大会直前に引退宣言をするスポーツ選手をたまに見かけるが、仮にオリンピックなどで優勝しても引退したいという気持ちは変わらないだろうか。まだ世界一になる力がある絶頂期に引退したいのだろうか。さらに言うなら、本当に1位を目指し、実際にその可能性が高い実力のある選手が、本番前に引退を口にするだろうか。
大切な大会直前に引退宣言をする選手は、心のどこかですでに負けを自覚していて、やる気がうせているから、最後に自分の気持ちを少しでも奮い立たせるために発言しているように私には見える。その負けの覚悟は、他の選手達や監督にも自然と伝わる。
私は詳しくないのでよくわからないのであるが、パリ五輪では女子バレーや男子バスケットはだめなのだろうか。そういえば、オリンピック出場を目標にしていたような気がする。目標が達成できて、気が抜けたのだろうか。目標設定を低くしておき、長年努力してようやくそれが達成されると、やる気が一気になくなるものである。私も一番行きたい大学を目指し、それが達成された後は一気にやる気がなくなってしまった。そこから向上心を同じレベルまで再び高めることはできなかった。目標を、最初から「〇〇大学に入って世界で注目される論文を3点以上書く」などとしておけばよかった。あきらめずに最後まで全力で取り組む性格の人にとっては、目標はできるだけ高いほうがよい。