☆つる姫の星の燈火☆

つる姫的18切符の旅2014春編最終章

毎度おなじみつる姫のずっこけ一人旅です。

いやはや・・まったく・・・

めちゃくちゃ長いですから、覚悟してどうぞ。

 

今回目指したのは茨城県の袋田の滝。

理由は先週房総で出会ったルカさんから、そこに行った時の不思議なご縁の話を聞いたから。

その時にスマホの画面で見せていただいた滝が素晴らしくて、この春の締めくくりはそこしかないと思ったんです。

 

当日は朝4時半に目覚ましをかけていましたが

知らぬ間にマナーモードになっていて、何となく目覚めるともう5時!

やべっ!と思いましたが洗濯はしなくてよかったので余裕で支度をして

ロッキーのお世話をして6時過ぎに家を出ました。

上野から常磐線で水戸まで行き、そこから水郡線(すいぐんせん、水戸~郡山)で袋田駅。

家を出てから4時間半です。

 

道中の電車の中にスマホもいじらず、車窓の風景を一生懸命見ている男の子がいました。

その子がいきなり立って外の写真を撮っているのを見て、私もその方を見ると

あらら、これはバス停の看板というかあれですあれ。

その男の子は、顔的には中学生くらいに見えますが、この時期に旅をしているという事は

大学生なのかも。

いずれにしても、将来の楽しみな若者です 謎

 

車窓には真っ青な春の空と、笑い始めた山。

山が笑う、、という言葉は故郷の母が口にしていた素晴らしい言葉です。

 

満開の桜の景色に農作業の人々。素敵な日本の春の風景です。

袋田駅で、あの若者も下車。

袋田の滝に向かうんでしょうね。

私は帰りの電車の時刻をチェックしました。

今の時刻は10時35分位。

袋田の滝まで歩くと30分から45分くらいかかるとネットで調べていました。

その位の距離は私にはまったく問題なし。

行って帰って12時44分の電車で帰るつもりでした。

ただ、何故かこの日は方向感覚に全く自信がなく、駅の窓口にいたおばさんに(駅員さんじゃないんです)

滝への行き方を尋ねました。

そこを右に行って踏切を渡ると国道に出るからそこを右、そしたら標識があるから

脇道に入らなければ大丈夫、と言われ

私は国道を右!国道を右!と頭に叩き込んで歩きはじめました。

電車が着く時間に合わせたバスの便は誰も乗せないで出発。

水郡線に乗った時には、時間があまりないのでバスで行こうかと思っていたのですが

天気も良いし歩くのは嫌いじゃないからあるくべ~~と

歩きはじめます。

ふむふむ。

踏切りを渡ったぞ♪

そうそう、あっちが袋田の滝。 ♪♪

久慈川なんだ。東北の方にも久慈ってところがあるね。などと鼻歌交じり。

うんうん、30分ほどで袋田の滝 ♪♪♪♪

おばちゃんの言った通り国道に出ました。

迷いもせずに右へ右へ。

ああ………………この川の流れはどこへ・・ この時に気づくべきだった。

 

うんうん、安全第一だべさ。

割と交通量の多い国道を、私は言われたようにまっすぐ歩き続けます。

時計を見ると時間的にはそろそろ滝の入口らしい看板が見えてもよい頃。。。。

 

 

 

しか~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~し !!!

 

行けども行けども気配がない。

間違えるような道はなかったはず。

しかしおかしい。

絶対変だ、と思ってふと川の流れをみました。

 

 

どひゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ。

川は私の向かう方に流れているのだ。

そう、明らかに私は下流に向かっておる。。。

どこかに誰かいないかしら・・・。引き返すより前に進む私。

すると、車の中古車屋さんをしている民家がありました。

藁をもつかむ思いで、家の中に向かって「すいません」と声をかけますが

返事がない。

表の方に回ると、開けっ放しの玄関の所に

幼稚園児くらいの可愛らしい男の子が二人座っています。

「おうちの人いる?」と聞くと

「お勝手に婆ちゃんがいる」と言います。

「・・す、すいません」とお勝手の方に声をかけようとすると

おじいちゃんがどこからか戻ってきました。

「おおおっ!びっくりしたぁ!」いきなり玄関先に立っているサングラス姿の私を見て

おじいちゃんがびっくりして声をあげました。そりゃそうだ。

訳を話して、もっていた地図を見せて袋田の滝の場所を聞くと

なんとまあ、全く違う方向へ歩いていたことが判明。

その時点で、私は駅から一時間歩いていたのです。

どこで間違えたのか全く分かりません。

「がんばってね~」

おじいちゃんにかる~~く励まされ、私は今来た道を引き返します。

 

クマの出るような道でもない、天気も上々。

でもなぜかこの日は本当にマジで泣きそうでした。

自分はボケてきたのかしら、方向感覚的な脳が欠落して来たのかしら・・。

そんなことまで考え始めてしまい、マイナスな思考に押しつぶされそうです。

いつもと違うスニーカーは靴の底が薄くて、足の裏が痛いし

ふくらはぎがすでにパンパン。

日差しは強く、汗も出てきます。

右に行けは大丈夫と言ったおばちゃんを恨んでしまったり

私も焼きが回ったもんだ!と開き直ったり

いや、人生に無駄なし。迷い道を楽しもうと無理に前向きになったり。

 

すると、川の向こうの線路を水郡線が走ってきました。

おおっ!これはここを歩いていなければ見れない風景だっ!

カメラを向ける私に、電車が汽笛だか警笛を二度ほど鳴らしてくれました。

そう、私のために鳴らしてくれたのだと思うようにしてみました。アハハ・・・・

 

ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン・・

 

ああ…・電車もいってしまわれた。

本当なら今頃袋田の滝を見ている頃だ。。

時刻は11時45分。

自分が信じられず来る途中にあったお土産物屋さんで再び道を確認。

親切なこんにゃく屋さんでした。こんにゃく関所?とかいうところですよ。

ほぼ振り出しに戻る形で、まだまだ引き返す私。

お蔭さんで、ゴイサギ君に会えたよ。ありがとうね。

さんざ引き返して、来る時には見えなかった看板を目にする私。

裏側にも書いとけよ 怒

たったの二キロたったの二キロ!!後ろ向きにでも歩けるさ!

すでに10キロ近く歩いている計算です。

のどかな風景、桜は満開じゃ。すばらしい。トホホ。。

ああ袋田の滝は遠い。

でも、これにはきっと何かの意味がある。

思い込ませて歩を進めるわたし。

 

ふくろだのたき・・

 

ふふふ・・・袋田の滝まであと1.7キロ。

 

もう道を間違える事はない。

道端に食べ物屋さんも並び始めた。

歩いている道を挟んだお蕎麦屋さんの前におじさんが立っていて

「どうですか、休んでいきませんか?」

と声をかけてくださったので

「帰りに寄らせていただきますね!」

と元気よく大声で答えた私。

時は12時過ぎ。

「あとどのくらい歩くようですかね~~」

と努めて明るく尋ねると

「さあて、後20分かな」

むむっ・・・看板に偽りありじゃ。

 

案山子大会準グランプリですって。

楽しいわ♪

これが優勝ですって。

まさにアートですな。。。

 

まだかなまだかな。

そして12時20分過ぎ。やっと滝にたどり着く。

入場券を買って

展望台につながるトンネルに入ると、気温が一気に下がりました。

内部には季節柄鯉のぼり。

そしてイルミもちらほら。

そして・・・・・・・・・・・・・・・

 

おおおおおおおっ!と誰もいないのをいいことに感嘆の声を上げる私。

瀑布スランプつるひめちゃん んちゃっ ♪  そうかスランプか、スランプの後が楽しみじゃ。

いいくにつくろうかまくらばくふ 爆

バカな事言ってると、ふくろだたきにあうよって。

 

滝がクリステル  謎

マイナスイオンを浴びながら、私は次の電車の時間と

先ほどのお蕎麦屋さんの事を考えていました。

そらそうです。朝はおにぎり一個。

多分10キロは歩いて、お腹もペコペコです。

電車は1時55分、時すでに12時40分過ぎ。

そろそろお蕎麦屋さんに行かないと、食べる時間が無くなる!

それでもせっかくの滝です。

つり橋を渡り

 

 

 

岩肌に沿って流れる滑らかな白い水。

この水の流れを絵にしてみたい。

 

滞在20分ほどでマイナス思考から脱出。

マイナスイオンの恩恵ですね♪

一目散にお蕎麦屋さんに向かいました。

とはいえ、写真も撮りつつ。

 

 

 

う~ん食べたいけど、さっきのおじさんとの約束があるの。

 

袋田の滝で ビールとおそばビールとおそば~~~っ  笑 

あの店には生ビールはないと踏んでいましたから。  爆

 

時は13時前。

「帰る時に寄らせてもらうと言ったから寄りました!」

と言いお店に入ると、先ほど店の中から顔を出して

「帰る時に寄ってくださいね」と言っていたおばあちゃんが

びっくりしたような顔をして私を見ました。

何故びっくりしたのかはわかりません。

「さあどこでも座りなさい」と席を勧めてくれました。

誰もいないのかと思っていたら、お店の中には8人ほどのお客さんが

静かにお食事を食べています。

 

さっきまで泣きそうになって歩いていた私は

人恋しくなってあたりかまわずしゃべりだしました。

「道に迷って2時間も歩いてやっと滝を見てきたんですぅ」

「もう汗だくで、すいません」 上着を脱ぐ。

「ええっと…ざるそばと・・ビール!」 ガハハ。

先にビールと言いたかったのをがまんして。

高倉健さんの映画を思い出す。

カツどんとラーメンとビール。

出所かっ。

 

呼び込みをしていたおじちゃんが、ビールを持ってきました。

思いがけず大瓶です ♪

昔ながらの食堂の懐かしい小さなコップにビールをついで飲む。

あああ~~~うまいっ♪ 心の叫び。

生きててよかった。

 

「あんたいい飲みっぷりだねえ」とおばあちゃん。

「どこで間違ったか一時間も先まで歩いちゃって~」

まだしゃべる私。

一人でバタバタ入ってきて、ビールを飲む私。

周りのお客さんの視線を感じますが、全くと言っていいほど気になりません。

この辺、多分車で来る人が多いから飲みたくても飲めないのでしょう。

 

「いいじゃないの、若いんだし。私なんて76だよ」とおばあちゃん。

「嘘!若いですね!」  本当に若く見えました。    おたがいか?

私は一体いくつに見えているんだろう。

久々の発泡酒じゃないビール。

「私も結構のむのよ、お酒」って言うから

「おばちゃんコップ持ってきて、一杯どう?」などと私。

スナックか!

「あたしゃ焼酎だからいいよ」とおばあちゃん。

カッコイイ!

 

しかし、ようく見ていると、どうもおばあちゃん

席に座ってコップで焼酎らしきものを飲んでいる ?

あら?仕事中に昼間から・・ ま、昼間からはお互い様だが。

それにしても何だか変だな。

駅まで歩いてどのくらいかかるか聞くと、25分は見た方がいいと言います。

そらそうです。

袋田の滝は駅から45分くらいかかるって書いてあったから

この店からでも20分はかかるはずです。

遅くとも一時半には飲んで食べて店を出なければ、と思ってました。

おそばがなかなか来ないので、追加でさしみこんにゃくを。

 

おそばを急いで食べて、ビールも残さないで飲んで

さて・・・もう時間がありません。

お会計をお願いすると、おばあちゃんの正体判明。

 

実はおばあちゃんはこの店の昔からのお客さんだったのです。

長い間通ってて、そのうち勝手にお手伝いをするようになったみたい。

すいませんごめんなさい、お店の人だと思ってたあ。

というと、本物のお店のおばちゃんが大笑い。

 

電車の時間に間に合うかとても心配してくれたので

「大丈夫、走るから!」というと

なんと、おばあちゃんが呼び込みに立っていたおじちゃんに

駅まで送って行ってあげて、と言ったんです。

私はそんな気は毛頭ないし、仕事中だしとしっかり断ったんですが

結局、おじちゃんが送っていくべと言ってくれて。

恐縮する私におばあちゃんは

「気にしなくていいよ、あんたじゃなくて「私が」たのんだんだから」と言ってくれました。

 

お店の滞在時間30分弱。

その間に喋りまくって飲んで食べておばあちゃんと仲良くなって

写真を撮らせてもらって、おじちゃんに駅まで送ってもらった。

最後に名前を聞いた、れい子ばあちゃんとお店のみっちゃん。

お店の宣伝になるから公開します。

たまに芸能人も来るって言ってたし、すぐにオッケーしてくれたから大丈夫でしょう。

まさしさん、ありがとうございます。

駅までの数分少しのおしゃべりをしましたが、あったかい良い方でした。

お店の名前は「食堂ゆばたそば店」です。

もし袋田に行ったら絶対にここのおそば食べてね!

 

道に迷ってなければ、こんなに素敵な出来事はなかった。

先週の房総での出会いが、袋田に導いてくれて

わずか30分のご縁でしたが

人間って素晴らしいな、と心から思える経験でした。

それは私の意識や行動が変わったからだと思います。

人目を気にしないで、心に正直に行動した。

それは、私がおばさんになったからかもしれません。

そう言われればそうでしょう。

 

後日また記事にするつもりですが、ここに至るまでの電車の中でも

沢山の気づきがあったのです。本当に沢山の。

いつもはふと思って忘れてしまうので、電車の中で全部メモしました。

 

2014年春の18切符の旅は素晴らしかった。

無駄にしてきたと思っていた沢山の時間を一気に取り戻せた気がします。

人生はなんてすばらしいんだろうと、心から思えて涙が出ます。

 

長い記事に最後までお付き合いくださりありがとうございます。

世の中には嫌な事も沢山あり、目をそらしてはいけないと思いますが

テレビでは取り上げられない世界には素敵な出来事が山ほどある。

それを見たり感じたりするのは、テレビやネットではないという事を

大きな声で伝えたい。

ありがとう

 

感謝をこめて つる姫

 

急いで書いたので変な所があってもお許しを!


私の好きなものは笑顔。笑顔は世界を救うと信じるつる姫のブログです。

コメント一覧

つる姫
ブラボーさん
いえいえ火曜日の事です。
こういう疲れは翌日に持ち越しません。
次の日は絵画教室でした!

はい、私ブラボーさんを背負って歩きます 爆
ブラボー
あらま~疲れてなかった?
私と会う前の日の事?
これ読んでビックリしたわ
これじゃ太る暇ないわね。私はあれくらいでも坂はダメ~
ゴメンね、元気な内に一杯歩こうね~。。貴女だけね
つる姫
テバネさん
少なくとも後20年は大丈夫だと思うよ。
あなたの方が心配かも

テバネ
はなく行かないと・・・・ばあちゃんいなくなる・・・・・

と書こうとおもったけど、敢えて書かなかったのに(激汗)
つる姫
テバネさん
はい、右にまっすぐという先入観ですね。汗
支店長さん、すいませんでした。笑

向かって右がれい子ちゃんで左がお店の
みっちゃんです。
観光地だから色んな人と出会ってる人たちだと思う。
写真を撮らせてって言っても全く躊躇がなかったからね。
是非よって、れい子ちゃんと話をしてみてください。
なるべく早くね。76歳だしね。

はい、日常の気付きをメモ。
よい事だと思います。
買い物のメモはメモした紙を忘れるのが
ショッチュウですけどね 大汗
つる姫
天道虫さん
読んでくださってありがとうございます。
袋田の滝は行かれましたか?

これだから一人旅はやめられません。
それにしてもかつて自慢だった私の
方向感覚はいずこ。。

でもお蔭でこんな素敵な出会いもあったんですね。
テバネ
長~
袋田の滝に行くのも長くかかったらいしけど
読み終わるのも・・・・時間掛かるわ(汗)
途中で銀行の支店長来たから・・・読み終わるまで
待ってもらいました(爆)

袋田入り口の信号の標識を見落としたんだね(汗)
ご苦労さんでした(爆)

しかし・・・連続で良い旅してるね~

元女の子・・・左がレイコちゃんで右かみっちゃんか?
是非寄って迷子おばさんの事情聴取するかな~

流石ですね、メモ取るなんぞ
私は・・・メモ取っても・・・・・・
メモした事を忘れるって(自爆)
天道虫
最後まで一気に読みました。面白かったです。
いい出会いがありますね。
つる姫
朝のみそ汁
いつもありがとう♪
いい言葉でしょ?
嫁に行く前の春に、母と散歩していて
神石の山が笑っていたの

朝のみそ汁
じっくりと読ませて頂きました。
「山が笑う」っていいね!
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