ある日ちいさなおんなのことライオンは砂漠にいました
なぜって?
おかあさんの木が枯れてしまいそうだったから命の泉を探して砂漠の向こうの山をめざしていたからです
緑溢れるオアシスを後にしてからもう一週間、ひとりといっぴきは長い間何も口にしていません
昼間は灼熱、夜の帳が落ちると凍えるほどの冷気が地を満たします。
太陽の照りつける日中、ライオンさんはちいさなおんなのこをその影に歩かせ、凍る夜はその暖かなたてがみに包み眠りました
一週間と三日経たある夜、ちいさなおんなのこは決めました。
そして、こう言いました
「わたしを食べてあなたはあの山に辿り着いて」
『友達』か『ごちそう』か
さあ、あなたはライオンさんがどちらを選んだかわかりますか?