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雲丹

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ちいさなおんなのこのはなし 8

2005-04-16 23:34:51 | こばなし
ちいさなおんなのこは、そう言った後、泣いて、泣いて、たくさん泣いて
疲れて眠ってしまいました。

そしてまぶしい太陽の光と水の音に目を覚ましました。
そう、ちいさなおんなのこのたったひとりの『友達』は最期に『友達』でいることを選んだのです。
『ごちそう』ではなく。

ライオンさんは夜の間中ずっとずっとちいさなおんなのこを背に乗せ砂漠を走って
そして目指す山の麓のちいさなちいさな泉の近くにおんなのこをそっと寝かせて

そして

たったひとりで、旅立ったのです。

ちいさなおんなのこのはなし 7

2005-04-16 23:32:27 | こばなし
ある日ちいさなおんなのことライオンは砂漠にいました

なぜって?
おかあさんの木が枯れてしまいそうだったから命の泉を探して砂漠の向こうの山をめざしていたからです

緑溢れるオアシスを後にしてからもう一週間、ひとりといっぴきは長い間何も口にしていません

昼間は灼熱、夜の帳が落ちると凍えるほどの冷気が地を満たします。
太陽の照りつける日中、ライオンさんはちいさなおんなのこをその影に歩かせ、凍る夜はその暖かなたてがみに包み眠りました

一週間と三日経たある夜、ちいさなおんなのこは決めました。

そして、こう言いました
「わたしを食べてあなたはあの山に辿り着いて」

『友達』か『ごちそう』か

さあ、あなたはライオンさんがどちらを選んだかわかりますか?

ちいさなおんなのこのはなし 6

2004-11-12 05:20:36 | こばなし
ちいさなおんなのこのはなし 6

ちいさなおんなのこは草原のお友達にライオンさんを紹介しました。
ぞうさんやきりんさんやとりさん
みんな最初は驚いたり恐がっていましたが、ライオンさんが本当は優しいことがわかると、いろいろな話を聴こうとライオンさんの周りに集まってきました。
ライオンさんはいろいろな話をしてくれました。
それはちいさなおんなのこも聴いたことのない遠い異国に旅した話や、恐ろしいハンターにおいかけられて必死で逃げ切った話や、大きな塩辛い湖の話でした。

みんなは初めて聴いた話と初めて近くで見るライオンさんに夢中でした。

おんなのこはライオンさんの楽しそうな顔を見て、幸せでした。
だってライオンさんは本当はとても寂しがりなのに、みんなが恐がってライオンさんに近づこうとしないから、ライオンさんはいつも寂しかったのを知っていたからです。


ちいさなおんなのこのはなし 5-2

2004-09-27 15:30:43 | こばなし

小さな湖に寄って、きれいなお水をくんでゆきました。
パパの木とママの木へのおみやげです。

お水をあげるとパパの木とママの木はとてもうれしそうに
大きな広い葉っぱと柔らかな緑色の葉っぱを風に揺らしました。
ちいさなおんなのことライオンは、ママの木から甘い実をもらっておうちに帰りました。

ちいさなおんなのこのはなし 5-1

2004-09-16 09:38:56 | こばなし
ちいさなおんなのこのはなし 5

ある晴れた日、ちいさなおんなのことライオンは散歩に出かけました。
パパの木とママの木に行く途中

 -パパの木とママの木って?
  おんなのこはパパとママの顔を知りません
  おんなのこが知っている一番古い記憶はパパの木とママの木なのです。

  パパの木は太い幹と広い葉っぱを持つ大きな大きな木です。
  ママの木は幹は細いけれど柔らかな緑色の葉っぱで、甘い実を結ぶ木です。

そう、そのパパの木とママの木に行く途中、
ちいさなおんなのことライオンは

ちいさなおんなのこのはなし 4

2004-09-07 22:11:22 | こばなし
ある日、ちいさなおんなのこのは勇気を出してライオンさんに聞いてみました
「ライオンさんはわたしを友達だと思ってる?あなたは、いつかお腹をすかせたときにわたしを食べてしまうんじゃないかと不安なの。」

そうするとライオンはこう答えました

「おなかをすかせたときにきみを食べてしまうなんて、絶対にしないよ!きみはぼくの大切な大切な『友達』なんだから!」

「きみを食べるつもりならぼくは最初からきみと話なんかしなかっただろうし、『友達』にならなかっただろう」

おんなのこはとても安心したのと同時に『友達』を疑ってしまった自分がとても恥ずかしくなりました
そしてただ強くライオンさんを抱き締めました

そしてライオンさんが強く大きくなって他の動物達に恐れられ、友達が誰一人いなくなっても、ずっと友達でいようと心に決めました。


ちいさなおんなのこのはなし 3

2004-09-03 11:07:40 | こばなし
季節は初秋、満月の夜

ちいさなおんなのこのはある疑問を持ちました
「わたしはライオンさんを友達だと思っているけど、ライオンさんにとってわたしは友達なのかしら?」

考えてみてください

ライオンは今はちいさな子供です、しかしいつかは大人のライオンになります
そのとき、ライオンはちいさなおんなのこを食べてしまうかもしれません

ライオンにとって、ちいさなおんなのこは『友達』なのでしょうか?
それとも『ごちそう』なのでしょうか?


ちいさなおんなのこのはなし 2

2004-08-24 23:23:12 | こばなし
ちいさなおんなのこのはなし 2

ある日わるい大人たちがやってきて『友達』を街に連れていこうとしました
わるい大人たちは『友達』をサーカスに売ろうと企んでいたのです
おんなのこはそれに気が付き、一生懸命戦いました。
考えられる全てのいたずらでわるい大人たちを追い払いました

『友達』を失わないように。

そう、いつのまにか『友達』はおんなのこにとって
お父さんよりもお母さんよりも
大切な『友達』になっていたのです
(もっともおんなのこは自分のお父さんの顔もお母さんの顔も知りませんが、、、)

おんなのこは『友達』のためならとても強くそして優しくなれることに気が付きました


ちいさなおんなのこのはなし

2004-08-24 22:57:00 | こばなし
ちいさなおんなのこのはなし 1

おんなのこは広い野原の真ん中にぽつんと佇んでいました

おんなのこはずっとなにかを探していました。
なにを探していたのかって?
なにを探していたのかも忘れてしまうくらいずっと何かを探して歩いていたんです。

それは
きっとどこかにいるパパとママ、家族を探していたのだと思います。

初夏の頃ある晴れた日、おんなのこは初めて『友達』を見つけました

その『友達』は小さなライオンでした
『友達』はおんなのが灼熱の太陽で焼けつかぬよう、厳しい寒さに凍えぬよう、守ってくれます。

おんなのこは初めは警戒していましたが、だんだん『友達』の優しさに気が付き始めました。