見学者があって就労の現場を案内すると「まあうちではこれはやれないわ・・・」という答えが返ってくる。実はすごいノウハウがあるわけではなく淡々と積み上げてきた結果が現在の到達点なのだ。確かに10月1日は最低賃金の改定が発表されてビクビクものだし、ゆっくりの支援とは掛け声ばかりで品質管理や納期に追われイライラの毎日だ。ただ自主製品や自主販売事業から手を引いたところから、地元企業とのコラボレーションの展開へと順調な移行が幸いだった。運がいいと言える。理解を示す企業との出会いが一番であって、理念優先の展開にはおのずと限界が生まれる。現場が疲弊しないように気をつけねばと思う・・・
地域、地方によって障害者雇用の文化のようなものが特色を持っている。企業が社会性をおびたネットワークで結び合っていたり、一定の企業がぶっちぎりの様相であったりいろいろなのだ。必ずしも個々の障害者の一般就労移行の取り組みが先行できない地域もある。この点からしてもチーム就労の有効性を試行していきたいと思っている。チームユニットで就労評価を積み上げていく方法だ。仮称「ユニット就労研究会」を立ち上げたい。どこかこの研究実践のスポンサーはないだろうか・・とにかく「チーム就労」「ユニット就労」「ジョブサポート」「ピアサポート」なんかをキーワードに情報、意見を集約したい。つづく
一ヶ月前京都府庁に障害者の就労を目的とする喫茶コーナーがオープンした。京都新聞に電話でコメントを求められ「最賃に達しない就労条件でオープンして府庁としてかっこが着かない」と話したことが記事になった。それでも400円台の時給を約束しているのだから、取り組みに水を差す意見だとの批判が届きそうだ。しかし、しっかり論議して、複合的な支援が必要なのだ。たしかにオープン初日知事自らが来店してコーヒーとケーキを食って「うまい」とパフォーマンスは用意されたが、これから1年後2年後が大切だ。おそらくこういった注目度は風化する。ここんところが実は就労支援の質なのだ。
もういやになって当方の役員でもある障害当事者に出席を替わった。おおよそ地域のこと障害当事者のことを考えているとは思えない不毛な会議が繰り返されたからだ・・・斬新な存在感を託しての交代劇であるがその鋭さを理解している人は少ない。とりわけ旧態依然の感覚を持った社会福祉法人の存在には失望感すら抱く。困ったものだ・・・