特徴があります。
これは、テニスやポロのプレー中にシャツの裾がパンツから出にくいように工夫された「テニス・テール」と呼ばれる仕様です。
- 本物: 裾が後ろ側だけ少し長くなっています。
- 偽物: コスト削減のため、前後の長さが同じになっている場合が多いです。
③縫製と素材|丁寧なステッチと上質な肌触り
製品全体の品質も重要な判断基準です。
- 縫製:
本物は、襟元や袖口などの縫い目(ステッチ)が細かく均一で、非常に丁寧です。
偽物は縫い目が粗く、間隔がバラバラだったり、糸のほつれが目立ったりします。
- 素材:
本物は上質なコットンなどを使用しており、しなやかで着心地が良いのが特徴です。
偽物はゴワゴワしていたり、逆に薄すぎたりと、明らかに品質が劣ります。
④製造国|「中国製=偽物」は誤解?正しい知識を解説
「Made in China」と書かれていると、すぐに偽物だと判断していませんか?
実はそれは大きな誤解です。

現在、ラルフローレンの製品は、品質管理のもと世界中の工場で生産されています。
- 中国
- ベトナム
- インドネシア
- フィリピン
- スリランカ
上記のように、アジア各国で生産されているのが一般的です。
製造国だけで真贋を判断せず、あくまで鑑定ポイントの一つとして総合的に見ることが大切です。
【購入前に】フリマや古着屋で失敗しないための安全な購入ガイド
鑑定眼を身につけたところで、実際に購入する際の注意点を見ていきましょう。
特に個人間取引が多いフリマアプリや、商品の状態が様々な古着屋では、以下の点を確認することが失敗を防ぐ鍵となります。
- 価格が相場から極端に安くないか?
新品や美品が異常な低価格で売られている場合、偽物の可能性を疑いましょう。
- 販売者の評価は信頼できるか?
フリマアプリでは、過去の取引評価やコメントを確認し、信頼できる出品者から購入しましょう。
- 商品写真が鮮明で、細部まで確認できるか?
ロゴやタグの拡大写真の掲載を依頼するなど、購入前に細部をしっかり確認することが重要です。
写真の追加を拒否される場合は、何か隠したいことがあるのかもしれません。
- 返品・返金に関するポリシーは明記されているか?
万が一の場合に備え、返品ポリシーを確認しておきましょう。
信頼できる業者や店舗は、明確な返品規定を設けていることが多いです。

万が一、偽物を買ってしまったら?落ち着いて取るべき3つの行動
もし偽物を購入してしまっても、慌てずに以下の手順で対処しましょう。
泣き寝入りする必要はありません。
- 販売者に連絡し、返品・返金を要求する
まずは取引相手に偽物であったことを伝え、返品と返金を求めます。
フリマアプリの場合は、受け取り評価をする前に運営事務局へ連絡しましょう。
- 決済サービスやクレジットカード会社に相談する
販売者が応じない場合、利用した決済サービスの運営会社やクレジットカード会社に連絡し、取引のキャンセル(チャージバック)が可能か相談します。
- 公的な相談窓口を利用する
悪質なケースでは、消費者ホットライン「188」や、国民生活センターに相談することも有効です。
また、ラルフローレン社は偽造品対策に力を入れており、以下の公式窓口で情報を集めています。
- 電話:
0120-3274-20
(日本語対応)
- メール:
RLcounterfeits@ralphlauren.com
(英語)
偽物の購入は法律違反?知っておくべきリスク
偽ブランド品の問題は、単なる「安くて質の悪い商品」というだけではありません。
偽物を製造・販売することは、商標法に違反する明確な犯罪行為です。

私たちが偽物と知りながら購入する行為は、そうした犯罪組織の活動を間接的に支援することにつながってしまいます。
また、知らずに偽物を購入し、フリマアプリなどで転売してしまった場合、たとえ悪意がなくても購入者とのトラブルに発展し、商標権の侵害を問われるリスクもゼロではありません。
ポロ?パープルレーベル?知っておきたい主要ラインと特徴
「ラルフローレン」と一言でいっても、実は様々なラインが存在し、それぞれにコンセプトや価格帯、デザインが異なります。
この知識があると、ブランドへの理解が深まり、偽物かどうかの判断にも役立ちます。
ライン名 |
特徴 |
ロゴの傾向 |
Polo Ralph Lauren |
最も代表的で幅広い層に人気。アメリカン・トラッドの基本。 |
おなじみのポロプレイヤーロゴが中心。 |
RRL (Double RL) |
ヴィンテージ感の強い、ワーク・ミリタリーテイスト。 |
ライン独自のロゴやタグが使用されることが多い。 |
Purple Label |
メンズの最高級ライン。イタリア製の洗練されたラグジュアリーウェア。 |
専用の紫色のタグ。ロゴもより控えめで上品。 |
LAUREN Ralph Lauren |
主にレディース向けのライン。比較的手頃な価格帯で展開。 |
「LRL」を組み合わせたロゴなどが使われる。 |
自分の探しているアイテムがどのラインに属するのかを知っておくと、タグやロゴのデザインが適正なものか判断しやすくなります。

まとめ:確かな鑑定眼で、本物のラルフローレンを賢く手に入れよう
本物のラルフローレンを見分けるには、一つのポイントだけで判断するのではなく、総合的にチェックすることが重要です。
- ロゴ: 輪郭、立体感、裏側の処理
- タグ: フォント、縫製、会社名表記
- ディテール: ボタンの質、裾の長さ、縫製の丁寧さ
今回ご紹介した鑑定眼を武器に、これからは偽物に惑わされることなく、自信を持って買い物を楽しんでください。
確かな知識は、あなたを後悔から守り、本物だけが持つ価値を長く味わうための最高のパートナーとなってくれるはずです。