彩賀の徒然なるままに…

徒然なるままに,種々様々な事を記す控帳(TB&Comenntは表紙1番目の記事をご参照を。)

【妖奇士】説十二 「駁竜(はくりゅう)、月に吠える」

2006-12-24 19:25:00 | アニメーション
今週の『天保異聞 妖奇士』第十二話。

連続モノ(2・3話で一つのエピソード)という括りになっている『妖奇士』ですが,今回,Aパートの冒頭で「前回の粗筋」を珍しくナレーション付きで紹介している所からスタート。

ナレーションを奇しくも”江戸残留組”になってしまった,元閥とアビの二人が代わる代わるに担当しているものの,どことなくぶっきらぼう(というか,半ば投げやりと言った方が正しいのかも)の口調で語っていると思いきや―,

  実は飯屋の軒先での会話に見せたナレーション

という,半ば愚痴交じりの内容で,しかも〆の言葉としてアビが語った内容は―。

  ”今回の出番は以上で終了。これから自棄酒だ。”

という,ホントに愚痴交じりの内容。

おまけに舞台を日光近辺に移った時の往壓の表情が,

  こりゃぁ二人とも,相当怒ってんな…。

という,「トホホ」と言わんばかりの表情だったのには大笑いしてしまいました(微笑)。

さて今回のエピソードは,前回に引き続いて日光道中での妖夷退治の巻・後編なのですが,色々な所でのキャラの見せ場が続出したエピソードでもありました。

一人目は本庄辰輔。

彼が高島秋帆を讒訴したきっかけは,自分自身が変えているコンプレックスからくる物だったことが今回ハッキリしましたが,やっている理由の内容の理解は何となくは出来るとは思うんですよね。

「異国ではどうこう。異界がどうこう。そんなものオレが判るわけがないのに,つべこべ言うんじゃねぇ!」というのが彼の鬱屈した感情になって現れたんですが,だからと言ってやったことへの納得は出来ないでしょう。
やり方がやり方ですから,仕方がないのですが。

割と冷静のように見えた彼の一面が見えた―という事でいいのかもしれません。

二人目は加納政之進。

本庄を付けねらう彼の頑なまでの感情交じりの行動が,結果として彼に死をもたらしたという皮肉な結果になったのですが,そうでもしなければ彼にとっては納得が出来なかったが故に,人から見れば「暴走」に近い行動に移ったのかもしれません。

それが小笠原にとっては,痛恨の出来事の様に思えたのかもしれませんが,そういった意味では彼も「何かに囚われた」のかもしれません。

最後は小笠原放三郎。

蘭学者であったことから,蛮社の獄に罪人として裁かれそうになったものの養父によって九死に一生を得た事から来ることで,様々な中傷を陰で受けていると言ったものがこれまでのエピソードで語られている事ですが,今回はそれに加えて,友人を斬り捨てなければならなかったという,一度は切羽詰った状況に追い込まれたものの,最終的には彼自身の手で「潔白の証」を立てなければならなくなった―という皮肉な結末に,流石の彼も冷静さを維持することが出来ず,往壓には本音を暴露しかけている(それも,彼を「奇士」としてみているが故の証拠でもある)のですが,彼の苦悩は今後も続くのかもしれません。

かれが「奇士」として生き続ける限りは。

さて,今年最後となった『妖奇士』。
次週は『メビウス』と同じ,来年の1月6日からとなるようです。

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