「暴れん坊将軍」吉宗は、市中では貧乏旗本の三男坊。いつもフラフラしているので、吉宗とは知らない町民らからケンカを売られたり、お説教されたりすることもしばしばだ。
きょうは吉宗の実母だが、江戸城には住まずに郊外の草庵にひっそりと暮らしている浄円院に会いに行く。浄円院は若い娘たちに手習いを指導しているが、その庵がひょんなことから事件に巻き込まれた。吉宗は心配になり、浄円院を訪れるのだが、そのときに、普段は善人ながらいつの間にか悪者の一味とされた大工に「母上」などと話しているのを聞かれてしまう。
大工は「あんた、貧乏とはいえ、そういう格好してんだから、母ちゃん、引き取ってあげたらどうか。何か、人に言えない事情があるのか?・・・」と容赦なく説教するが、吉宗は「・・・まあな」と答えるしかなかった。
しかし、吉宗には、母上への配慮と悪徳勘定奉行の成敗へのシナリオができていた。最後は、壮大な殺陣で大団円。大工はお祭りで吉宗とすれ違うが、すでにだれか忘れていた。