夏休みなのに県庁所在地へ向かおうと電車に乗る。
なぜなら、デパートで古本市がひらかれているからだ。
すると電車がこみこみ。
もともと夏休み&お天気=お出かけという条件に加え、
謎の不調で電車が4分遅れで到着したこともあり、すごい混みよう。
今までのMYワーストこみこみ列車は東横渋谷-日吉間の終電だった
のだが、それにせまる混みようであった。
こんでるくらいならガマン出来るのだが、横に来た男がよくない。
いわゆるオヤジ。おっさんだ。 「なんでだぁ」「なんでこんでんだぁ」などと
数分おきにつぶやくオヤジ。 オヤジに連れはいない。全くの独り言だ。
オヤジの周りは暑さ倍増である。
車内放送では「車内の中程までおすすみくださぁい♪」などと言うが、
もうこれ以上、物理的に進めねぇー。限界こみこみなんである。
なのに扇風機が止まっており、
「~~(よく聞こえん)のボタンを押していただくと、扇風機が作動いたしまぁす♪」
などと車内放送は言うが、
だ か ら こんでて 動けないんだって
まさに抜き差しならないってやつでございますわよアナタ。
ボタンなんか見えないし探せないし押せないっつうの。
こんでるのはしょーがない。問題は背後のオヤジ。
そのオヤジは、自立するということをしない。
電車が揺れるにまかせて、体重を吹けば飛ぶようなかよあい女の
アタクシにぐぐっとかけてくるのである。
やーめーろーって!おまいはテメェで立てねーのかっ!おーもーい!!
そしてオヤジのケツが私に何度となく押しつけられる。
扇風機の作動しないギュウギュウ詰めの車内で、
汗をかいて湿ってきたオヤジのおけつがぐいぐいと… 悪夢だ。 拷問だ。
トラブル発生ー!本場っぽく言うとタラブルーとかタラボーかなーなどと
幽体離脱しかける私。
その間も「ボタンって…どこぉ?」などとひとりごちるオヤジ。 無視する周囲。
オヤジの前に位置するヤングな女性がチャレンジャーでこの混雑の中、
文庫本を読み始める。もちろん本を開けるだけのスペースなど無いから、
文庫本を二つ折りにするようにたわめて読んでいる。
そこまでして読みたいほど面白い本なのか。タイトルがちょっと気になる。
ふと静かになったオヤジを見ると… いきなりヒゲが生えている???!
本に集中するあまり下向きになった女性の、ポニーテールにした
ウェーブヘアが、必然的に上向きになることにより、
オヤジのアゴの下にジャストフィットしていたのだ。
そしてしたたりおちるオヤジの汗が、女性の髪の毛に
しみこむ、しみこむ、しみこむ… 嗚呼やなもん見ちまった…。
しょーがないのはわかる。だが、やるせない。
人間存在のむなしさをこの擬似ヒゲから感じる。
県庁所在地に到着すると、人々はどどっと降りていった。
はじきとばされながら私も降りた。古本市へと向かうのだ…(つづく)
なぜなら、デパートで古本市がひらかれているからだ。
すると電車がこみこみ。
もともと夏休み&お天気=お出かけという条件に加え、
謎の不調で電車が4分遅れで到着したこともあり、すごい混みよう。
今までのMYワーストこみこみ列車は東横渋谷-日吉間の終電だった
のだが、それにせまる混みようであった。
こんでるくらいならガマン出来るのだが、横に来た男がよくない。
いわゆるオヤジ。おっさんだ。 「なんでだぁ」「なんでこんでんだぁ」などと
数分おきにつぶやくオヤジ。 オヤジに連れはいない。全くの独り言だ。
オヤジの周りは暑さ倍増である。
車内放送では「車内の中程までおすすみくださぁい♪」などと言うが、
もうこれ以上、物理的に進めねぇー。限界こみこみなんである。
なのに扇風機が止まっており、
「~~(よく聞こえん)のボタンを押していただくと、扇風機が作動いたしまぁす♪」
などと車内放送は言うが、
だ か ら こんでて 動けないんだって
まさに抜き差しならないってやつでございますわよアナタ。
ボタンなんか見えないし探せないし押せないっつうの。
こんでるのはしょーがない。問題は背後のオヤジ。
そのオヤジは、自立するということをしない。
電車が揺れるにまかせて、体重を吹けば飛ぶようなかよあい女の
アタクシにぐぐっとかけてくるのである。
やーめーろーって!おまいはテメェで立てねーのかっ!おーもーい!!
そしてオヤジのケツが私に何度となく押しつけられる。
扇風機の作動しないギュウギュウ詰めの車内で、
汗をかいて湿ってきたオヤジのおけつがぐいぐいと… 悪夢だ。 拷問だ。
トラブル発生ー!本場っぽく言うとタラブルーとかタラボーかなーなどと
幽体離脱しかける私。
その間も「ボタンって…どこぉ?」などとひとりごちるオヤジ。 無視する周囲。
オヤジの前に位置するヤングな女性がチャレンジャーでこの混雑の中、
文庫本を読み始める。もちろん本を開けるだけのスペースなど無いから、
文庫本を二つ折りにするようにたわめて読んでいる。
そこまでして読みたいほど面白い本なのか。タイトルがちょっと気になる。
ふと静かになったオヤジを見ると… いきなりヒゲが生えている???!
本に集中するあまり下向きになった女性の、ポニーテールにした
ウェーブヘアが、必然的に上向きになることにより、
オヤジのアゴの下にジャストフィットしていたのだ。
そしてしたたりおちるオヤジの汗が、女性の髪の毛に
しみこむ、しみこむ、しみこむ… 嗚呼やなもん見ちまった…。
しょーがないのはわかる。だが、やるせない。
人間存在のむなしさをこの擬似ヒゲから感じる。
県庁所在地に到着すると、人々はどどっと降りていった。
はじきとばされながら私も降りた。古本市へと向かうのだ…(つづく)