ピエエルの部屋3

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英和か英英か

2008-09-28 18:13:36 | 英語

高校生以上にもなると、色々な英文を読んでいく中で、英単語の意味を調べる辞書の存在は不可欠になってくる。

意味がぱっとわかりやすい英和辞典を使うのが一般的だろうが、
英語力を培うには英英辞典を使うほうが良いという声もある。
実際のところ、どちらがいいのだろうか?


多くの人がそうだろうが、私は電子辞書を使っている。(※以下はそれを前提とした内容である。)
最近になって、主に英英辞典(Oxford Advanced Learner's Dictionary)を使うようになった。
英和辞典(ジーニアス英和辞典)と比べ、良いと思ったことを挙げてみよう。


まず当然のことのように、説明が英文なのだから、それを読んでいること自体も
英語学習の一部になる。
難しい言葉を平易な分かりやすい言葉で言い換えた文章ということで、
そのまま英作文の参考にもなりそうな言い回しが多く、ためになるし、
何度も読んでいると英文の流れ(話す順番)が身に浸透してくるように感じられる。


次に解説面。
英英辞典のほうが、単語のイメージがよりわかりやすく伝わってくる。

例えば、【inundate】という単語は英和辞典で
「①〔be ~d〕〔…で〕圧倒される, 〔…が〕殺到する〔by,  with
 ②((正式))…を水浸しにする」
と書かれているが、「圧倒」にも種類はある。英英によるとこうだ。

 1 ~ sb (with sth) to give or send sb so many things that they cannot deal with them all
   ((SYN)) OVERWHELM,  SWAMP
 2 ((formal)) to cover an area of land with a large amount of water
  ((SYN))  FLOOD

(※sthはsomething、 sbはsomebodyのこと)
なるほど、処理しきれないほどの“量”がこの語の基本なのか、とわかるだろう。
そうして浮かぶ「圧倒」の感覚は、日本語で簡略化された言葉で見るよりもイメージしやすい。

また、そういうわけで、当然日本語では似たような訳にしかならないような語もちゃんと区別できることになる。
【regret】と【repent】、どちらも「後悔する」という意味を持つが、この2語はそれぞれ
【regret】 to feel sorry about sth you have done or about sth that you have not be able to do
【repent】 to feel and show that you are sorry for sth bad or wrong that you have done
と説明される、、、こんな具合にだ。


さて、【inundate】の例を見ても分かるように、英英の方は類義語まで教えてくれることが多く、また、必ずと言って良いほど例文がついている。これもまた嬉しいことだ。
(これは辞典による違いがあるかもしれないが…)


意味・用例の確認に関してもう一つ。
英和辞典がごちゃごちゃしている印象を受けたことはないだろうか。

例えば【divert】1番目の意味・・・

…をわきへそらす[向ける] : <進路・用途など>を〔…から / …へ〕方向転換する : ((英))<交通>を〔…から / …へ〕迂(う)回させる<((米))detour>〔from / onto, (in)to

なんだか色々な記号が多くて見にくい印象。こんな風に説明されるより、私は

[VN] ~ sb/sth (from sth) (to sth) to make sb/sth change direction

このほうがすっきりしていてありがたいと思う。
(ちなみにdivertという語は例を挙げる際なんとなく浮かんできただけであって、英和のほうが読みづらい場合はこれに限らず結構ある。そんなわけで私は、うっかり英和を引いてしまったあとに英英で語義を確認するとき、その見易さに安堵することさえある。)




・・・
では、英英辞典だけで不都合はないだろうか。
確かに英英だけでは不安なところがある。私も英英だけを使っているわけではない。
これは今までさんざんそんな学習に慣れてしまっているからなのか、何が不安かと言えば、やはり「訳したらどんな日本語?」というクエスチョンが常につきまとっているのだ。

英語を母語とする子供のように勉強をしているわけじゃあない。当然といえば当然のことかもしれない。大学受験を控えている身であるのなら和訳のことだって考えなくてはならないのだから!

【brusque】の using very few words and sound rude という解説だけ頭に入れておいて、いざ入試! brusqueを含んだ文章の和訳問題がでたら、この語を端的かつ適切に和訳できるだろうか。

英和辞典だって、原語の意味をできるだけ逸しないような訳語が選ばれているはず。
よくよく考えられた結果「ぶっきらぼう, 無愛想」という説明が載せられた事実を知らないでおくのはもったいないに違いない。

だからこそ、英和辞典も確認する必要は出てくる。(少なくともこのことから)

となれば、英語学習の仕方はどうしたらよいか。

英文を読んでいく中で、知らない単語について意味を理解するのは英英で十分といえるが、覚えた英単語に最もしっくり対応する日本語を知っておくことは、受験の上で必要といえる。
このことから結論は、
英文を読んでいる段階での使用は英英のみ、
その際記録した単語をのちに記憶するための復習の段階では英英と英和の併用
(電子辞書ならジャンプ機能があるから併用といっても手間のかかるものでもない)
というのが理想的な学習の仕方ということになるのだと思う。


以上はさしあたり持っている私なりの意見である。