こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
警察庁が2024年4月11日に発表したデータでは、去年1年間の動物虐待事件の摘発件数は全国で181件と過去最多とのことです。
この数字は、あくまでも摘発件数ですので、実際の動物虐待事案は181件どころでは済まないことは確かです。
氷山の一角の件数でしかありません。
多発する動物虐待を受けて、動物を虐待から守るために立ち上がった団体があります。
2022年9月に設立された【NPO法人どうぶつ弁護団】です。
兵庫県の弁護士および獣医師の有志で設立されたNPO法人で、理事長を務めるのが細川敦史(ほそかわあつし)弁護士です。
どうぶつ弁護団は、「動物虐待の予防によって、人と動物にやさしい社会を目指します」という理念のもと、動物虐待に関する情報提供があった際に、捜査機関に告発する活動をメインにしています。
その際、飼い主や通報者からは依頼費用を取らず、どうぶつ弁護団が自費で動いています。
どうぶつ弁護団を設立する20年以上も前から動物愛護の問題に精力的に取り組んできた細川弁護士のもとには、動物虐待の被害情報が多数寄せられていたとのことです。
ただ、従来は動物虐待の発見者・通報者が告発費用を負担する必要があり、細川弁護士も矛盾と限界を感じていたとのことです。
そこで、細川弁護士が中心となってNPO法人どうぶつ弁護団を設立し、動物保護のための活動費を各種助成金や賛助会員からの会費などで賄うことにより、虐待発見者や通報者が告発費用を負担する必要がない仕組みを考案したとのことです。
動物愛護法の改正(2020年6月施行)によって動物虐待は厳罰化され、動物殺傷罪は懲役5年以下か罰金500万円以下、動物虐待罪・遺棄罪も1年以下の懲役または100万円以下の罰金とされています。
どうぶつ弁護団は、全国各地の虐待相談を受けて警察などへの告発を繰り返してきましたが、動物愛護法の改正にもかかわらず、逮捕に至らなかったり、不起訴処分になるケースが大半とのことです。
虐待者が逮捕・起訴された場合でも、略式起訴で10万円、20万円といった罰金に留まるケースが目立ち、動物虐待事件の捜査の難しさを実感するといいます。
しかし、どうぶつ弁護団は2022年9月に発足したばかりの団体です。
今後、どうぶつ弁護団の地道な活動が続くことにより、動物虐待事件の重要性が捜査機関や裁判所に認識されるようになるはずです。
引いては、動物虐待者への厳罰化が図られることにより、動物保護後進国である日本でも、動物虐待事件が減少していくことになるでしょう。
動物虐待を発見した方は、どうぶつ弁護団に是非連絡願います。
どうぶつ弁護団のホームページアドレスは次のとおりです。