さらにハイライトとして置かれる白色と隣り合う濃黄色がサン・マルコ寺院を眩いばかりに輝かせ、それは色彩の洪水となって画面全体へと溢れるかのようである。

そして画面中央から下部へと配されるサン・マルコ広場に落ちる影は陽光に照らされるサン・マルコ寺院と対比するかのように青い色彩が用いられており、この補色的な色彩の対比は晴天の空模様と共に特筆に値する美しさを醸し出している。
また寺院自体の形状描写はやや写実性を感じさせるものの、豊かで非現実的な色彩と軽やかで速筆的な筆触によって非常に現代的な感性を見出すことができるなど、本作には筆触分割を用いる印象主義的表現に疑問を抱いていた当時のルノワールの模索と探求が示されている。

そして画面中央から下部へと配されるサン・マルコ広場に落ちる影は陽光に照らされるサン・マルコ寺院と対比するかのように青い色彩が用いられており、この補色的な色彩の対比は晴天の空模様と共に特筆に値する美しさを醸し出している。
また寺院自体の形状描写はやや写実性を感じさせるものの、豊かで非現実的な色彩と軽やかで速筆的な筆触によって非常に現代的な感性を見出すことができるなど、本作には筆触分割を用いる印象主義的表現に疑問を抱いていた当時のルノワールの模索と探求が示されている。