ワナママの愛情日記

ワナママの日常&愛犬ワナカの事などを
勝手気ままに綴ります

「あるある大辞典」に思う事・・・

2007年01月29日 00時04分52秒 | ぷ~のきまぐれダイアリー
最近、少しはニュースで叩かれる回数も少なくなった「あるある大辞典」
ぷ~も、今回の事件を起こした側と全く同じポジションで仕事をしているので、思うこともありました。

まず、こんな話は十分にあり得る事です。

この事件を起こしてしまった末端の制作会社(孫請け)は、ぷ~も知っている会社です。
「やっちゃったのね・・・」って感じです。
いえ、軽く思ってるんじゃなくて、ホント、あり得る話なので・・・。

でも、番組を作る上で、ましてや情報番組を作る上で、ねつ造はダメです。
何があっても、事実と違う事を放送したり、自分で作ってしまった事を放送したり・・・。
こんな事は、あってはならない事です。
制作者としては常識で、大原則で、モラルで、当たり前の事です。

・・・という大前提を踏まえた上で、ぷ~の思う事を書きます。

「わかる部分もあるのよ~」

これが正直な所です。

番組制作は、皆さんが思うよりもすごく手間がかかって、すごく沢山の人の手がかかっていて、沢山の下調べが必要で、でも、時間だけが全くないのです。

今回の「あるある」は、関西テレビの下請けの会社の下に9つの会社が入っていたと聞きました。
毎週1回の放送です。
9社で分担して番組を作っていると言うことは、約2カ月に1本番組を作ることになります。

皆さんも「あるある」を見ておわかりだと思いますが、外国での取材とか、何日もかけた実験とか、かなりあの番組は手間がかかってるんです。
計算上では、2カ月かけて1本の番組を作ると言うことは、そんなに時間がない事ではありません。
しかし、丸々2カ月その番組に費やしていられる訳じゃありません。

まず、担当する回は何のネタで行こうか?
ネタ会議というのが開催されます。
そこで「納豆がダイエットに効果があるらしいから納豆にしよう!」とか「にがりで痩せられるらしいからにがりで行こう!」とか、枠組みだけが決まります。

さて、そこから・・・。
なぜ、納豆はダイエットにいいのか?
それを徹底的に調べます。
調べた上で、取材出来る先生や専門家を見つけます。
と、同時に、あの番組は実験をしてその結果を出さないといけないので、実験方法を探ります。
実験方法が確立出来たら、被験者を集めて、実験を開始します。

その実験も、成功するとは限りません。
思わぬ結果に終わって、番組で「使えないよ~」って事も起こるでしょう。

専門家の先生で、テレビ出てコメントを言ってくれる人もなかなか見つからないかもしれません。

番組の後半に登場する、家庭でできる体操とか、家庭で出来る納豆の食べ方とか・・・。
具体的な「家庭でできる」も考えないといけません。
これも、スタッフがでっち上げたらいいモンでもなく、専門家と相談の上、決めないといけません。

そんなこんなで、時間はどんどん経っていきます。

さて、ここで・・・。

納豆のネタをしよう!
と作業を進めて3週間。
「あれ?納豆ってダイエットの効果出ないよ~」となった場合・・・。
そう!今回のような事ですよね。

番組放送まで、あと1カ月と1週間しかない。
「どうしよう・・・」
納豆で効果が出ないなら、本来ならこの時点でこのネタは捨てなければいけないのです。
そして、また振り出しに戻って、新しいネタを考えないといけないのです。

しかし、今から新しいネタに変えて、1カ月と1週間しかない。
2カ月でも時間がないのに、もう1カ月と1週間・・・ネタを変えるのは無理や・・・。

どうしよう・・・。

仕方ない、納豆を押し切るしかない!!

・・・結果が出ない・・・どうしよう。

仕方ない、事実を曲げるしかない。
それも、テレビを見ている「素人」にわからない範囲で・・・。

かくして「あるある大辞典・納豆ダイエット」の放送が行われた訳です。
(あくまで推測であり、一般の番組制作としてのお話です)

多分、今回の当事者も最初からいい加減な気持ちで「データなんて適当にねつ造したらいいねん」なんて思っていなかったと思います。
そんないい加減な気持ちで、番組を作っている人はいないと信じたいです。
きっと、どうしようもなかったんだと思います。
時間のなさと上がってくる芳しくないデータと、でもそこで「や~めた」って言えない状況。

きっと、どうしようもなくなって「ねつ造」に走ってしまったんだと思います。


事実、ぷ~たちも番組を作る上で、時間的に追いつめられる事は確かにあります。
「うわ~どうするねん!」って事があります。
でも、だからと言って「嘘ついちゃえ!」って考えはしません・・・出来ません。
「あるある」の事件が起こったから、具体的に「嘘ついちゃえ!」をすると、世間的にどうなるか目に見えてわかりました。
でも、今まででも「嘘」を放送すると、ドえらい事になりかねない・・・とはわかっていました。
だから、しないのです。
してはいけないと思っているのです。

でも、きっと「あるある」のスタッフはかなり追いつめられたんでしょうね。
いや、毎回のように追いつめられていたと思います。
長寿人気番組の宿命で、始まった当初はちっぽけなネタでも、視聴者は珍しがって見てくれましたが、どんどんネタのハードルが高くなって行くんですよね。
どんどん視聴者は、新しいそして珍しい情報を期待する。でも、そうそう驚くようなネタはない。
でも、番組が続く以上、何か新しい驚くようなネタで番組を作らないといけない。
そりゃ、大変でしょ~~~。お察ししますわ。

最初は、ちょっとだけデータの数値を操作したりしてたんでしょうね。
それが、わからないモンだから「これくらいならいいか・・・」「ここまでならわからないか・・・」って、これまた世羽化レートしてきたのかもしれません。

最近仕事でご一緒した、料理研究家の方が言ってました。
「あるあるって、見る人が見たらあんなに操作している番組ってないよ。ある日、こんな栄養素の野菜がカラダにいいです!って出ていたのに、野菜の中でも一番その栄養素が含まれている野菜が出てなかったもん。」
きっと、一番栄養素が含まれている野菜は、テレビ的に驚くような野菜じゃなかったんでしょうね。
だから、わざとその野菜は省いて、他の珍しい野菜を「これだ!」とした。
これって、栄養学に詳しくない人にはわからないですよね。

そんなこんなで「あるある」のスタッフには同情する所もありますが、でも、やっぱり制作者としてやってはいけないことをやった点では、しっかりと反省していただきたいと思いました。
あなたがたがこんな事をすると、視聴者は番組を作っている人は全て、こんなことをしている・・・と思ってしまいます。
一生懸命、困難に立ち向かいながら、何日も徹夜をしながら、正直に番組を作っている人が大半なんです。

一部の報道では、視聴者が番組を鵜呑みにしないように・・・って言ってる人もいます。
そりゃ、そうですけど、制作者としては、視聴者の方に少しでも有効な情報をお届けしたいと思って作ってるんです。
それを鵜呑みにしないと言って「嘘やろ~」見たいな目で最初から番組を見られては、作り甲斐がないです。

「あるある」がきっかけとなって、制作者の気持ちも少しは引き締まったと思います。
だから、視聴者の皆さんも、情報番組を「情報」として見てください。
鵜呑みにしないのも大切でしょうけど・・・(^^;)

何かめちゃ長いダイアリーになりました。
少しでも、わかっていただけたでしょうか???
これは、一個人の意見です。
多分、ぷ~と同業者の方も、別のご意見があるとは思います。
ここで、議論するつもりはないので、反論があっても・・・そっとしておいてね・・・(^^;)



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