四分八分音符を数え情事忘る
白鍵は誘惑の数黒鍵は裏切り
白き膚を恥ぢてみすみす夏は過ぐ
愚かさも雲の隣に秋の風
十四夜の月に隠るる共犯者
力に服す悦びひしと神無月
夏過ぎて汗まだ苦き舞ひの連れ
吾亦紅虚構の愛に墓碑もなし
秋晴れや総身に我が血を浴びて死ね
狼藉の夜一夜明けて今朝の秋
秋夜長架空の死をば共に死に